ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

テーラー 人生の仕立て屋

2021-09-05 00:13:14 | た行

予想外の味がして、おもしろい。

 

「テーラー 人生の仕立て屋」73点★★★★

 

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ギリシャのアテネ。

50歳のニコス(ディミトリス・イメロス)は

厳格な父と二人で高級スーツの仕立て屋を営んできた。

 

無口でマジメ、腕の立つニコスだが

しかし、ギリシャは不況の嵐。

スーツを仕立てる人もほとんどおらず

店は危機に陥っていた。

 

が、ニコスはあるものから発想し

移動式屋台の仕立て屋をはじめることに。

 

しかし、店をのぞいた女性たちに

「紳士服しかないの?」と言われたり

なかなかうまくいかない。

 

そんなとき、ある啓示が空から振ってきて――?!

 

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ギリシャ発。

言葉少なで、控えめながら意外に大胆だったりと

知らない異国のお菓子を食べたような

驚きと味わいがありました。

 

まず主人公ニコスのルックスと佇まいが

Mr.ビーンにちょっと似ていて

無言でマジメなんだけど

ちょっとした仕草やテンポがコミカルでおもしろい。

 

さらにおもしろいのは「出来事のきっかけ」の描写。

 

あるものの車輪から移動の洋服屋台を思いついたり、

落ちてきた洗濯物から婦人服を作り始めたり。

 

そんなニコスは隣家の少女と仲良くなり、

少女の母オルガ(タミラ・クリエヴァ)の力を借りて

婦人服作りをはじめるんですね。

 

で、ひょんなことからオーダーされた

ウェディングドレス作りが軌道に乗っていく。

 

主婦だったオルガは仕事にやりがいを見出し

ニコスも新しいチャレンジで生き生きとしていき

二人はだんだんと、ちょっといいカンジになっていく。  

 

でもオルガにはダンナもいるし娘もいるし

ニコスは奥手っぽいし

さあ、どうなるか――?と思っていると

海辺の夕暮れから

あっさりさわやかに添い寝シーンに(笑)

 

この切り替え早っ!な感じがおかしくもあり

意外に不倫ドロドロなどとは違って

清々しくさえある。

 

しかし、そこで

ニコスと仲良しだったオルガの娘が

複雑さをもって絡んできたり

どうなるのかしら??とさらに気を揉ませられるというw

ラストどうなるかはお楽しみ。

 

それにしても

ニコスがいつも口にする

小道具キャンディの意味はなんだろう?と

ずっと考えていたのですが

まだわからない。

なにか見落としてるかもしれないので

どなたか、わかったら教えてください。

 

★9/3(金)から新宿ピカデリー、角川シネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国で公開。

「テーラー 人生の仕立て屋」公式サイト


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