エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

冬ざれの

2013年12月27日 | ポエム
冬ざれの日である。
肌寒の日が続く。



間もなく大晦日。
年が足早に暮れようとする。

明日は、良い日であるだろうか?

かくして、俳句修行の三年目の新年を迎える。
良き師匠に出会えた、その幸いを反芻しているのだ。
来年は、写生一筋で学ぶ。



句友に選句される、そうした俳句を詠み続けられるよう視座をはっきりとさせる。
そこから始めようと覚悟しているのだ。

からまつの修行は、だがしかし楽しい。







「耳に触れ風音尖り冬ざるる」







冬ざれの日常は、非日常なのかもしれない。
人の希求する日常と違うのだ。



      荒 野人

ダイヤモンド富士

2013年12月26日 | ポエム
東久留米駅前通りの富士山は、西武線で最も著名な富士スポットである。
「富士見テラス」が駅ビルにあるのだ。

昨日、ぼくはそのテラスでダイヤモンド富士を眺めたのであった。
誠に荘厳な姿で、落日を迎える。
その落日が、富士山の後ろに落ちることによってダイヤモンドと称されるのである。

テラスには、およそ30~40名の素人カメラマン。
ぼくは、ダイヤモンド富士ショーが始まる1時間前から場所確保に励んだ。
1時間前でも、二列目。



犇めく素人カメラマンを地上から激写する、カメラウーマンもいる。
大小のカメラが、シャッターを切りまくる。
ダイヤモンド富士が始まる前から、こうした有様であった。



駅前通りは、こうなっている。
通りをビル群が囲んでいる。
ビルに装われた額縁である。



この一番上に、富士山が見えるのである。
少し、もやっているので富士山の輪郭がわずかに感じられる程度である。

だがしかし、陽が落ちれば輪郭が鮮明になってくるのである。



富士に日が隠れ始めた。
時間的には、4時15分から20分の間。

5分間程度である。







「光帯ぶ富士の向うの冬入日」







暖かく、富士見には最適な日であった。
カメラマン同士が交わす会話で、今日が一番綺麗に見えたとの事。
雲が少ないのだそうである。



すると、ぼくはラッキーであったと言う事になる。
来年は、きっと良い年になるに違いない・・・などと一人合点する。



暢気な野人である。
だが、ダイヤモンド富士は素晴らしかった。



      荒 野人


イルミネーション

2013年12月25日 | ポエム
イルミネーションの光を楽しんだ。
豊島園の電飾である。


比較的暖かい一夜であった。
闇に浮かび上がるイルミネーションの世界は、異次元の世界である。

次元を異にするからこそ、妖しく美しく、ぼくらを魅了するのだ。



当然、子どもも夢の世界へと誘われるのである。
音楽が聞こえて来ると、ウキウキするのは年齢を問わない。



光が灯る。
光の色が変わる。
光が動く。
光が集散する。



不思議な現象が、目の前に現れる。
子どもの心を鷲掴みにする。







「電飾や光の粒の数無数」







大人も、子どもの心と一体化するのだ。
光は、時に温かく瞬く。
時に、氷の世界も演出する。

その千変万化が良い。

イルミネーションは、やはり冬が良い。
大気の揺らぎが少ないからである。

光のコントロールには、変に瞬かないのが良いのだ。



    荒 野人

フォイヤーヴェルクの定期演奏会

2013年12月24日 | ポエム
東大フォイヤーヴェルクの第30回定期演奏会を聴きに行った。



この楽団の賛助会員になってまだ日が浅いけれど、魅力的な楽団である。
その魅力は、成長が確認出来るところであると言ったら「不遜」だろうか。



会場は墨田トリフォニー・ホールである。
錦糸町駅の近く、すぐそこにスカイツリーが聳え建っている。



この夜のプログラムは、ブラームスの4番である。
難しい曲である。
とりわけ、管楽器のパートは卓越したテクニックは求められるし、パーカッションも大変だ。



だがしかし、楽団員の情熱が曲を完成させた。
素晴らしい演奏であった。







「ヴィオロンの前途祝せり年の暮れ」







コンマスのマリウス君と指揮者の握手。
お互いのパフォーマンスを讃えあったのだ。

マリウス君は、来年卒業。
既に就職も決まっていると言う。
彼の前途と成功に、幸多かれと祈る。

ぼくが、この楽団と出会うきっかけを作ってくれたのは、彼の母親。
これからも、彼は客員として演奏するだろう。
ぼくは、楽団と彼を遠くから見守る。

その楽しみが・・・良い。



      荒 野人

逆光で見よ!

2013年12月23日 | ポエム
冬の光は、逆光で見ると映えるのである。



ベンチに座って、持参した熱い珈琲をゆっくりと咽喉に流し込む。
光が笑う。



とりわけ、今は冬の芽が伺える。



光こそが、演出者!
光あれ、熱あれと詠った宣言があった。

ぼくは、今でもその一部を暗誦できる。
人の世に熱あれ・・・光あれ。
で、ある。







「逆光は降り注ぐ愛冬の色」







昨夜は、コンサートに出かけた。
東京大学フォイヤーベルク管弦楽団の第30回定期演奏会である。

楽団員は、難曲に挑戦し見事に演奏しきった。
曲は、ブラームスの交響曲第4番ホ短調であった。

仔細は、明日報告することとしたい。
コンサート・マスターのマリウス君の挨拶も良かったけれど、彼の書いた第4番の紹介文が素晴らしかった。
これも含めて明日報告する。



     荒 野人