友Mを送った日の午後、参列した級友別れがたく、近くのレストランで昼食兼宴会をした。その際出た話で、亡くなった友が何故入院だと気がついたか。それは、友人Kが主催している句会へのMの2月の投句がなかったからだ、ということであった。
その席で、「気易い句会なので、よかったら貴男も参加しないか。師匠はいないけど切磋琢磨でいつの間にか上達するよ」と勧められた。全然自信はないが、佐伯泰英の吉原裏同心の俳句ぐらいならできそう、と気安く参加の約束をした。これもMが残してくれた縁なのかもしれない。
家に帰り、試しにつくってみると、今回は友の死というテーマはしっかりしているのだが、なにせ初めて、言い回しや季語など何分手が回らない。こりゃあ我流ではダメだと薦められた季語辞典を買い、ついでに(知識ゼロからの俳句入門」(金子兜太)を取り寄せた。
まだパラパラっとしかめくっていないが、なにやら細かいことが書いてある。そういえば俳句は、日本的な繊細なる感性を磨く芸術のジャンルだったと、今更ながら思い出す。迷い道にうっかり踏み込んだかとちょっぴり後悔する。
今回の習作は次の5つ
宴果てぬ 友逝きし日の花の宵
花朧 彼方で微笑む逝きし友
「春寂寥」(寮歌)終りて棺動き出し
励ましの葉書還るや寒き午後
ゆくりなく弔辞読む春声途切れ *ゆくりなく=突然の
ちょっと恥ずかしいが、これもご縁である。読者の添削をいただければ幸いである。