この支持率の意味を考えてみた。きのう(15日)の時事通信Webニュースによると、11月の世論調査(8-11日、回収率62.5%)は内閣支持率が前月比で4.3ポイント増えて48.5%、不支持率は3.6ポイント減り29.4%となった。NHKの世論調査(8-10日、回答率58%)は内閣支持率が9月調査より1ポイント減り47%、不支持は2ポイント増え35%だった。経産大臣と法務大臣の閣僚の相次ぐ辞任や、大学入試への英語民間試験の導入見送り、総理主催の公的行事「桜を見る会」の私物化問題など政権側の不手際が相次いでいるにもかかわらず、この内閣支持率の高さは一体なぜなのか。
その考えるヒントは意外と、きょう朝に視聴した日テレ系番組『ウェークアップ!ぷらす』にあるかもしれない。番組では、桜を見る会が来年は開催中止となることを特集していた。桜を見る会の前日に都内ホテルで開かれた安倍総理の後援会「前夜祭」の夕食会の会費が5千円だったことから、野党側は総理サイドが差額分を負担していたら公職選挙法に抵触することになり、「総理辞職」を念頭に徹底して追及する構え。この件では安倍総理は記者団に「事務所や後援会としての収入、支出は一切ない。金額はホテル側が設定した」と説明している(15日)。
この一連の国会の動きに、キャスターの辛坊治郎氏が「連日の野党の追及を聞いていると、野党の人たちはバカなんじゃないかと多くの人は思います」と持論を述べていた。この辛坊氏のコメントは総理を擁護するという立場の発言ではなく、関西人の目線だ。「私、関西でメディアやってて不思議なのは、けっこう大騒ぎになってますが、在京のテレビ局にしろ新聞社にしろ全員幹部が毎年参加していて実態知らないはずがない」と辛口だった。これは視聴者と近い感覚かもしれない。視聴者の大多数は有権者でもある。
有権者の感覚は「そんなこともあるだろう。本人がやりすぎたと反省すればそれで済む話ではないか。来年は中止、それでよい」ではないだろうか。国会で野党が連日追及し、それを大見出しで新聞やテレビメディアが報じていることに、有権者は意外とさめている。そこに、「世論調査です、協力ください」と電話がかかり、「安倍内閣を支持しますか」と問われると、現内閣支持と答え、その理由に「他に適当な人がいない」(時事通信の調査23.0%)の選択肢を取ってしまうのではないか。政党支持率は自民が前月比2.6ポイント増の30.1%でトップ、立憲民主は同2.7ポイント減の3.1%だ。野党頑張れの有権者のエールはこの数字からは読むことができない。
今月23日に失効が迫っている日本と韓国のGSOMIA(軍事情報包括保護協定)について与野党のまともな論戦を見たことがない。野党は倒閣ありきの追及ではなく、国際問題や国内問題で政権と論戦を交わしてほしい。
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