梅二色

 

 日本原産の桜に対して、梅は奈良時代に中国からもたらされたと言われている。万葉人も現代の日本人と同様、先進国(往時は中国、昨今は欧米)から渡来した珍しいものに対する興味が旺盛であったようで、歌に詠まれたのは桜よりも圧倒的に梅であったと読んだ事がある。桜がもて囃されるようになったのは、武士の時代にその散り際の潔さからだったとか。勿論、桜も悪くはないが、寒風の中で凛として咲く梅の気高さには敵うまい。そんな梅も、そろそろ桜との主役交代の時期が近づいてきたようである。
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