葱(ねぎ)と云うとついつい冬場の野菜と思いがちですが、考えてみると昔から夏場でも出回っていましたね。夏の定番、そうめんの薬味にも葱は欠かせませんから。確かに冬の鍋物に一本二本と入れてしまうような使い方は少ないですが、やはり薬味としての需要は一年中あると云うことなのでしょう。って、他人事じゃなくてそうめんや冷麦、冷奴の薬味に葱は欠かせません。

 葱で思い出すのは初めて関西に云ってうどんと食べたときのこと。薬味にでてきた葱が青いんです(青いと云っても実際の色は緑)。そこそこの構えの店なのに、葱の青いところを客に出すとはどう云う了見だと郷秋<Gauche>は怒ったのでしたが、関西では葱の青いところを食すのだ、そのために土をかけずに陽に当てて育て青くするのだと知ったのは随分後のことでした。

 関東以北では白い部分を多くする為に畝の谷の土を掘って葱の根元にかける機械まで使うのだから、大変な努力をして「白い葱」を作っているのです。食べ物の嗜好は子どものうちに慣れ親しんだものを好きになると云われますが葱もご多分にもれず、白い葱で育った郷秋<Gauche>は幾つになっても青い葱には馴染めないのです。でも、浅葱やわけぎは青くても許せてしまうから不思議ですね。


 今日の一枚は、今どき(正確には2週間前)の恩田の森の葱畑。見渡す限りの葱畑を見慣れた方は「なぁんだ」とお思いでしょうが、これでも横浜市青葉区の恩田の森では最大規模の葱畑です。
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