自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

☆「能登SDGsラボ」の可能性

2018年10月01日 | ⇒キャンパス見聞

  国連のSDGsとは「Sustainable Development Goals」。訳すると「持続可能な開発目標)」となる。このSDGsという言葉は国内にはまだまだ浸透していないので、分かりにくい。能登半島の尖端の珠洲市が率先して内閣府の「SDGs未来都市」に申請して、採択を受けたことは、とても意味がある。それは、これまでの地方創生の目標に加え、国際的に通用する「新しい物差し」で地域の課題に向き合うという意思表示を国内だけでなく世界に示したということになるからだ。 

  国連の持続可能な開発目標であるSDGsの基本原則は「誰も置き去りにしない」ということ。これは、立場の弱い人々に手を差し伸べて、負担を少なくする、あるいはどうすれば負担が少なくなるのかを福祉の観点だけでなく、環境や経済などの視点から前向きに幅広く考えて、地域のプラス成長にもっていくという発想でもある。SDGsについて学び行動することは、大学の研究者や学生、企業人、社会人、個人にとどまらず多くに人にメリットをもたらす。SDGsをきっかけに、自分と世界をつなげて考えることができる。それは、自分の視野を広げるばかりでなく、ビジネスにつながる発想にもなる。 

  SDGsはともすれば途上国のことだと考えがちだが、過疎化で地場産業の衰退を受けた地域をいかに再生するかといった日本の地方の問題でもある。珠洲市のSDGs未来都市には、行政だけでなく、金沢大学、国連大学、石川県立大学、地元経済界、県の産業支援機関など多くのステークホルダーが寄り集っている。きょう(1日)珠洲市におけるSDGsの取り組みの中核となる「能登SDGsラボ」のオープンセレモニーがあった。除幕式でその看板がお披露目された=写真=。SDGsという、掲げた旗のゴールターゲットは17色あり、鮮明でうつくしい旗の元にステークホルダーが集まったと言える。 

  能登SDGsラボは、地域の課題解決のワンストップ窓口であり、さまざまな専門家や有識者が集うシンクタンクの拠点機能を目指している。多くの研究者や学生にも参加してもらい、グローバルな視点で地域課題を考え、課題解決に参画するアクションの場となればと期待する。能登の先端からSDGsが世界に広がっていくことを願っている。

⇒1日(月)夜・珠洲市の天気    くもり時々あめ


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