D70s with SIGMA 17-70mm F2.8-4.5 DC Macro thru Kenko Pro1D Protector (W), Manual exposure (F=4.5, SS=1/50s), ISO200, WB=Cloudy (-2), f=21mm (35mm-equivalent: 31mm)
毎月1回の蔵出し企画として、1年前に撮った写真を振り返っています。1年前に撮った写真を見返して、撮影スタイルや趣向の変化をたどります。今回は、2006年10月に掲載した写真から10枚選びました。
1枚目は餘部 (あまるべ) 鉄橋の下でのスナップ。
私の撮影スタイルは、特定の被写体と構図をイメージしてその狙いどおりの写真を撮ろうとするのではなく、その場の雰囲気にどっぷりと浸かり、全身で感じた中から撮っていくスタイルです。自然科学になぞらえて言えば、帰納的な撮り方。
それに対して、特定のイメージや構図を狙って撮る、いわば演繹 (えんえき) 的な撮り方もあります。ただし、この撮り方は私のスタイルではありません。
餘部鉄橋を訪ねたときも、ずっと鉄橋の周辺を歩き回っていました。歩き回るうちに、餘部鉄橋が地域に溶け込んでいる様子が伝わってきました。鉄橋が、「鉄橋を撮っても鉄橋は撮れない」なんて禅問答のような真理を教えてくれました。これも、帰納的な撮り方をしていたからこそ気づいたことです。
帰納的な撮り方を主柱に据えて、その補助として過去の経験を演繹的に応用する。そんな撮り方をしていきたいです。
D70s with SIGMA 17-70mm F2.8-4.5 DC Macro thru Kenko Pro1D Protector (W), Aperture priority AE (F=4.5, SS=1/125s), 0.0EV (Spot metering), ISO800, WB=Cloudy (-2), f=45mm (35mm-equivalent: 67mm)
餘部駅で雨宿り中の1枚。木の陰で雨をしのぎながら列車を待っていました。しっとりと湿った緑の優しげな表情に心を洗われて、片付けたカメラをもう一度引っ張り出して撮影したものです。
カメラを片付けた後に偶然出会った光景に目を奪われ、撮りたくなることも多いです。撮りたくなっても、もう一度カメラを引っ張り出すのが面倒だと思ってその場を立ち去ることもあります。機材の準備が面倒だと言ってちゃいけないね。反省。ただし、一眼レフカメラの取り回しが決して楽ではないことも、ひとつの問題だと思います。
D70s with SIGMA 17-70mm F2.8-4.5 DC Macro thru Kenko Pro1D Protector (W), Manual exposure (F=6.3, SS=1/200s), ISO200, WB=Sunny (+0), f=70mm (35mm-equivalent: 105mm)
一心不乱に蜜 (みつ) を集めるミツバチ。去年は昆虫もよく撮っていました。今年は風景ばかり撮影していて、あまり生き物を撮っていない気がします。
背景の花はもう少し左にあるとバランスがよかったでしょう。ミツバチの背後に花が来たせいで、ミツバチの体が背後の花の色に溶け込んでしまい、ミツバチの存在が引き立っていません。
D70s with SIGMA 17-70mm F2.8-4.5 DC Macro thru Kenko Pro1D Protector (W), Manual exposure (F=4.5, SS=1/40s), ISO200, WB=Cloudy (+2), f=34mm (35mm-equivalent: 51mm)
嬉しそうに干し草にむしゃぶりつく牛たち。純粋な喜びが伝わってきます。
でも、この牛たちは牛乳生産マシーンとして生まれています。
生まれて数日で母牛から引き離され、母牛の乳ではなく粉ミルクを飲まされ、角を切り落とされ (痛い思いをさせられ)、人工的に種付けされて子牛を生まされ、乳が出る状態にさせられ、子牛を生んだと思ったら人間の手で子牛を引き離され、搾乳を繰り返され、また種付けされ、何年かこのサイクルを繰り返して肉牛として処分されます。
完全に「産む機械」、「乳を出す機械」です。
そんな運命を分かっているのかいないのか、干し草を嬉しそうに食べる牛たち。
自分がどうなるかなんて、本当はどうでもいいことなのかも知れません。今が充実していれば、それでいいのかも知れません。
D70s with SIGMA 17-70mm F2.8-4.5 DC Macro thru Kenko Pro1D Protector (W), Manual exposure (F=4.5, SS=1/80s), ISO400, WB=Cloudy (+2), f=70mm (35mm-equivalent: 105mm)
動物は素直なので、表情をたどるのも楽しい。
ずっと撮ってなかった動物をまた撮ってみるのもいいかも。
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