郷秋<Gauche>的CP+2012レポート(その3)

 CP+2012のレポートは、例えばhttp://www.digitalcamera.jp/ 辺りが網羅的に紹介しているので、郷秋<Gauche>は万遍なく紹介する必要はないだろう。まったく郷秋<Gauche>的な、つまり郷秋<Gauche>が特に興味を持った製品について紹介をする今日は3日目(で、最終日の予定)。

 

 

タムロンが参考出品(開発発表)したSP 24-70mm F/2.8 Di VC USDModel A007)である。余り詳しくない方のために(こんなものを知って、覚えておく方が変わり者なのであるが)例によって長たらしい型番を読み解いておこう。つまりだ、35mm判(「135」と表記される場合もあるが、同じ意味である)フルサイズ対応のレンズで、F値は焦点距離通しで2.8、手振れ補正機構搭載で、AF駆動用の超音波モーターが内臓されている。勿論APS-Cセンサー搭載のSLRでも使えるが、その場合には36-105mm相当となる。

 

郷秋<Gauche>がわざわざ紹介するのには理由がある。つまりこう云うことだ。サードパーティー(この場合は「レンズ専業メーカー」のことで、実質的にはタムロン、シグマ、トキナーの3社)製のレンズは、大手(つまりニコンとキヤノン)が出した、超音波モーターや手振れ補正と云った新機能を搭載した廉価版を後追いで発売されるのが常であったが、件のタムロン製レンズは、フルサイズ対応大口径標準ズームレンズに初めて手振れ補正機構を搭載したのが画期的なのである。

 

このことについては、実は書きかけの原稿があるのだが、blogに掲載するとなると3回分ほどにもなりそうな分量だしまだ完成もしていないので、ここでは極簡単に解説しておこう。

 

ニコンがVR、キヤノンがIS、タムロンがVCと云うところの、レンズ内に搭載する手振補正機構はここ56年で一般的になった技術だが、サードパーティーでの導入は、積極的だったシグマ(ちなみにシグマは、ニコンから特許侵害で訴えられている)はともかくとしてタムロンとトキナーは一歩も二歩も遅れを取っていたが、実はニコンもキヤノンも、メーカーの威信をかけると云っても良い、最も重要な大口径標準ズームレンズにはこのVRあるいはISを導入していないのである。

 

ニコンのフラッグシップレンズ、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G EDには「VR」の文字がないし、モデルチェンジしたばかりのキヤノンのEF24-70mm F2.8L II USMにも「IS」の文字がないのである。郷秋<Gauche>はFXD800用の標準(常用)ズームレンズ選択にいまだに悩んでいるのだが、その理由の一つはAF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G EDVRが搭載されていないこと。

 

今や交換レンズに手振れ防止機構の搭載は必須であるにも関わらずニコン、キヤノン両社の看板レンズにこれが搭載されていないのは、コスト以外に何か特別な理由があるのだろうか。キヤノンは新型が出たばかりだからあと56年は搭載されないと云う事になるかも知れない。一方AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G EDは登場以来既に4年以上が経過しているから、12年後に登場が見込まれる次期モデルへのVR搭載に大いに期待したいものであるが、それまでの間、タムロンSP 24-70mm F/2.8 Di VC USDがその存在感を大いにアピールするのは間違いないだろうな。

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