夜、仕事から帰ってきた息子から突然の申し出があった。
「お母、カラオケつきあえ」
「は?」
時間はこの時点で午後9時半を過ぎている。
お姉から息子へカラオケの誘いは度々あるのだが、なぜにまた お母まで??
「気分がノッテいるこんな時でないと俺も言わん」
何に『ノッテいる』のかはわからないが、私も
「こんな時でないとチャンスもないか!」
とすぐノッた。
子供たちとカラオケなんて、そんなに回数あるものじゃない。
おまけに歌が苦手、人前で歌うなんてもっと苦手。
飲みに出る事もなくなった最近では、
カラオケ店などへ行くとは到底ないことだ。
いい機会だ。
普段子供たちがどんな曲を好んでいるかは、いつも聞かされている??ので知っているが、子供たちの声で歌う曲は聞いたことがない。
娘からは息子が、息子からは娘が
「歌、ウマイよ!」と聞かされているが どれくらい? どんな声?
と興味津々だった。
予約は息子が仕事先から帰り際にカラオケ店にすでに入れてきたという。
人数は3人。だが、まだお姉にはナイショだ。
帰ってきたら俺から話す、といっていたが、10時になろうとしても肝心のお姉が戻ってこない。
再度カラオケ店に電話を入れ、時間を30分ずらしてもらう。
午後10時10分くらいか、ようやく仕事を終えてお姉が戻ってくる。
「現地集合」と話をしていたらしく、私がくっついていくことは全く考えていない。当然だが。(笑)
「さ!行こう、時間になる」と車に乗り込む娘と息子。
知らん顔してアトにくっついて車に乗り込む私。
娘のキョン!とした顔が面白かった。(笑)
娘 「え?」
息子「もう一人って、お母だよ」
娘 「え~~!! 緊張する~~!(笑)」
イヤだとは言われなかった。よかった。(笑)
息子も写したんだけど顔がバレるので出さない。(笑)
それから3時間、二人の歌う曲を堪能した。
二人とも声が通ってきれいだし、ウマイ。息子のファルセット(裏声)にも大笑い。音痴でなくてよかったと、心底思った。(笑)
いろんな意味で、涙が出る3時間だった。
嬉しかったし楽しかった。そして思い出深い3時間となった。
午前1時半をまわり、自宅へ戻る。帰りがけ歩きながら、
「今度行く時までには、『お母の年代の歌、練習しとかなきゃ!』」
また一緒に連れて行ってくれる日を楽しみに待つ。
ありがとうね、二人とも。