皆さんにとって、文学、美術、芸術とは？

　近年の日本では、これらに携わった人達の意識が俗に言う”ウケ”を狙った方向に集中して、作品のレベルが大きく下がっているように思います。

　即ち、お金が儲かる事が最優先で、本質の心にある想いの表現が殆ど汲まれていません。　テレビのドラマが芸術と言えるかどうかは別として見る側の好奇心を擽ったり、エロ、グロ的な趣向が多く含まれ過ぎたりした創作物ばかりです。

　一見、人の心に響いているように見える作品でも、このような内容にすると視聴者が次回に期待するという思惑。　つまり次回の視聴率が上がる前提で手を加えた中身です。

　これは、人間の興味や好奇な目を引き付ける為の商売道具としての産物でしかありません。　人間の心に繋がり、心と心で通じ合えるような表現としての文学や芸術の本質から大きく掛け離れたものです。

　小説はもとより、テレビドラマも映画も殆どが人間の心理を擽り、ウケと売れを狙った作品としか思えないので、私は殆ど見たり読んだりしません。

　まして、何とか賞とか付加価値を付け合って凭れ合っているよな表彰は寧ろ、質を落してしまっていると思っています。　全てとは言いませんが、世界で繰り広げられる文学や芸術の祭典など読者や観客の為ではなく、主催者側の都合をよくする為に仕組まれたカラクリのようなものになっています。

　最初から、暇を潰す為の娯楽として作られた作品や番組なら、それはそれとして大いに結構な事です。　ところが、文学、芸術と、ごちゃ混ぜに評価をしよう、させようとするから文学や芸術の質が堕ちてしまうのです。

　つまり作品に、作者の心が入っていないのです。　心の中に本当にあるものを表現するのが、文学、芸術です。　結果、人に感動を与えるかどうかは、先にしか解りません。　最初から、”ウケ”狙いでは、優れた作品に成るはずが無いのです。

　何百年も前の作品が現代になって評価されているケースが多いのは、その当時は”ウケ”なかったに違いないのです。　それが、文学、芸術の本質です。

　評価する側のレベルの問題でもあります。　評価委員とか評議員の質の問題です！