きょうの朝日新聞(13日付)によると、テレビ朝日の情報番組「大下容子ワイド!スクランブル」で、番組側が用意した質問を視聴者からと偽った問題があり、BPOの放送倫理検証委員会は12日、放送倫理違反の疑いがあるとして審議することを決めた。番組では、視聴者の質問に答えるコーナーでことし3月以降、番組側が用意した質問を放送当日に視聴者から寄せられた質問のように偽って紹介したことが計117件あった。10月に番組スタッフの指摘で発覚し、番組内で謝罪した。担当した子会社のチーフディレクターを降職とするなど、関係者が処分された。コーナーは10月18日から放送を休止している。
テレビ朝日公式ホームページの「大下容子ワイド!スクランブル」=写真=をチェックすると、10月21日付「お知らせ」欄で「不適切な演出について」と題して概要を説明している。この「視聴者からの質問にお答えするコーナー」は月曜日から木曜日の番組終了間際に通常2分ほど放送していた。質問を用意したのは番組のチーフディレクターである社外スタッフ(「テレビ朝日映像」所属)。チーフディレクターは、放送に向けた準備のため、それまでに寄せられた意見や質問を踏まえて放送前に想定質問案を作っていた。今年3月以降、その想定質問を視聴者からの質問として放送に使っていた。。これまで放送した質問のうち約2割が想定質問たっだ。
先ほどBPOの公式ホームページもチェックしたが、審議入りについての記事はアップされていない。番組の仕込み問題については、BPOがことし1月18日付でフジテレビの番組について意見書を公表している。クイズ番組「超逆境クイズバトル!99人の壁」でエキストラを数合わせて出演させていた問題。番組は、得意分野のクイズで全問正解して賞金100万円獲得を目指すチャレンジャー1人と、それを阻む99人が早押しで競う。ただ、実際には99人を集められず、最も多い回で28人、延べ406人のエキストラを参加させていた(2018年10月から25回放送分)。意見書では、「1人対99人」というコンセプトを信頼した多くの視聴者に対して「約束を裏切るもの」と指摘して放送倫理違反と判断した。
今回審議入りが決まった「ワイドスクランブル」は最新のニュースや時事、社会、経済問題など広範囲に扱う情報番組だ。自身もよく視聴している。番組サイドが用意した「想定質問」を視聴者からの質問として取り上げていたとなれば、「世論誘導」「世論操作」ではないかと不信感が募る。明らかに放送倫理違反だろう。内部告発によって発覚したことは評価できるが、それにしてもテレビメディア全体への信頼を損ねたことは間違いない。
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