前にも借りたのだけど、また図書館で見かけたので借りてきました。
山崎元氏は、いつもうるさいほどにコストについて書き、発言してます。そこはとても参考になります。
水瀬さんは「梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー」のブログでよく知られた方で、インデックスファンド等について最近の動向なども紹介されてますね。
以前、だれからだったか忘れましたが「ランダム・ウォーカー」の名前は「梅屋敷商店街」への対抗ですか?と聞かれたことがありますが、
このブログ開設時は存在を知らなかったので、そうではありません(^_^;)。
本の冒頭で、水瀬氏がなぜインデックス投資家になったかが書かれています。
つまりは、個別株投資だと株価が気になってしょうがなくて仕事に支障が出るし、あれこれ調べたところで全体が下げれば株価はどれも大きく下がるし、
結局あれこれしてみても利益につながらない。
「ウォール街のランダム・ウォーカー」にあるインデックス投資のすすめは自分に合っていて、楽ちんで、生活に支障をきたさず、努力もそんなにいらず、
それでいて、合理的な投資はできている。だからインデックス投資にしたということです。まあ、「合理的」な発想ではあります。
まず、それ以前に、山崎元氏は、本書の前書きで、こう書いています。
「インデックス運用の欠点は、相対的に大勝ちできる可能性が乏しくてある種の「面白みがない」ことですが、著者たちは、普通の人にあっては、「面白み」は
お金の運用以外の人生そのものの中に求める方が有意義だろうと考えています。」
うーん、ここの前提がもう違うのです。まあ、本書の趣旨から言えば、私は既に「普通の人」ではないということになりましょうか。
私自身は、株式投資を始めたのは1996年です。当時、300万程度の余裕資金があったので、株式にでも投資しようかと考えたというのが発端です。
私自身、ある意味「幸運」だったのは、株式投資を開始してしばらくは株価の動きが気になってしょうがない状況はあったものの、仕事の関係で、少なくとも大引け
までの時間については、株価を見ているような暇、スキなどはないような環境に長くいたということがあります。
早ければ、5時以降のNHKのラジオでの株価放送とか、あるいはISDNの電話にモバイル端末をつないで株価を確認するというようなことはしてましたが、
日中、ザラ場の値動きは確認しようにもできない状況で、それに段々と慣れたので、そのうち、さして気にもならなくなりました。
投資を始めた比較的早い段階で「ウォール街のランダム・ウォーカー」を読んだのは似ています。
が、そこから、インデックス運用の方には注目せず、むしろ、マルキール氏も面白さを認め、その方法についても書いている個別銘柄投資の方向に進みました。
そうなった原因の一つは、大きな損失が出ることなく、逆に「一発」で大きな利益があり、全体として損失を被る可能性が非常に低くなったことがあります。
株式投資を開始して3年ちょっとで、今のリログループのIPOの売買により、一発で500万超の利益があり、これを「温存」することによって、メンタル的には余裕
をもって投資にのぞむことが可能になったということですね。
以後は、日本株については、破綻やド下手な売買による大きな損失なども経験しつつも、全体としては「面白み」を感じつつ、個別銘柄でのポートフォリオ運用
をすすめてきているということになります。
私の場合、株式投資を中心としたお金の運用は、人生の中の「面白み」の一つとして位置づいています。無論、人生の「面白み」はこのことだけに限定されるわけは
なく幅広いものですが。
そして、この「面白み」としてのお金の運用を、さらに、その他の様々な人生の「面白み」を広げ、余裕があるものにすることにつなげていくことができれば、いい
わけです。
低コストのインデックス投資は、確かにかなり「合理的」な方法ではあるでしょう。
が、なにかそれを中心にすることで、山崎氏の言う「面白み」を捨ててしまうとしたら、それはもったいないようにも思います。並立してやっていけばいいと思います
けどね。山崎氏自身、どこかで、本当は自分で個別株の運用がしてみたいと書いておられたように思いますが。
但し、これは個々の投資スタンスとか好みとかの問題なので、なにが正解で何が誤りということはないんですけど。