=118 ~木の因数分解~(家具工房つなぎブログ)

南房総でサクラの家具を作っています。ショールーム&カフェに遊びにおいでください。

宮崎県はなぜ「杉生産量日本一なのか?」

2009年08月24日 | 【お出かけ】木のむくまま
2009年3月3日


「宮崎県の杉生産量は日本一」東国原知事も載ったそんなポスターを何枚も見た。
しかも調べてみると、宮崎県は一位は一位でもダントツの一位なんです。宮崎県の産出量が年120万立方メートルに対し二位の大分県は60万立方メートル台。実にダブルスコアで一位なんです。

そこで、「なぜ宮崎県は杉生産量日本一なのか?」という問いを解決するために、宮崎県の木材業界の新たな成長をを引っ張っている海野さんからのご紹介で、宮崎市川上木材の川上社長とお会いすることができました。

川上木材も含め5社で構成される宮崎県内でも最大級の製材加工所組合「ランバー宮崎」で宮崎杉に関する説明を受け、製材現場も拝見させて頂きました。
さすがは「杉生産量日本一」の宮崎でも有数の加工所です。その大規模な設備と溢れる材木に私はビックリです



■まずは「なぜ宮崎県は杉生産量日本一なのか?」、私が今回一番お聞きしたかった質問に川上社長が明快な回答を与えてくださりました。

その要因は大きく4つ

1.地形
2.土質
3.歴史
4.気候

さらに付加要因として、

5.産業構成
6.施策

があげられると思います。

1の地形と2の土質については、まず先に同じ針葉樹の杉、桧、松についての違いを確認しておかなければいけません(全部受け売りですが。。。)。杉、桧、松の中で一番貧しい土壌でも育つものが松、次いで桧、杉の順です。逆にいうと杉は栄養がないと順調には生育できないとも言えます。そして山の中で一番栄養のある土壌は谷に近い山すそのほう、そして高くなるにつれて養分が少なくなっていくそうです。
これらを踏まえたうえで九州地方を見てみると、太平洋側に面した宮崎、大分は相対的に山がなだらかで表土が厚く、東シナ海側の佐賀や熊本は山が峻険で表土が少ないそうです。そのため宮崎、大分は全国でも1、2位の杉生産県となっており、佐賀や熊本も杉を生産していますが、桧が半分近くはあるのではないかというお話でした。
ちなみに福岡は昔から桧を尊ぶ習慣があるそうです。

3の歴史についてですが、この地域はその昔江戸時代は「飫肥藩」と呼ばれており、その飫肥藩が換金できる資源として植林を奨励した歴史があり現在にも続いているのです。

4の気候についてですが、例えば寒冷な地域にある秋田杉などと比べるとその温暖な気候によって生育がとても早いことが生産量の大きさに影響しています。

5、6は上に書いたように付加要因ですね。
宮崎は大きな産業が少なかったために、第一次産業に従事する人口が多く林業関係者が多いそうです。そしてその産業をもっと活性化させようと、さまざまな施策を行っており、例えば山のヘクタールあたりの林道の割合がとても高く、これなどは計画的に行政が進めてきた成果といえるでしょう。

こうした説明の後、ランバー宮崎の工場内、そして実際の伐採現場もご案内頂き、おまけに隣の綾町観光までさせて頂きました。


突然お邪魔させて頂いたにも関わらず、川上社長、本当にありがとうございました。


◆とにかく敷地内に材木が山のようにおかれています。


◆とても大きな装置を保有されています。


◆ドイツの機械らしいですが、2台とも同じ機械。なのになにやら書かれている名前が違いますね。1台目は「ピーター」と書かれています。そう、ヨーロッパでは機械をセッティングするマイスターが尊敬され誇りを持っているので、それぞれセッティングをした人の名前が書かれるそうなんです。面白いですね。




◆いまやプレカットは完全にコンピューター任せの時代です。


◆韓国にもプレカット材を輸出しているそうなのですが、韓国の柱は円柱なんだとか。対応するためにいろいろとご苦労されたそうです。



◆伐採中の丸太と伐採現場の看板



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今年2回目

2009年08月23日 | 【日記】いろいろ
の花火大会でした。

毎年なかなか見ようとしても1回くらいしか行けませんでしたが、今年は2回も見ることができました。

しかもSさんの庭でバーベキューしながらの特等席。

「あ~、やっぱりビールは生がうまい!」



花火一発○○○万円。

文字通り花のように散らして散財していると言えなくもない。この不景気の時代に。

でも、ほんの一瞬で形も残らないけど、大勢の人を気持ちを喜ばすことができる。

そこにはお金でない別の価値観があるのである。


午前様に近づいた頃には、Tシャツで肌寒かった。
秋はもうそこまで来てそうです。
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「ふりをするな」

2009年08月22日 | 【師の教え】田中語録
(写真は来週からの出張を前に黒板に残した先生のメッセージ)


「やったふりをしてるんじゃねえ」

本日は、整理箱の支輪という部分を本体に組み立てる前に、支輪をつけてしまうと塗装のためのサンドペーパーをかけづらくなる箇所をあらかじめ研磨しておく作業について先生を注意を受けました。

木目や木の方向に沿ってサンドペーパーをムラなくかけておかなければいけないのですが、私は塗装の前に再度本仕上げをしようと多少いい加減にかんがえていたのかもしれません。
そのため、先生に指示されたやりなおしも、しっかりチェックせずに次の作業に移ろうとしたところ、先生が待ってましたとばかりに、

「やったふりをしてるんじゃねえ」

と再度注意を受けました。



考えるに、
この作業は必要だからあるわけで、けっしていい加減にしてはいけません。
およそ、
「後でやればいい」
という後回しの考えはけっしていいことにつながりません。

必要だからこそある作業、
そしてそのひとつひとつの作業の積み重ねがきちんとした製品につながると思います。

あえて大きな声で注意を頂いた先生に感謝です。

→「田中語録への思い」はこちらをご参照。

コメント (2)
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勝手墨の本当の意味

2009年08月19日 | 【授業】伊那技術専門校木工科
また失敗してしまいました。

現在製作中の整理箱の後支輪という部品に段欠きをする際に、間違った面を切ってしまいました。
幸い、大事には至りませんでしたが、改めて反省です。

前々から先生が「勝手墨は100メートル先からでもわかるようにつけろ」
と口をすっぱくして言っておられますが、
私はその意味を、
「大きく墨をつけてとにかくわかればいい」
という程度に考えていたのかもしれません。

しかし、実際は、
「わかりやすく正確につけなければいけません」

「削り取る部分はここ」
という印だけでなく、

「どのくらい、どの向きから削るのか」
といったことも記しておいたほうがいいのです。特に素人のうちは。

もちろん正確な墨付けではないので0.1ミリ単位でつける必要はないのですが、
目寸法でも、おおよそのミリ単位で墨をつけられるはずです。
間違っても5ミリしか削らないところに20ミリくらいの墨を書くのは不自然です。

そして、面だけでなく木口にも削り取る線などを書いておいたほうが間違いが少ないでしょう。


勝手墨といって、私の中にすこしいい加減に考えていたところがあったのかもしれません。
でも、この作業も大事な一ステップ。
手を抜けるところなんかありませんね。
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始業式

2009年08月18日 | 【授業】伊那技術専門校木工科
本日は二学期の始業式。
小学校に比べると少し早めの二学期です・・・が、

朝体育館に集まり、全校生徒で始業式を行い、

冒頭には校長先生のお話があり、小学校そのままです。


校長先生のお話ですが、
「これから訓練も本格化し、この時期をしっかりやりきれるかどうかで、卒業時に自らの目標としているレベルに到達できるかどうかが決まる」
とおっしゃっていました。

「自らの目標レベル」

私はここを再度きちんと意識しようと思いました。

学校のカリキュラムは皆同じ内容を受け、3月には上手いも下手もなんとか卒業になります。
しかし、カリキュラムをこなし卒業することが目標では決してありません。

本日配布された時間割りを見ると、これからは実習のスピードも速まっていきそうですが、目の前のカリキュラムをこなすことに満足せず、自分自身の目標、来年3月の到達レベルを目指してがんばりたいと思います。

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高原の風

2009年08月17日 | 【日記】いろいろ
伊那に戻ってきました。

朝早めに家を出たので、中央道下りということもあり、たいした渋滞にも遭いませんでした。

アパートに着いて車を降りると、吹き抜けていきました。

信州の風はやっぱり涼しいです。


でも、そのあと畑を見ると勢いよく成長した雑草に私の作物が埋まっている姿を発見し、草刈り。
やっぱりまだ暑かったです。。。。
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夏休みの工作

2009年08月17日 | 【完成品】独立前の作品です
おそらく?人生最後の夏休みでしたが、今回は旅行には出かけませんでした。

実家で小学生並みに工作をしていました。


今回の作品は「写真立て」

将来的にたくさん作っていきたいと思っている(市場や採算性はまだ考えていません)ものですし、現在の私の力量ではまだ箪笥などは無理なので、ちょうどいい課題です。

でも、こんな小さな物でも、工作機械の必要性を感じました。

今回のポイントは3つ

1.留めという角で縦と横の板を45度に組み合わせるところ
  
なかなか手鋸では正確な45度にならず隙間が空きがち。
機械があれば一発なのに・・と思いながら、でもこのくらいはできないとね。

2.裏板がはまる溝加工
  
4ミリ×3ミリくらいの溝を作りますが、これもトリマーなどがあれば一発。
でもないので、ノミと際鉋でやりましたが、なかなかきれいにならない。

3.カンザシといって、角に板を挟んで埋め込みます
  
カンザシをベニヤ板2.5ミリ厚にしたので、その2.5ミリの溝を掘らなければいけません。そのくらい厚めの丸ノコがあればいいのですが、やっぱりないので、手鋸で切ります。しかし鋸厚が1ミリくらいのため2.5回くらい切れ目を入れるのですが、これがなかなかきれいにいきません。


「アナログでできない奴はデジタルも使いこなせない」
「手でできない奴は機械も使いこなせない」

というのが私の持論なのですが、
「でも機械があれば・・・」という思いが頭を掠めます。

機械の設備投資も相応にお金がかかりますし、
一方で手加工もやらなければ上達しない

手加工と機械の誘惑。
今後も長い葛藤になりそうです。


<おまけ>
木版画で住所スタンプを作りました。
これで遅めの「残暑見舞い」が出せる?



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さよなら館山

2009年08月16日 | 【日記】いろいろ
明日には実家の館山を離れ、長野に戻ります。

夏の海はお盆を過ぎると、急に寂しくなります。

くらげもたくさん発生するし。


この夏の終わりって、結構嫌いな季節なのですが皆さんどうでしょう。
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在庫置き場

2009年08月13日 | 【日記】いろいろ
私の在庫置き場ができました。
実家の工場(こうばと読みます。こうじょうほど大きくないです)のスペースを借りて、長野で仕入れた板2枚を寝かせています。
それと右側は竹です。こちらは趣味の横笛を作るためのもので、こちらも今年の冬に切ってきたので、あと2年くらいは寝かせたほうがいいでしょう。
(竹の油抜きをバーベキューの炭火を使ってやりましたが結構骨が折れます)




将来の独立に向けてコツコツやってます。コツコツ。
コツコツが大切ですよね、きっと。
コメント (2)
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お知らせ

2009年08月10日 | 【日記】いろいろ

春先に行った「木を感じる旅~西日本編~」のレポートでアップできていなかったものを順次投稿しております。
しばし時系列がおかしくなっておりますが、ご了承ください。

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