「サザエさんの東芝」どこへ 経営危機で「企業の顔」家電手放す 「温かく親しみやすい」「憧れの」企業も今は…
http://mainichi.jp/articles/20170306/dde/012/020/004000c
東芝の電気釜が自宅に来た日は覚えていない。
付属のコップに水を入れ外釜に注ぎいれ、洗ったコメの入った内がまをセット。
ふたをして(2重のふただった)スイッチを入れる。
30分だったかすると、カチッとスイッチが切れて炊飯から保温になった。
少しむらして、最初の米粒を仏飯器に盛った。
仏前にそなえて、鐘をチーンとならすのが母の朝の務めだった。
電気炊飯器が我が家にきてからは、白いご飯は炊飯器で。
炊飯器が売り出されるにあたって、批判めいた言葉が出ていたと聞いた。
家事全般を担っている妻たち。
そして、子どもの世話。地域での手伝い。
夫の世話。
姑さんたちの世話。
昔の妻たちは、一日中、働いていた。
今でも家庭の妻たちは、自分の時間がないと嘆く。
忙しいと、言う。
楽にはなっているが、質の変わった家事と地域や夫の世話にはあまり変わりがなさそう。
電気釜の沸騰してきてカタカタ鳴るふた。
熱湯がシュンシュン言って、踊っていた風景が、郷愁をさそう。
一歩も二歩も先をみすえていた東芝。
今は、どうなのだろうか。