ソロツーリストの旅ログ

あるいはライダーへのアンチテーゼ

振り返ってみるとオートバイがいちばん好きだった

「必然」はデフォルトの姿にあるか

2020年12月02日 | R100Trad (1990) クロ介
夜中に寒気が流れ込んで

山はにわかに時雨れた

雨が止むと、風が吹き

「もう今年はここまでさ」と冬はうそぶく



たとえ山の中の国道で、交通量が少なくても

前をノロノロ走るダンプを100km/hを超える速度で

しかも集団で追い越すなんて、絶対にダメだ

後ろで見ているだけで、とてもいやな気分になる

と、うそぶくのに、似ている



今まで撮った写真を見ていて

なんだかライトケースが小さすぎる感じがしてきた

ウィンカーも安っぽくてありきたりだ



RnineTとかいうオートバイを見てたら

ウィンカーがフレームマウントされていた

ライトもでかくて、とてもかわいい



リアウィンカーのブラケットが余ってたので

取り付け位置を探ってみたら

オイルクーラーが取り付いているフレームの穴がぴったり

ライトケースもノーマルのメッキキラキラのバカデカいやつに戻した

下げてあったメーターがそいつにあたるので

結局メーター位置も元に戻した

悪くない



かつて、BMWはそのすべては必然であるとうそぶいていた

左右のステップがシリンダーがずれている分同じようにずれている、とか

1000キロ走るとエンジンオイルが1リットルも減っちまう、とか

電圧計がウィンカーの回路に組み込まれていてウィンカーを動かすたびに電圧計の針が躍る、とか

そう、すべては必然なのだよ


いやいや、茶化すつもりはない

エアヘッドのボクサーツインに乗ると

「違和感」しか感じないのに、

乗ったひとの多くはやがてその特異性の虜になる

虜にならないと、大、大、大嫌いになる


ボクは、虜になったほう

あれこれ手を入れることは悪くはないけど

当時のBMWが安価で超高性能な極東のオートバイを横目に

その3倍もする価格でこの究極の実用車を販売していたのだ

ノーマルの構成に潜む彼らの「必然」に触れることこそ

このちょっと古いオートバイを走らせる大いなる楽しみなのだ

と、うそぶく