2020年本屋大賞3位で2022年映画化された
「線は、僕を書く」は公開の折見逃していたが
先日ネット配信されたものを観て
思い出した事がある
映画は水墨画の世界の話だったが
親父が旅行か何かで手に入れて来た
奇妙な蛇の鱗のような文字の書かれた掛け軸
母が何故こんな気色の悪い掛け軸を買ったのかと尋ねると
この書によく似た文字の書かれた
襖が我が家に昔有ったが
襖を張り替える時下張りになって消えてしまったが
とても魅力的な書で親父は好きだったからだと言う
その襖の書は
何処で知ったか解らぬが
旅の書家が嫁と共に新築したばかりの我が家を訪れて
お宅の襖に書を書かせてくれ
書の対価は
嫁の方が硯を使って墨を茶碗に溜めてる間
酒を呑ませてくれるだけで良い
と言って書いた物だと云う
親父が買ってきた奇妙な文字
蛇の鱗の様な
書を襖2枚分大書して次の村へと去っていったと言うのだ
大正時代の事だから
件の書家は果たしてどんな人物だったのか?
知る由もない
今回の映画で登場したのだ蛇の鱗を思わず書が
親父にこの映画を見せてやりたかった