秋も深まり、いよいよ錦繍となってきた。我が家の周りもたけなわである。桂、栗、桜はもう紅葉は終り、そろそろ落葉松が金色になってきた。風が吹くと細い金色の針がハラハラと落ちてくる。
月の明かりは強く、煌々と地上を照らす。大気が静かに冷えてゆく中、少し暖かささえ感じさせる不完全なな半月が、叢雲の中を進んでいる。林の中は葉が落ち、木々の枝が裸になり明るくなってきた。
二十四節気は霜降。確かに今にも霜が降りそうな季節になってきた。現に昨日霜が降りた。栗やどんぐりが枯葉に混じって道端によく落ちている。
七十二候は「時雨時施す」(しぐれときどきほどこす)さあっと降っては晴れる、通り雨の小気味よさを表した。(11月1日ごろ)
旅人と我名よばれん初しぐれ 芭蕉