エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

小淵沢便り・・・七章

2013年11月26日 | ポエム
八ヶ岳の麓の冬薔薇である。
フユソウビと読みたい。

誠に美しい語感である。
ここから、イマ―ジュが嫌がおうでも広がる。



色彩は夏のバラには負けるけれど、しっとりとした色彩感覚は比類の無いたおやかさである。
日本海の冬の海に落ちる雨のけれんみのなさが、冬薔薇にはある。

そもそも論で謂えば、感性とはそうしたものであるのだ。






「冬薔薇けれんみのなき空気感」







八ヶ岳の麓の旅である。
初霜、初氷、初霜柱…初冬の相貌を垣間見た小さな旅であった。



八ヶ岳便りは、次回で終章としたい。
最終章は、堀辰雄が病を抱えて療養生活を送ったサナトリゥムを紹介したい。
いま、サナトリゥムの痕跡は全く無い。
工事現場となっている。



      荒 野人