40男の筧史朗(シロさん)は弁護士。でものし上がろうという上昇志向はない。料理大好き節約大好き。同じく40男の矢吹賢二(ケンジ)は美容師。クレーマーとなりそうなお客さんをあしらうのが実に巧い。二人はゲイ。一緒に暮らしている。毎回料理とそのレシピが登場し、料理マンガ+ゲイマンガがなんとも言えない良い組み合わせになっている。
いやいやいや。初めてBL(ボーイズ・ラブ)なるものを読んでしまった。キモイのかと思ったら、全然そんなことはない。むしろかなり爽やか。二人が爽やか美男だからかも知れないが。
シロさんはゲイであることを職場で隠そうとするがケンジは気にせず美容院でカミングアウトしている。ゲイであるということの大変さとそうでもない日常が巧く絡んでいる。
2巻の最初#9で短髪・ヒゲ・ピタピタの服にガチムチの体型が「ゲイの愛されファッション」であると書いてある。それは女の子で言えば「ななめ前髪のセミロングに甘めのワンピを着ているのと同じ」 こんな表現に思わずニヤリとしてしまう。
あるいは、シロさんが「43歳で独身でそんなにイケメンだと気持ち悪い」と女性に言われてしまって大きく笑ってしまった。映画化希望。筧史朗=竹之内豊、矢吹賢二=椎名詰平でどうだろう。
シロさんを女性に置き換えて読めば、ストレートなカップルの極めて現代的(草食系だとか現状維持スタイルだとか)な物語になる。そう読めば(読まなくても)結構身につまされるというか考えさせられるエピソードも多い。マンガって凄いね。
え?昨日どこ行ってたの?東十条?え?
きのう何?田端?
きのう何食べた?
![]() | きのう何食べた?(1) (モーニングKC)よしなが ふみ講談社このアイテムの詳細を見る |