人間の安心、安全、幸、不幸、自由度は政治制度による。日本は先進国の一員として、どのように受け止められているのか、ぼくは知らないが、少なくとも自由民主党がほぼ独占の状態で政権を保ち続けている。地方組織もしっかりし、自民党はこっちの水は甘いぞ、と団体組織を支援者に引き込む。利権に群がる者もいるだろう。しかしこの強力さは国民の18歳以下の人口の半分もない。約65%から70%の人々が明確な支持をしていない。これは実は不思議なことだ。
年収850万円以上の世帯に税金を上げるという。3歳児から5歳児までの認可保育園の保育料金を無償にするという。(今のところ認可外保育園は想定されていない。これは格差につながる由々しき問題である)。タバコ税を値上げする。出国税をとるようにする。
経済がうまくまわり、財政規律も守られて国が運営されるなら、政府がここまでしなくてもすむはずで、法人税や累進課税などの税でやっていけるはずであるが、財源がないため、このようになる。ところが企業には内部留保のお金が300兆円あると言われている。国民んお総貯金は1500兆円に迫っている。国民を節約志向で、将来に獏とした不安感を抱えている。
ところで宗教法人は無税であり、駐車場などの商売をしても軽減税率が適応される。これも制度によるものだ。全国にある神社をまとめ上げる不思議な宗教法人神社総庁は日本会議の幹部であり、別組織に神道政治連盟をもっている。これらの団体は自民党の支持母体でもある。とくに安倍首相の頭を撫で撫でしている。だから現代権は財源がないといいながらも宗教法人に税を課すことはない。
病院の診療報酬が上がる。クリニックでは5分診療であるが今でも5分で5000円ほどである。これには参る。10分で1万円、1時間で6万円である。
人間の豊かさの境界線は日本pでは500万円とされ、アメリカでは700万円というデータがでている。そして、それ以上の収入に特別な幸福度があがるわけではない、という研究を読んだことがある。
政治制度をいかに設計するか。政党に問われるのはまさにこれである。自民党は多くの悲観的な人々を巧みに取り込んでいる。だから日本では大きなイノベーションは起こらず、ソニーのスマートウォッチがアメリカのたった4人で作ったスマートウォッチに負けてしまう。
イノベーションを起こすのも政治制度である。