自在コラム

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☆ワクチンパスポート申請は「勇み足」なのか

2021年07月26日 | ⇒トピック往来

            新型コロナウイルスのワクチンを無事に2回接種し、副反応もなかったことから知人たちと海外旅行に行こうかとオンランでやりとりをしている。きょう26日から全国の自治体で「ワクチンパスポート」の申請の受け付けが始まるというので、さっそく午前中に金沢市役所に郵送で申し込んだ。知人たちから「えっ、旅行先もまだ決めていないのに、急ぐ必要はないよ」「あせることはない」とたしなめられた。確かに、旅行先すら決まっていないのに。これは自身の性格だ。体よくいえば「先手必勝」、悪く言えば「勇み足」「先走り」。

   ワクチンパスポートはワクチン接種を受けたことを証明するものだ。これを入国時に提示すると、隔離措置などが免除される。ただし、当面はイタリア、オーストリア、トルコ、ブルガリア、ポーランドの5か国のみで、今後相手国の確認が取れれば随時公表していくとしている(外務省公式ホームページ)。

   必要書類は金沢市役所の公式ホームページに記載されている。まず、ホームページから交付申請書をダウンロード。その他に旅券、接種した病院が発行した予防接種済証(臨時)、マイナンバーカードか運転免許など住所を明示するもの、それぞれコピーの一式をそろえた。返信用の封筒に切手を貼って同封して、近くの郵便局で投函した。市のホームページには「受付から接種証明書の発行までは1週間程度要します」と記載されている。来月の初旬にはワクチンパスポートが自宅に届くだろう。

   知人たちとのその後のメールのやりとり。自身は今月18日にワクチン接種の2回目を終えて安堵しているのだが、一人からこんなメールが。「接種を終えたからといって安心できないよ。毎日酒を飲んでいると抗体ができにくいらしい」と。これにはまたひと騒ぎが起きた。その知人が送ってくれたURLは読売新聞Web版の記事(6月6日付)だった。以下要約。

   千葉大医学部付属病院は、同院職員を対象とした新型コロナウイルスワクチンの有効性を調べる研究の経過報告を発表した。ファイザー社製ワクチンを2回接種した1774人のうち、99.9%の人に抗体の量を示す「抗体価」の上昇がみられたという。抗体価が上がりやすかったのは、コロナの罹患歴がある人や女性、抗アレルギー薬を内服している人。一方、副腎皮質ステロイドの内服や頻繁に飲酒をしている人などは、抗体価が上がりにくいことも分かった。ただ、同院は「十分な量の抗体ができていると考えられる」としている。

   上記の記事では「頻繁に飲酒をしている人などは、抗体価が上がりにくい」と記されている。続けて、「十分な量の抗体ができていると考えられる」とも書かれている。実に微妙な言い回しだ。知人たちは疑心暗鬼に陥った。本当は飲酒者には効果が低いのだが、正直にそのように報告書に掲載すると、社会が混乱する。そこで、「十分な抗体ができていると考えられる」とあえて付記しているのではないか、と。そもそも、「考えられる」は逃げの表現だ。

   オンラインでやり取りしている知人たちは皆、酒飲みだ。中には、繁華街に出る回数が減った分、毎日の家飲みが習慣化して家族関係が微妙になったと告白する輩もいる。ワクチンを2回接種したからと言って安心はできない、ということだ。ワクチンパスポートを持っているからと言って、抗体や免疫が担保されなければ意味がない。海外で感染すれば元も子もない。

   午前中の盛り上がりが午後には一転、海外旅行の話は急にトーンダウンしてしまった。ワクチンパスポートの申請はやはり「勇み足」だったのか。(※イラストは厚労省公式ホームページより)

⇒26日(月)午後・金沢の天気     はれ時々くもり


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