25時間目  日々を哲学する

著者 本木周一 小説、詩、音楽 映画、ドラマ、経済、日々を哲学する

車社会の果て

2017年12月16日 | 社会・経済・政治

 地方のひとの収入は東京で仕事をもつ人の3割減と言われている。東京は土地も家の借り賃が高い。地方はその点では安い。

 東京では車を持たなくてもよいが、地方は必需品で、下手すれば一家に2台、3台要る。うちは1台であるが、車代がばかにできない。税金、維持費、燃料費、それに買い替えをしなければならないから、そに費用も取っておかなければならない。中古車を買ったとしても100万円ほどいる。中古車3年持たせるとしても月3万円をキープしなければならない。車検の費用もいる。すると約5万円くらいは車に使うのではないか。

 食費は4、5万円あれば十分である。電気、ガス、水道で2万円あればやれる。

 消費には絶対消費と選択消費がある。生きるに絶対に必要な消費の中に入り込もうと、サプリメントの会社が懸命になる。スマホもそうであり、今や電話料金は絶対消費になろうとしている。この種の物では電化製品がある。ちゃんと査定すれば、サプリもスマホもPCも家電も選択消費である。なくても生きていける。

 普通そんなわけにはいかないから、多くの人は絶対のように使っている。

 なんどもブログで書いているが、尾鷲に自由に乗り降りのできるミニバスがあちこちで走る商売が始まるとよい。規制緩和されてミニ走るようになれば、車を手離す人も多くなることだろう。1人100円。往復200円。どこで降りても、乗ってもよい。

 尾鷲は消滅都市候補にあがっている。若者世代がますます都会に吸収されていく。地方の人たちが作った都会のインフラ。このインフラのおかげで地方の若者が都会に労働者として吸収されるのは皮肉なことである。

 小さな田舎町はどう運営されねばならないか。とりあえず、車の要らない町つくりだろう。雇用が増えるのも間違いない。持っていたい人は持ったらよい。カーシェアリンググループを作るのもよい。そしてやっぱり尾鷲の中心地で津波の来ないところに高層住宅ができるとよい。

 思うに新しい未来のための都市計画が必要なのである。

 漫画やデザインができる人、プログラマー、プロデューサーなど4、5人のクリエーティブ集団がればいい。現在の尾鷲市にはその重要さをわかる政治家が見当たらない。4人学生がソニーの商品に勝てる時代になっているのだ。

 大胆に、発想は変わらなければならない。かつてのアメリカの若者くらいに大胆にである。

 町からひとつ、ふたつと店が閉じていくのを見ると、尾鷲がちょっとずつ沈んでいくように思えてくる。

 最近、ぼくの周りで四人の人が尾鷲を出て行った。それも沈んでいく尾鷲を実感させるのだ。もう時間はないと思う。