自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

☆完結・イタリア行

2006年02月10日 | ⇒トピック往来

 イタリア・トリノ冬季五輪の聖火が日本時間の9日にトリノに入ったとのニュースが流れていた。ローマのクイリナーレ宮を出発してから60日余りイタリア各地を巡って、たどり着いたようだ。私がイタリアを離れたのが1月22日。ミラノのマルペンサ空港はトリノの空の玄関口だが、オリンピックまで20日を切っていたのに空港は「オリンピック歓迎一色」ではないように思えた。

  いまはもっと盛り上がっているかもしれないが、当時の空港にはごらんのようなポスターが散見されるだけだった。そういえば、オリンピックのチケットも7割しかさばけていないとの不人気を伝えるニュースも当時は流れていた。確かに、ローマでもフレンツェでもミラノでもテレビが多少煽っているだけで、オリンピックらしいムードは感じられなかった。

  それでは、1998年の長野五輪のときに東京や大阪、福岡がオリンピック一色だっかというと、東京は少しその雰囲気があったにせよ、大阪や福岡には別の空気がただよっていたかもしれない。おそらく冬季五輪は「北のスポーツの祭典」あるいは「地域オリンピック」なのである。

  帰りの空路はシベリア上空を通過した。下の写真は1月22日午後4時ごろ、ハバロフスク周辺の上空、高度11000㍍からの撮影である。蛇行する川は凍りついている。果てしない雪原、白魔の世界を感じた。

  トリノ五輪までに書き上げようと目標にしていた数種類の調査・報告書もなんとか大学に提出できた。当初さんざん聞かされていた盗難にも遭わず、「子どもギャングがいる」といわれた地下鉄にも乗った。ただ、物乞いには数回つきまとわれた。それを差し引いても十分にお釣りが来るくらい、イタリアの都市は魅力にあふれている。 これで「イタリア行」を終える。

⇒10日(金)朝・金沢の天気  くもり

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