旧:鳳凰堂のランダムウォーカー <伏見の光>

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ゾーン — 相場心理学入門(5)

2016-10-09 14:26:14 | 株式投資・資産運用
ゾーン — 相場心理学入門
クリエーター情報なし
パンローリング


ゾーン — 相場心理学入門(5)

「たとえ一回のブレーの勝ち負けの順序が前もって分からなくても
(超能力者でないかぎりそれは無理だろう)、十分な数のブレーを
こなせば、だれであれ優位性を持った人の成績は負けよりも勝ちが
増えてくるのが、次第にはっきりしてくるのである。その確実性の
度合いは、優位性がどれほど優れているかに比例する。」

なるほど、ごもっとも。
しかし、その優位性というのはどこから生じるのでしょうか。

「こうした集団的行動パターンを発見し、判断すめために利用できる
分析ツールには、トレンドライン、移動平均、オシレーター、押し/
戻りなど、枚挙にいとまがない。(中略)つまりトレーダーの分析ツ
ールは、ゲームのルールがカジノ業者に勝算をもたらしているのと同
様、トレードの勝算(優位性)をもたらす既知の可変要素なのだ。」

こうしたシンプルなテクニカル指標は、「トレードの勝算(優位性)
をもたらす既知の可変要素」なのかなぁ。それを実証するようなデータ
なり論理というのは全く示されず、いわば自明のことのように語られて
いるのですが・・・。

個人的に特定のテクニカル指標が有効性、勝算(優位性)を持ち続ける
はずがないと思っています。ある特定の時期に、ある特定の指標が結果
として有効である、あったということは当然ありえますが、それはその
指標に普遍的な有効性があることの証明にはならず、単に結果論なり
後講釈の場合が多く、実際に有効に活用できる場合は少ないと思われ、
コメンテーターのコメントを増やすぐらいの意味しかないのでは。

「トレードに適した確率的心構えは、次の5つの根本的真実からなる。
1 何事も起こり得る。
2 利益を出すためには次に何が起こるか知る必要はない。
3 優位性を明確にする一定の可変要素には、勝ち負けがランダムに分布する。
4 優位性があることは、あることが起きる可能性がもう一つの可能性よ
  りも比較的高いことを示しているにすぎない。
5 マーケットのどの瞬間も唯一のものである。」

過度の期待したり悲観したりすることなく、優位性のあるトレードを黙々と
平常心で続けていれば、個々の取引では勝ったり負けたりするけれども、
全体としては利益はあがるということでしょうか。

例えばIPO投資の場合を考えてみましょう。

事前に明らかにネガティブな情報がある銘柄は除外するとして、
それ以外の銘柄、FISCO的に言えばPassive-以上とか、について
公募株を取得して初値で売却するという手法は、「優位性」をがある投資方法
でしょう。
無論、まず公募株が取れるかどうかという問題があり、次にマーケットのその時々
の状況により、実際の株価がどうなるかは大きく左右され、場合によっては
事前予想に反して公募割れということもありえます。

それでも、この「公募株取得→初値売却」ということの回数が増加すれば、
それだけ利益が得られる可能性は高くなるとは言えそうです。

そうであれば、行うことは、あれこれ期待したり悲観したりすることでは
なく、単に公募株取得の可能性を高める方法を黙々と確実に実施すればいいだけで、
そこでは「次に何が起こるか知る必要はない。」と言えばそうれはそうなります。
そして公募株が取れたらそりを売却するだけです。

極端な不人気銘柄、あるいは極端に人気が高く異常に初値が高騰したような場合
以外は、IPO銘柄の株価が完全な初値天井となる場合は確率的にはまれです。

であれば、ザラ場の値動きを見られるのであれば、売却は初値ではなくて、それより
少し上を目指した方が有利にはなるかもしれません。
このあたりは厳密にルール化をして、それに従うのがいいかもしれませんね。

というようなことをちょっと考えましたよ。

まあ、同じ株価の値動きという単純な情報を見ていても、
それは受け取る側のスタンスなり期待によって、意識することは全然違うというのは
当然あるわけで、そういう見方の力関係で株価が形成されるとも言えます。

ある銘柄の株価が上昇している。

その銘柄を買おうと思って見ている人にとっては、どんどん株価が上昇しているという
状況は悩ましいはずです。
「株価はさらにどんどん上がるかもしれない・・。どんどん上がってしまうと、買い遅れてしまう。」

一方、その銘柄を売ろうと思っている人にとっては、逆の意味でこれは悩ましい状況かもしれません。
「株価は上昇してきている。利益を伸ばして高いところで売却したい。ここで株価は反転してもう下落
するかもしれない。そうしたら、せっかくの含み益がなくなる。しかし、売ってからさらに上昇した
ら売ったことを後悔するだろう。」

別にマーケットは実際の事実を示しているだけで、そこには「色」はありません。
「色」をつけるのはこちら側で、その時々でどの「旗色」が優勢かによって、株価は変動します。

事前にそれがどうなるか、想定することはできても、確実な予想などできるはずはありません。

であれば、私たちにできることは、「どうなったらどうする」という方針なりルールを明確にして
それに従うだけのことです。「だけのこと」ではありますが、それが難しかったりします。

その難しさとは、まずは適切な方針やルールを設定することそのものの難しさであり、次にはその設定
したはずの方針やルールに従うことの難しさです。

さて、次にいきましょうか。




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アサヒグループホールディングス IRセミナー

2016-10-09 07:59:09 | 株式投資・資産運用
アサヒグループホールディングス IRセミナー

 さて、肝心?のIRセミナーの方は工場見学の前に、ミニシアターのようなホールで
若い社員の方からのプレゼンがありました。

 例によって参加者の方は私よりも高齢の方がほとんどでしたが、
唯一、小さい子どもさんを連れたご夫婦らしき方もおられました。

 アサヒグループホールディングスは、基本的には「スーパードライ」のビール会社と言っていいと思います。

もちろん、発泡酒や第三のビールなどもありますし、ソフトドリンクではCALPISを取り込み、コーヒーのワンダ
や十六茶、三ツ矢サイダーもあります。

 ただ、ブランド力等、強いのはやはの「スーパードライ」です。個別の商品としては売上も圧倒的です。
 この商品があったから、会社そのものが存続しているとも言えるものですね。
 今も主力としての位置づけは変わりませんね。

 ビール関係では、日経で「ビール 地殻変動」という2回に分けての記事がありました。
 欧州での大規模なM&Aにより、業界の勢力地図が大きく変わるということです。

 アサヒグループホールディングスは、まず、イタリアのビール会社に3000億、さらに直近の日経の記事では、
5000億で東欧のビール会社買収方針という記事もありました。

 国内のあれこれ(例えば、アサヒは、ヱビスとかプレミアムモルツに相当するプレミアムブランドが弱いです
よね)もですが、経営的には、この海外の部分が焦点になります。

 5000億の東欧のビール会社買収は、日経の憶測記事ということで、これと関わって会社は「方針はない」という、何か
日本語的によくわからないIRを出していました。方針がないなんていうことはあるはずはないので、正確には現段階で
公表するような確定した事実はないということでしょう。そういう文言にしたらいいのに、わかりにくいわ!。

 質問したら、会社として興味はあり、様々な面を精査しているというようなコメントがありました。

 しかし、、時価総額1.8兆の会社で、3000億のイタリアの会社の買収はほぼ確定、そこにさらに5000億という話です
から、ここの海外部門拡張の成否というのは、まあ大勝負です。

 イタリアのビールは、ブランド的にはブレミアム路線ということで、先の日経の記事でも、アサヒは量の追求というより
もブレミアム路線でというようなコメントがありました。
 同時に、少し前に中国の飲料大手の株式の一部売却をしています。 ビールも、中国市場というのは伸びもあり、利益貢献
もあるのかと思いきや、相当の激戦、消耗戦らしいです。

 さて、この戦略の成否ですが、ちょっとイメージが持てません。

 欧州の市場は成熟しており、各社の売上、利益も安定的で、買収すればその上乗せはあっても、成長性が加速するという
ようなイメージは持ちにくいです(日経記事によるとビールの成長市場はアフリカとか)。

 個人的にはここからPER20倍以上で配当利回りは1.5%以下のここを35万以上で買おうとはなりにくいです。

 ただ、海外展開の拡大が目論見どおりに進めば、株価の一段高はありうるとは思います。
 
 ビール好きの優待族には株主専用のビールというのは魅力なのかもしれません。優待のあり方としてはいいかなと思います。
 株主専用のCALPISもあってもいいかな(^_^;)。

 個人的には、ビールはプレミアムモルツかヱビスをちょっと飲むぐらいでいいです。
 別に嫌いではないですが、スーパードライは選択しません。お酒そのものには弱いので、香りのいいビールが少し飲めれば
それでいいからです。

 IRセミナーとしては、今回のように工場見学と組み合わせたようなスタイルというのは一般向けの企画としては訴求力
があり、面白いし、いいと思います。ただ、IRセミナーが基本なので、直近の決算短信の資料程度は入れておいてほしかった
ですけど・・・。






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