![]() | 人工知能と経済の未来 2030年雇用大崩壊 (文春新書) |
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文藝春秋 |
図書館本。
「雇用大崩壊」とありますが、そこが本書のポイントなのではなくて、人工知能の可能性について、わりと幅広く紹介しているところが
AI素人の自分にとってはかなり興味深かったです。
AIというと、あー、車の自動運転とか、チェスや囲碁、将棋のソフトとか、資産運用のロボアドバイザーとか、そんなこと??という
ようなのが、私自身も含めた一般的なイメージなのではないかなと思いますが、人口知能の進歩というのは、こうした狭義の単一の機能を進歩
させたようなものだけではなく、様々な形というのが考えられ、発展している、そしてその影響というのは世界全体の様々な分野に大きな影響
を与えていく可能性が大きいということが実感されます。
まあ、これは単にコンピューターのプログラミングの問題とかいうことではなく、経済はもちろん、社会学、心理学、生物学、哲学、様々な
分野と関わる極めて広汎で大きな問題として、今後、我々の生活に大きな影響を与えてきます。
本書の内容や主張がどこまでの正当性や厳密さがあるかということは、私自身は判断はできません。
本書のスタイルは、様々な研究や論文などの部分部分をとりあげて、それをあらかじめある自説にあてはめる、橘玲氏の著作によくあるようなスタイル
と似ていると感じるところもありました。
しかし、極めて刺激的であり、また、素人に対して入り口のところでAIに対する興味関心の窓口を大きく開いてくれるという意義のある一冊だと
思いました。
新書ですし、未読でしたらどうぞ。AIに詳しい方は批判的に読むのもありだと思います。