去年今年

 まもなく新しい年がやって来る。しかし、不思議なものだ。昨日と今日、今日と明日、毎日繰り返されることなのに、明日だけが何故か取りざたされる。確かに地球は太陽の周りを回っているらしい。それも365日かけて。それは認めるとしても、どうして次の年の始まりが明日なのか。誰かが決めたんだろう、明日が新しい年の初めの日だなんて。あと数十分後に新しい年がやって来る。昨日から今日に変わったように今日から明日に変わるだけなのに。

 去年今年貫く棒の如きもの 高浜虚子

 去年今年は「こぞことし」と読む。過ぎ去った年を惜しみ新しい年への期待の思いとを表す季語である。去年から今年、過去から未来へが一本と道だとすれば、その道を歩く自らの姿を俯瞰し、ある一点を超えて行くその姿を見つめる思いが込められた季語である。昨日と変わらぬ今日を生きる私、去年と変わらぬ今年を生きてゆく私。しっかり見つめることを忘れがちな昨今である。

 懐かしい友との再会があった。悲しい別れがあった。楽しく愉快に歌った。つらい別れの歌も歌った。人との出会いと別れ、事との出会いと別れ、物との出会いと別れ。時の流れって、結局は出会いと別れなのかなぁ。



今日の1枚はなるせの森の冬の尾根道

 新しい年が、皆さん一人ひとりにとってよきものでありますことをお祈り申し上げております。
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 今日、恩田の森で撮影した写真をこちらに掲載しておりますのでぜひご覧ください。
恩田Now 
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