ソロツーリストの旅ログ

あるいはライダーへのアンチテーゼ

振り返ってみるとオートバイがいちばん好きだった

耐えられるけど、耐えてまで?

2011年12月19日 | R100RS 2本サス (1981) 銀じぃ

相当な熱意なのか?

なんらかの目的なのか?

それとも・・・如何ともしがたい理由?

いやいや、ただの習慣か?

走るモチベーション。

走る理由。

ましてや義務では無いし・・・

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山の木々はもうすっかり葉を落として寒々しく、

この季節にむき出しのオートバイは、なんだか居心地が悪い様子に見える。

もちろん当の本人(銀ジィね)はそんなことちっとも意に介せず、

空気で冷やすエンジンは却って快調で、

凝縮された冷たい空気を吸い込んでいっそう力強い。

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山口百恵の「湖の決心」がおっさんの頭の中でヘビーローテするような、

冬景色のダム湖は、本当に寒くて、さびしかった。

こんなに寒いのに、こんなに北風が冷たいのに、

陽の射さない山影の道路は黒々として不気味なのに

どうにもジッとしてはいられずに、

結局、なのにボクらは走るだ。

理由や、目的に収まらず、ただただ走らずにはいられないから。

それは熱意と云うより、衝動に近い。

          〇

先週お別れを云ったばかりなのに、

いつものコースで山へ上がって行った。

何だか細かい白い灰のようなものが一杯舞っているなーと思ってたら

融けかけた雪だった。

みぞれまでいかない、小さな破片だ。

千万町までは何とか平気だった。

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茅葺屋敷の軒にはこないだから柿が干してある。

もうずいぶん萎んできたね。

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冬のカサカサとした日差しがまだここは一杯だけど、

やっぱり雪の欠片がふわふわと飛んでくる。

作手の方を見遣ると上空が真っ暗だった。

ホントは今日はここで折り返すつもりだったけど、

路面がしっかりと乾いていることに気を良くして

さらに進む。

ひと山登って作手に出ると、

空気ははっきりと分かるくらい温度を下げた。

銀ジィに乗る時は冬でも薄手の皮手袋だけど、

さすがに指先が冷たくなってくる。

少し頭を下げて、風の流れをかわし、カウルの中にすっぽりと隠れて走る。

4000rpm。

タペット音が鳴りを潜め、360°クランクの断続的な排気音に包まれる。

まあ、云ってもそれほど寒くはない。

路面がシビアなコンディションにならないくらいの寒さは、

耐えられる範疇だ。

ガキの頃は初日の出を見に伊良湖岬へ行くのでさえ、

ジーパンとスニーカーだった。

(凍えて鼻水と涙が止まりませんでしたけどね)

でも、オートバイに乗りたかった。

今だってそうだ。

寒いけどこれくらいなら耐えてでもオートバイに乗りたい。

けれど耐えてまで?と思わない訳でもない。

          〇

結局、いつもどおり作手の涼風の里まで来ちまった。

ずーっと雪みたいのが舞っていて、止まると寒さが沁みてくる。

あれ不思議だよね。

何で走ってるより止まった方がサブいんだろうね?

な訳ないんだけど、絶対止まってる時の方がサブい。

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作手はすごい天気が悪かった。

遮るものも無くて、ここは風も強い。

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ヘルメットもとらずにシリンダーヘッドで指先をほぐし、

暖かいコーヒーで一息入れる。

さびーーー!

まじで、もう来週は無理だな。