茶の花 2013年11月05日 | ポエム 茶の花は、初冬の季語である。 けれど、しめやかに且つ密やかに咲いている。 誠に素朴な花であるけれど、その白さの際立つありさまである。 「茶の花の醸すあたりの遊子かな」 まだまだ晩秋にもならないけれど、咲く花の健気さに敬意を表すのが俳人の崇高な責務である。 少なくともぼくは、そのように承知しているのだ。 俳句を始めて、すぐに詠んだ花が茶の花であった。 あらためて、まじまじと対面して詠んでみたのである。 茶の花は、深い。 そう思い知った朝である。 荒 野人