映画 『永遠の0』 予告編 90秒
これは今日からでした。
朝、最初の回で観ました。
まっとうに、丁寧につくられた物語で、これはよかったです。ちょっと、うっとつまるところがありました。
色々、細かいところで「もっとこうしたら」と思うようなところはないことはないですが。
「特攻隊」というと、何か、それだけで、右とか左とか、そうした特定の発想なりなんなりが想起されるようなところもありますが、礼賛するわけでも、否定するわけでもなく、その時代に生きた人の姿を丁寧に描いた作品という印象です。
これ、特定の実在の人物がモデルになっているわけではないようですが、下に載せたような資料(実際の特攻隊員の手紙)なんかも参考にしながら、作家さんが作り上げたもので、実在していてもおかしくないという感じがしました。
あの時代、今とは異なった価値観なり時代の空気の中で、それとは異なる自分が信じる生き方なり考え方を貫くということは、相当の強さが必要であったろうと思います。
最後、タイトルバックに流れる桑田さんの歌声もよいです。
これはぜひ見てもらって、コメントを聞かせてほしいですね。
私自身は、まだ20代前半の頃でしたが、中学生たちに自分の近くにいる、祖父や祖母、あるいは近所の人などの戦争を体験した世代の人に当時の事を語ってもらい、それを「戦争体験の記録」として簡単な文集のようなものとしてまとめたことがあります。今から考えれば全く拙い取り組みではあり、様々な配慮等も不足していたことと思いますが。今は、もう、こういうこと、直接、あの15年戦争の体験そのものを直接聞くことも、なかなか難しくなってきますね。
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「植村 眞久 海軍大尉
愛児への便り
素子、素子は私の顔をよく見て笑ひましたよ。私の腕の中で眠りもしたし、またお風呂に入ったこともあり
ました。素子が大きくなって私のことが知りたい時は、お前のお母さん、住代伯母様に私の事をよくお聴
きなさい。私の写真帳も、お前の為に家に残してあります。
素子といふ名前は私がつけたのです。素直な心のやさしい、思ひやりの深い人になるやうにと思ってお
父様が考へたのです。 私はお前が大きくなって、立派な花嫁さんになって、仕合せになったのをみとど
けたいのですが、若しお前が私を見知らぬまゝ死んでしまっても決して悲しんではなりません。
お前が大きくなって、父に会いたい時は九段へいらっしゃい。そして心に深く念ずれぱ、必ずお父様の
お顔がお前の心の中に浮びますよ。父はお前は幸福ものと思ひます。生まれながらにして父に生きうつ
しだし、他の人々も素子ちゃんを見ると眞久さんに会っている様な気がするとよく申されていた。
またお前の伯父様、伯母様は、お前を唯一つの希望にしてお前を可愛がって下さるし、お母さんも亦、
御自分の全生涯をかけて只々素子の幸福をのみ念じて生き抜いて下さるのです。必ず私に万一のこと
があっても親なし児などと思ってはなりません。父は常に素子の身辺を護って居ります。
優しくて人に可愛がられる人になって下さい。お前が大きくなって私の事を考へ始めた時に、この便りを
読んで貰ひなさい。
昭和十九年○月吉日父 植村素子ヘ
追伸、
素子が生まれた時おもちゃにしていた人形は、お父さんが頂いて自分の飛行機にお守りにして居り
ます。
だから素子はお父さんと一緒にいたわけです。素子が知らずにいると困りますから教へて上げます。」