CIVIC vs 164

 頼んでいた自動車アーカイブ Vol.13 80年代のイタリア車篇二玄社 税込893円)が届いた。

 しばらく前に出ていた「70年代のイタリア車篇」も面白かったけれど、80年代のこれも相当面白い。だってパンダに131、アルファスッドはあるは164、インテグラーレはあるはA112、328GTB、BB512、F40・・・。好き者には耐えられないクルマの数々が登場だ。

 そんな中で郷秋<Gauche>的に一番気になったのはアルファ・ロメオ164。1987年から1999年まで生産され、99年登場の166にその座を譲るまでの、当時のアルファ・ロメオの旗艦だ。生産終了から6年だから探せば「上玉」が見つかるはず。それでいて当時500万円(V6 3Lエンジン搭載車)を越えていた価格も十分こなれているはずだ。

 これを手に入れてちょっとカネをかけてシャキッとさせたのに乗ったら、いまどき結構お洒落だろうなって。で、よくよくこのクルマのスペックを見て「うん?」と思った。この164、4555mm(全長)*1760(全幅)*1400(前高)、1300Kg(L4 2Lエンジン搭載車は1250Kg)、ホイルベース2660mmなんだ。これって今の日本車だとどのクラスの大きさなんだ、って思ってよ~く考えて、調べてみて驚いた。なんと先日登場した8代目シビック(エンジンはL4 1.8L)とほとんど同じ大きさなんだ。

 8代目シビックは4540mm(全長)*1750(全幅)*1440(前高)、1250Kg、2700mmだから、164はシビックより僅かに10mm長く幅広く40mm背が低く、ホイルベースも40mm短く車重は同じだ。つまりだ、18年前のアルファ・ロメオの旗艦、つまりイタリアの事実上一番大きなクルマが日本のベイシック・カー(であるはずの)シビックと同じ大きさなんだ。驚くよな。

 8代目シビックが大きくてなり過ぎたとは9月24日に書いたけれど、18年前のとは言えイタリアの旗艦と事実上同じ大きさと言うのもホント、驚きだ。でもだ、我彼の写真を見比べると、やっぱり164の方がいいと思ってしまうのは郷秋<Gauche>が古い人間だからなのか。

 今年のCOTYをとったロードスターもいいけれど、やっぱりNA(初代)の方が魅力的だし、メルセデスだって今のEクラスよりもW124の方が魅力的に見えるし、911だって現行型よりも90年のがいい。Peugeotだって307より306の方がずっといいって、これは乗ってるけど。

 でもだ、どれもこれも「ただし」と「但し書き」が付くよな、やっぱり。それは手に入れるのにかかったのと同じかそれ以上のお金をかけて、エンジンを本来のレヴ・リミットまできっちり廻せるようにすること、必要な時に必要なだけの減速ができるブレーキを備えること、新車の時と同じようなシャキッとした足回りであることが必要だ。

 もっともそんなことをしていては、今新車で手に入るクルマよりも逆に高いクルマになってしまう。それでも今、そんなクルマに乗るのって、すごくお洒落でいいと思うんだけどなぁ・・・。



今日の1枚は、蔦紅葉。

[ 撮影 : すみよしの森 ]
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