ソロツーリストの旅ログ

あるいはライダーへのアンチテーゼ

振り返ってみるとオートバイがいちばん好きだった

木枯らしに向かって走る

2011年11月21日 | R100RS 2本サス (1981) 銀じぃ

今日はわが銀ジィ(’81R100RS)への偏愛をつづってみたい。

と云っても、実のところその「偏愛」の理由はまだよく分かっていないんだけど・・・。

適度に使い込まれて来たのだろう、外装もフレームも傷みが多い。

サスもへたってきているし、その性能も前時代的だ。

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古いオートバイを買ってきて、最新のパーツを組み込んだり、

逆にまだまだパーツが出るのをいいことに、ごっそり新品に取り換えたり、

みなさんお金持ちでほんとに羨ましいけど、

ホントのことを云うと、ボク自身はこの古ぼけた感じと性能の低さを求めている気がしている。

いつも銀ジィを診てもらっている元ディーラーのKさんは

古い輸入車を(もちろん歴代の国産車も)多く触ってきた経験を持つようだが、

彼のその経験から出た言葉を聞くうちに、ボクの旧車に対する向かい方が変化した様に思う。

例えば、これは銀ジィが発電不良ではないかと疑っていた時のことだけど、

レギュレーターを、巷で売っている高出力のモノに換えようか相談したら、

Kさんの意見は、あまり強く発電するとバッテリー液が早く減る、というものだった。

別にバッテリー液が減るなら補充すれば良いのだけれど、

高速で長距離を移動する目的を持ったRSには、

今の発電能力が見合っているということなのだろう。

RSはハイスピードツアラーなのだ。

もちろん理解しがたいような部分もある。

現行のフラットツインエンジンもそうだけど、

コンロッドの分だけ左右のシリンダーがずれている。

右のシリンダーが下がっているけど、RSはそれに合わせてステップも下がっている。

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左のステップを右に合わせればいいだけだと思うけど、

なぜシリンダーとの距離を一致させることが優先しているのか、まったく理解できない。

まあ、このステップの位置のズレは何の問題もないんだけどね。

乗っても気付かないし、大抵の人はあとからこの不思議に気付いて、ふふっとほくそ笑む程度だ。

             〇

ボクがいちばんRSを気に入っているのは、やはり「エンジン」かな。

しっかり暖まってくると、それがよく分かる。

実に機嫌良さそうに、ごろんごろんとクランクを回す。

長いプッシュロッドがロッカーアームを押し上げ、バルブを押し込む。

その一回一回のカチカチカチカチというタペット音が精密にリズムを刻む。

車体を小刻みに震わせる振動は4000rpm辺りでピタッと収まり、

絶大なジャイロモーメントに全身が支配されるのを感じる。

この回転域で巡航するのが一番楽だけど、

もちろんここからさらに開けても全く問題ない。

ただし最大トルクの出る6000rpm辺りの気迫は凄まじく、

かつてアウトバーンでポルシェ911と渡り合った片鱗を見せる。

コーナリングの感じもかなり好き。

これはRSに限ったことではないのかもしれない。

というのはこの頃のBMWのオートバイがハンドリングを評価されていないからだ。

フロント19インチ、バイアスタイヤの組み合わせのオートバイなら同じなのかも。

でも、細いバイアスタイヤのハンドリングはとても「いかしている」

性能で云えば劣っているのかもしれないけど、

これはこれで十分「あり」だ。

いま履いているメッツラーの「パーフェクト」との組み合わせが特に好きだ。

グリップが明らかに低くて、気を使う場面も確かにあるけど、

「パーフェクト」はRSを上手く手懐ける。

            〇

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最初のころ、銀ジィを新車みたいにして、乗ってみたいという考えだったけど、

最近ではヤレていくままに乗りこなしていきたいと思っている自分を発見した。

30年前のライダーがこれを乗りこなしていたように、

ボクも当たり前のようにコイツを乗りこなしてみたい。

直4のスーパースポーツにもすごく乗りたいんだけど、

それよりも、かつての栄光を引きずって生き残るRSを、僭越ながら見守って行ってやりたいと、

今はそう思っている。

若い時からもう30台くらいいろいろなオートバイに乗り継いできたけど、

こんなに引っかかるオートバイはRSだけだ。(いまのところね)

            〇

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土曜の雨が上がって、日曜は木枯らしが吹いた。

そんなに冷たくはなかったけど、紅葉した木々の枝を大きく揺さぶって

パラパラパラパラその葉を落とす。

作手の野山を木枯らしに向かって銀ジィを走らせた。

大きなカウルで銀ジィはその北風を切り裂く。

背中を丸めて銀ジィのカウルにもぐり込むと、ちっとも寒くない。

つま先はいつものようにまだ熱い。

でも、山の木々の中にはすっかり葉を振い落しているものもある。

もう冬はすぐそこまで来ているね。

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