唐松林の中に小屋を建て、晴れた日には畑を耕し雨の日にはセロを弾いて暮したい、そんな郷秋<Gauche>の気ままな独り言。
郷秋<Gauche>の独り言
今日の新聞記事より
郷秋<Gauche>が「新聞」と書けば、それは普通名詞としての「新聞」ではなく、勿論「神奈川新聞」のことである。だって、朝日新聞は「朝日」だし、日本経済新聞は「日経」だから、郷秋<Gauche>が単に新聞と書けば、それは親愛なる「神奈川新聞」のことなのである。
「元現役兵士」とは何ぞや。(下線は郷秋<Gauche>が付した)
今日の22面に「個性を生かす作品ずらり」と云うタイトルで、「かなっくホール」で開催中の写真展を報じる記事が掲載されていた。その記事の中に「会場には、雨の日に靖国神社を訪れた元現役兵士や遺族たちの終戦記念日を淡々ととらえて連作や(後略)」と云う文言があった。
「現役」とは、辞書を引くまでもなく「現にその職にあり、活動中である人のこと」であろう。だから「元兵士」はあっても「元現役兵士」などと云う言葉は有り得ない。と思ったが『新明解国語辞典第4版』にはこんな記載が。
現役【げんえき】①旧軍隊で、常備兵役の一つ。所属部隊に編入されて平和時も軍務に服し、戦闘部隊の中心となるもの。相対する言葉として、予備役・後備役。 ②現に、その社会であるポストに在り、活動中である・こと(人)。 ③相対する言葉として、浪人。高校三年生で大学受験する者。また、その合格者。
神奈川新聞の記者は、「予備役・後備役」ではなく、かつて実際に部隊に編入されて平和時も軍務に服し、戦闘部隊の中心となる兵隊であった事を云いたくて「元現役兵」と書いたのであろうと想像するが、現在「現役とOB」などと云われる際の「現役」、つまり上の②の意味するところと大きく隔たり、適切な表現だとはとても思えない。
(旧)日本軍が解体されて65年が経つ今、現役兵と予備役(兵)との区別のつく人がいかほどいるのか。その辺りを考えて言葉を選んで欲しいものである。言葉は、辞書に書いてある意味により使えばそれで全ての人に理解してもらう事が出来ると云うわけではないことを、この記事を書いた記者は知るべきだし、その不適切な表現を見逃した「デスク」の責任は重いと、郷秋<Gauche>は声を大きくして云いたい。どうする、神奈川新聞。
お断り:本文中、①②③の「丸数字」を使っております。Macでご覧の方は文字化けしている事と思いますがどうぞご容赦ください。
追記:新明解国語辞典第4版は1989年11月に刊行されている。21年までのことだが、この時点で既に①の意味での「現役」は死語となっており、②と③が普通に使われる「現役」の意味であった。①は参考程度に最後に載せるべきであったのではないかと、郷秋<Gauche>は思う。(2010/7/29)
例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、一面の大豆畑。と、云いたいところですが、私のテクニックの限りで広々とした大豆畑を演出してみたまでで、実はごく小さな畑です。もっともホントに「大豆畑」であるのか、十分に実が熟す前に収穫してしまう「枝豆畑」なのかは、現時点では知る由もありませんが・・・。
「元現役兵士」とは何ぞや。(下線は郷秋<Gauche>が付した)
今日の22面に「個性を生かす作品ずらり」と云うタイトルで、「かなっくホール」で開催中の写真展を報じる記事が掲載されていた。その記事の中に「会場には、雨の日に靖国神社を訪れた元現役兵士や遺族たちの終戦記念日を淡々ととらえて連作や(後略)」と云う文言があった。
「現役」とは、辞書を引くまでもなく「現にその職にあり、活動中である人のこと」であろう。だから「元兵士」はあっても「元現役兵士」などと云う言葉は有り得ない。と思ったが『新明解国語辞典第4版』にはこんな記載が。
現役【げんえき】①旧軍隊で、常備兵役の一つ。所属部隊に編入されて平和時も軍務に服し、戦闘部隊の中心となるもの。相対する言葉として、予備役・後備役。 ②現に、その社会であるポストに在り、活動中である・こと(人)。 ③相対する言葉として、浪人。高校三年生で大学受験する者。また、その合格者。
神奈川新聞の記者は、「予備役・後備役」ではなく、かつて実際に部隊に編入されて平和時も軍務に服し、戦闘部隊の中心となる兵隊であった事を云いたくて「元現役兵」と書いたのであろうと想像するが、現在「現役とOB」などと云われる際の「現役」、つまり上の②の意味するところと大きく隔たり、適切な表現だとはとても思えない。
(旧)日本軍が解体されて65年が経つ今、現役兵と予備役(兵)との区別のつく人がいかほどいるのか。その辺りを考えて言葉を選んで欲しいものである。言葉は、辞書に書いてある意味により使えばそれで全ての人に理解してもらう事が出来ると云うわけではないことを、この記事を書いた記者は知るべきだし、その不適切な表現を見逃した「デスク」の責任は重いと、郷秋<Gauche>は声を大きくして云いたい。どうする、神奈川新聞。
お断り:本文中、①②③の「丸数字」を使っております。Macでご覧の方は文字化けしている事と思いますがどうぞご容赦ください。
追記:新明解国語辞典第4版は1989年11月に刊行されている。21年までのことだが、この時点で既に①の意味での「現役」は死語となっており、②と③が普通に使われる「現役」の意味であった。①は参考程度に最後に載せるべきであったのではないかと、郷秋<Gauche>は思う。(2010/7/29)
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例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、一面の大豆畑。と、云いたいところですが、私のテクニックの限りで広々とした大豆畑を演出してみたまでで、実はごく小さな畑です。もっともホントに「大豆畑」であるのか、十分に実が熟す前に収穫してしまう「枝豆畑」なのかは、現時点では知る由もありませんが・・・。
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