この夏転居した先で、駐車場を一台分しか確保できなかったため、仕事に使う車は自宅から少し離れた場所にある駐車場に停めています。近くに小学校があるので、駐車場までのわずかな距離の通勤道を、子どもたちに混じって歩くのです。
金色のちひさき鳥のかたちして銀杏ちるなり夕日の岡に
通学路には黄色い落ち葉が敷き詰められていて、小さな子たちを連れた、与謝野晶子の歌を思い出します。
今朝、やや遅く出勤すると、まだランドセルが重そうな女の子がひとり前を歩いていたので、寝坊してたったひとりで歩いているのだろうかと思いました。
それにしても、大人の足ですぐにも追いついてしまいそうです。
この子はひとりで寂しくないのだろうか、大人の足音が近づいてきて怖がらせたりしないだろうか、そう思いながらその子に追いついたとき、
可愛らしい歌声が聞こえました、幸せそうな歌声が。
後ろを歩いていたときには聞こえなかったけれども、その子はずっとひとりで歌を歌っていたのでした。
おひさまのしたでみんなとあそぼ
ちきゅうのなかまがあつまった
女の子を追い越しても歌声はついて来ます。まるで幸せが、後ろから追いかけてくるように感じました。
心配ごともすべて、一度に吹き飛ばしてくれる幸せの風です。