大臣も 選挙負ければ 只の人
自民党は今回の選挙で歴史的大敗となった
首相や閣僚の責任は大きい
選挙後の身の処し方やこれからの言動が注目される
ところで
徳川三百年の政治の終結は
薩長土の志士たちの活躍であったのであろうが
フランスやイギリス等の外圧も大きい
鎖国政策を貫いていた徳川幕府も
外国対策を考えあぐねて勝海舟らに海外の視察をさせたりしている
その際 彼らの物の見方は大きくかわったことだろう
半藤一利さんのそれからの海舟 ちくま文庫刊
西郷隆盛との交渉に成功し江戸の街と市民を戦災から守りきり
官軍に敗れた幕軍の将として
親方であった徳川慶喜をも守りきった男
その海舟の後半生を調べ上げた作品である
敗れれば只の人であったはずが
新政府の思惑によって度々政治の舞台に再登場せねばならない運命
江戸っ子の心意気は死ぬまでつらぬかれ
官軍の将でありながら逆軍の汚名を着せられた西郷隆盛の
名誉回復にまで尽力した
加えて偉大な功績は 旧幕臣たちの生計を考え
新政府で力を発揮したことだろう
しかし
幕軍であったがために
彼に対する評価はあまりにも低い
ともに咸臨丸に乗った福沢諭吉にさえも批判をうけるしまつ
政治家は何をなすべき存在か
名誉とは 男のなかの男とは
本書は問うている
今 勝海舟のような政治家がほしい