岩橋さんの写真展が松本であるというので見に行った。この方の奥様が家内の同級生であることからのご縁である。
6,7年前名古屋で個展を開かれた時も、見にゆきずいぶんシャイな人だなあと言う印象をもっていた。
文化勲章受賞の日本画家岩橋英遠の実子で、芸術家の血統ではある。縦2m×横3mくらいの巨大な作品が見るものを圧倒する。厳しい父親で、没年の2年ほど前にやっと「まずまず見られるものになってきた」と言われたという。
作品は大きいだけでなく、映像が素晴らしい。アメリカンロッキーのロックガーデンの地表に現れた地層の造形は圧巻である。北朝鮮の白頭山、北アルプス・ジャンダルムのの朝、夕景、黒部渓谷の水、燕岳の岩峰、ナナカマド、コマクサの映像いずれもプロとしか云い様のないものである。
この日はギャラリートークという事で、本人が紹介されたが、紹介者の説明通り、シャイだけでなく、売り込みも下手で、商売氣も全くない。迫力ある作品とは落差がありすぎる。作品の説明も言葉を探しながら、とつとつとなぞってゆく。
ビジネス的にはマイナスでも、山男然としたこんな姿にとても好感が持てる。
お盆休みに涼しい松本で、迫力ある写真を鑑賞するのもいいのではないでしょうか。
「大地の貌(かお)」26日まで松本市美術館で開催。 入場無料