25時間目  日々を哲学する

著者 本木周一 小説、詩、音楽 映画、ドラマ、経済、日々を哲学する

解説スタジアムスペシャル

2017年12月29日 | 社会・経済・政治

 NHKの「解説スタジアム」を録画して、翌日の午前中にうりと見た(意見を聞いた)。国際情勢、国内のくらし、スポーツ、日本の流儀をテーマ別にNHKの解説委員が論議するのである。

 社会保障、教育、格差を論じるのであるが、多くは綺麗事に聞こえる。つまり虚しい意見に聞こえる。子育て支援をするべきだ、高校の無償化はばらまき感がる。老年層のお金持ちに税金をかけて若年層への福祉支援をしたほうがよい。いつでも必要なときに学び治せる教育制度が必要だ。人を育てるのが一番だ。もちろん、論議には意味も価値もある。しかしむなしいのだ。

 視聴者にも、こうするべきだ、ああするべきだ、こうしてほしい、これが問題だ、といろいろ思うはずだ。

 単純に言えば、日本の借金は増え続け、いよいよ返済不能の領域に入っている。日本が資金繰り倒産を起こさないようにするためには日銀が国債引き受けをし続けなければならない。その出口が見えない。すると国の借金をなくすにはインフレを起こすことになる。物価が2%上がれば、国民の貯金価値は2%下落するが、政府の借金価値は2%下がる。ドイツでは数百億%になったこともあるし、日本でも戦後の戦争国債をチャラにするのに、貯金封鎖を行い、これまでのお金を廃止し、新札を発行することになった。

 この財政の議論なしに、未来へに意見など言えないと思う。「日本を信じ続けたい」と街角インタビューで答えていた女性がいた。ほとんどの人はまさか日本が倒産するとは思っていないのだろう。しかしながら日銀が国債買い入れをやめたら国は資金繰りができないのである。回避するには税金を50%くらいまでするという方法もある。しかしこれが起きればどうなることだろう。

 この財政問題を論じたるのが根本のように思える。解説委員が言っていることは日本人の貯金が紙切れになって、やり直しをするときに有効な意見のように思える。

 借金返済ができなくなって、ハイパーインフレが起こって、お金の価値が激減したときに、あらたな出直しの経済、社会、政治、教育が始まる。数年の我慢。この我慢の時期にどうやら、ぼくの年齢層も、団塊世代の層も生涯で最後の試練がくるように思える。

 さて、これからが思想や哲学の出番である。新しい日本型社会の理念が必要になってくる。