ソロツーリストの旅ログ

あるいはライダーへのアンチテーゼ

振り返ってみるとオートバイがいちばん好きだった

ルートこそが目的地

2021年02月03日 | R100Trad (1990) クロ介
以前にも書いたことあるけど

内田百閒先生

「何にも用事はないけど、汽車に乗って大阪に行ってこようと思う」

今でいうところの「乗り鉄」の先生だ

目的地まで行っても観光など目もくれず

昼間から旅館にしけこんで酒を飲む

ただし、先生の車窓の描写はとびきりで道中は存分に楽しんでいたのは間違いない

汽車に乗って出かけていくことが目的なのだ



ボクの「旅」も目的地など二の次だ

最果てという意味で、先端部(主に半島の先端)が目的地だったり

あとは作家や絵描きが好きなので

彼らの旅路を辿ったりすることもある


とにかく走ることが目的だ

「場所」でなく「道」

どの道を走るかが、最も重要だ


ナビは全く役に立たない

効率と効果をプライオリティとする電子頭脳には人の脳の真似は出来まい

そしてオートバイで走りながら

その土地にしかない風土を感じ、またそれに思いを馳せる

この地方に、この国に、この星に

いま生きている喜びすら感じる


ちょっと大げさだね

というか、この歳になると、命が無性に愛おしく感じるのだ

オートバイで知らない町や道を辿る時

ボクはその瞬間に命を感じる


「年長けて また越ゆべしと思いきや 命なるかな 小夜の中山」

西行法師最後の陸奥行の途中

今の掛川にある中山の峠で読んだ一句

「命なるかな」の響きは強い


ルート選びは重要だ

人からルート選択という自由を奪うナビ野郎になんかに、君の「オール」をまかせるな



自分の人生の主人公になろう

自分の行く道を自分の意志で選ぶ人になろう

自由に、積極的に、人生を美しいものにしよう

既存のルートや常識に縛られない人になろう

自分の行く道は自分で決めたほうが楽しいに決まっている

人生のドライバーになろう (Be a driver)


これ、マツダのブランドCMの文句なんだけど

クルマにもオートバイにもちょっとしっくり感じなくなってた時

このメッセージがテレビから流れてきた

RX-7やアクセラスポーツ、そしてロードスター

もちろんマツダは気にしてたけど

ボク等の世代は「赤いファミリア」のイメージが強すぎて

正直、ディーラーへ行ったこともなかった

でも、バブルのころのユーノス各車だけでなく

先代のデミオやベリーサなんかのデザインはとても魅力的だった

で、このメッセージだ

そして、世界シェア2%が目標という主張を聞いて「やられた」

ボクは2%だったのだ



自分の行く道は自分で決めよう

そう思う