落語にもあるが、歌舞伎の怪談物は仕掛けにも、驚かされる。
怪談が、もてはやされるには、平和でなくてはならないらしい。
「恐怖感」は、実際に起こっていない実体験でないから、客観的に楽しむ(?)ことが出来る。
歌舞伎の世界で、男が女に化けて、演じることは、娯楽として楽しめることの、要素らしい。
なるほどと、目からうろこだった。
落語の怪談ものの、同じ要素で、客の心をつかむのかもしれない。
通学路の映画のポスターに、高校生の頃まで慣れずに苦労した。
大人になった今は、死体の話でも、怪談でも悪魔の話でも妖怪の話でも、平気になったが、
怖いもの見たさというより、感覚がマヒしたのかもしれない。
恐怖を感じることが少なくなった。
恐怖を食べて力をつけるのは悪魔だというが、悪魔なんていない、天国なんてないさと冷ややかな
者にとっては、恐怖さえ感じなくなる?
江戸歌舞伎の怪談と化け物
横山泰子
講談社・選書・ミチエ