7259アイシン精機 IRセミナー 大阪
本日、午後に野村の淀屋橋支店での7259アイシン精機のIRセミナーに参加。
例によって、参加者は私よりも年齢が上の人がほとんどです。
アイシン精機は売上高で世界7位、状況によっては5位になる可能性もある、
極めて大きな自動車部品メーカーです。国内でトップはデンソーで、その次になります。
基本的にはトヨタ系ですが、世界の自動車メーカーに納入してます。
オートマチック・トランスミッションでは世界一の企業。
結論だけ先に書いておくと、「ホールド」です。
これだけの規模の公開企業となると、当然、機関投資家の有力
な投資対象であり、株価はも基本的に足元の状況を織り込んでおり、相応に「効率的」
であると考えるのが適当でしょう。
別に売る意味もなし、持っているならそのまま。
好きなら買ってもいいし、別にこの銘柄を選ばなくてもいい。
現在の株価はこちら。
PER15倍程度、配当利回り2%強というあたり。デンソーは16倍の2.9%。
本家トヨタは12倍の3.5%。
だったら投資対象としてはトヨタでよくないかという話です。
ただ、自動車の部品関係の会社はPER1桁というところもかなりあると思いますが、
さすがにアイシン、デンソーとなると、2桁ではありますが。
為替感応度のことを聞いてみました。
よくある質問だと思うのですが、資料にはコメントがないです。
特徴的なのは、中国元のレート変動の影響が大きいということ。
中国のVWなどにATトランスミッションなどたくさん売っているのですが、人民元安となると
収益的には厳しい。人民元レート0.1円で営業利益7億の変動要因。1円変動だと70億。
逆に欧州への売上は伸びてはいるが、円建ての取引が多く、ユーロ変動の影響は小さいと。
この人民元レートのことは勉強になりました。
先日、話を聞いたブラザーは、逆にユーロ変動の影響が大きいという話でしたね。
事業分野別では、やはりトランスミッションのところの営業利益率が7-8%と高く、
ボディ関係は4-5%、ブレーキは電気ブレーキ等の開発コスト等がかかり1%程度と現状は厳しいという話でした。
あと、トランスミッションの話をちょっと聞きましたが、
元々マニュアルのトランスミッションが多い欧州のVWはDSG、ダイレクトシフトギア、マニュアル
トランスミッションを組み合わせてAT化したようなミッションまでは自社開発してくるけれど、
ATとなるとアイシンの方が優れており、VWもそのATのトランスミッションを買ってくれるという
話でした。燃費でも現状はDSGとの差もないということでした。
やはりオートマチック・トランスミッションは製品としての優位さがあり、利益にもつながっている、
単にトヨタに売るだけでない、VWへもBMWへも、世界の自動車メーカーに基幹部品を売ってること
が強みですね。
おみやげはこんなのをくれました。
柔らかいクッション素材でマットレスにも使っているものでつくった「ストレスリリーサー」でした。
ニキニギするものね。ちょっと気持ちいいです。
全体としては、アイシン精機の印象は悪くないです。当然、独自の強みがある企業でしょう。
アイシンの主力のグループ会社、アイシンAWのサイトを見ると、その気合いのほども伝わってくる感じ
がします。
http://www.aisin-aw.co.jp/
しかし、先日のオムロンの時でも感じましたが、全体として、今回の話は一般的な会社紹介的プレゼンになっていて、
IR、インベスターリレーションとしての視点が弱いように思いました。
為替感応度の記載もない、事業分野別の利益率もわからない、決算短信の資料もない、ホームページに
ある決算短信の解説資料も入ってない、それはどうなのか?。
ぷにゅぷにゅしたマットレスの素材の紹介も、一般向けのわかりやすい製品紹介としてはいいと思いますが、
そこが伝える中心ではないでしょう。
どのあたりに焦点をあてたプレゼンにするかというのはなかなか難しく、アナリスト向けの解説みたいな
話だと専門的すぎるとは思いますが、もうちょっと「投資家」を意識した話なり資料があった方がいいと
思いました。まあ、このあたりはここの会社に限った課題ではないですが。