唐松林の中に小屋を建て、晴れた日には畑を耕し雨の日にはセロを弾いて暮したい、そんな郷秋<Gauche>の気ままな独り言。
郷秋<Gauche>の独り言
F1 2006年シーズンに向けて動く
F1が2006年シーズンに向けて動き出した。
まず最初はフェリペ・マッサのフェラーリ入り(詳しくはこちら)。そして、かねてより噂があったルーベンス・バリチェロのBAR入りが発表となった。マシン関係ではBMWエンジンを失う名門ウイリアムズがコスワースエンジンへのスイッチを発表。
有力チームのドライバーで最初に動いたのはフェラーリ。マッサのフェラーリ入りから離脱が確実になったバリチェロのBAR入りが発表となったため、後はジェンソン・バトンンの動きが決まれば来年のイス取りゲームは一気に収束に向かいそうな勢いである。
フェラーリ
[決定] ミヒャエル・シューマッハ [決定] フェリペ・マッサ
マクラーレン・メルセデス
[決定] キミ・ライッコネン [決定] ファン-パブロ・モントーヤ
トヨタ
[決定] ヤルノ・トゥルーリ [決定] ラルフ・シューマッハ
この3チームは既にドライバーが決定だ。残りのチームはまだ不確定要素を持っているが、そのキーになるが先に書いた通りジェンソン・バトン。バトンはどうやら2006年はウイリアムズで走る契約が存在しているようだが、昨シーズンにはあれほどウイリアムズに行きたがって「ダダ」をこねたバトンも今では来年もBARで走るほうが自分のキャリアにとって有利だと考えているようである。BMWエンジンを失うウイリアムズであるから、そう思う気持ちはよく理解できるけれど。もっとも、8月4日にも書いた通り、この世界では契約書はほとんど何の意味も持たないことを考えると、ことの行方はそう簡単には行きそうにはないな。
BAR ホンダ
[決定] ルーベンス・バリチェロ [噂or予想] バトン、(佐藤琢磨)
ルノー
[決定] フェルナンド・アロンソ [噂or予想] フィジケラ、ウェバー
ウィリアムズ・コスワース
[噂or予想] ウェバー、バトン、ハイドフェルド、フィジケラ
有力チームはバトンがどうするのか(どうなるのか)と、ルノーのフィジケラとウイリアムズのウェバーのトレード移籍があるかどうかでほぼ決まるだろう。いずれにしても、残念ながら佐藤琢磨のシートはこの当たりのチームで確保するのは難しそうだな。

今日の1枚は、恩田の森の夏。[ 撮影:すみよしの森 ]
まず最初はフェリペ・マッサのフェラーリ入り(詳しくはこちら)。そして、かねてより噂があったルーベンス・バリチェロのBAR入りが発表となった。マシン関係ではBMWエンジンを失う名門ウイリアムズがコスワースエンジンへのスイッチを発表。
有力チームのドライバーで最初に動いたのはフェラーリ。マッサのフェラーリ入りから離脱が確実になったバリチェロのBAR入りが発表となったため、後はジェンソン・バトンンの動きが決まれば来年のイス取りゲームは一気に収束に向かいそうな勢いである。
フェラーリ
[決定] ミヒャエル・シューマッハ [決定] フェリペ・マッサ
マクラーレン・メルセデス
[決定] キミ・ライッコネン [決定] ファン-パブロ・モントーヤ
トヨタ
[決定] ヤルノ・トゥルーリ [決定] ラルフ・シューマッハ
この3チームは既にドライバーが決定だ。残りのチームはまだ不確定要素を持っているが、そのキーになるが先に書いた通りジェンソン・バトン。バトンはどうやら2006年はウイリアムズで走る契約が存在しているようだが、昨シーズンにはあれほどウイリアムズに行きたがって「ダダ」をこねたバトンも今では来年もBARで走るほうが自分のキャリアにとって有利だと考えているようである。BMWエンジンを失うウイリアムズであるから、そう思う気持ちはよく理解できるけれど。もっとも、8月4日にも書いた通り、この世界では契約書はほとんど何の意味も持たないことを考えると、ことの行方はそう簡単には行きそうにはないな。
BAR ホンダ
[決定] ルーベンス・バリチェロ [噂or予想] バトン、(佐藤琢磨)
ルノー
[決定] フェルナンド・アロンソ [噂or予想] フィジケラ、ウェバー
ウィリアムズ・コスワース
[噂or予想] ウェバー、バトン、ハイドフェルド、フィジケラ
有力チームはバトンがどうするのか(どうなるのか)と、ルノーのフィジケラとウイリアムズのウェバーのトレード移籍があるかどうかでほぼ決まるだろう。いずれにしても、残念ながら佐藤琢磨のシートはこの当たりのチームで確保するのは難しそうだな。
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今日の1枚は、恩田の森の夏。[ 撮影:すみよしの森 ]
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デジタル方式一眼レフカメラ、秋の陣
夏のボーナスシーズンに前後して、各社からお手頃価格の新製品がどどっと出て、エライ勢いで売れているらしいデジタル方式一眼レフですが、秋から冬のボーナスシーズンにかけて再び新製品ラッシュとなりそうな情報が飛び込んできています。
夏前にどっと出たのはデジタル方式一眼レフの裾野を広げる入門機でしたが、秋に出るのはメーカーにとってより採算性が良い中・高級機種になるというのがもっぱらの噂。入門機は実売価格が標準ズームレンズ付きで10万円前後のものを言いますが、秋に出てきそうな中・高級機種はボディーのみで実売価格が20~30万円程度のもののようです。
先に各社からお手ごろ価格の新製品がどっと出たと書いたけれど、この各社とはニコン、キヤノン、ペンタックス、オリンパス、コニカミノルタの5社のこと。そして秋に中・高級機種を出すのはこのうちのニコンとキヤノンの2社でしょう。多分。なぜこの2社が、すでに持っている中・高級機種のラインナップを更に充実させるのかと言えば、実はこんな事情があるからなのです。
今年1月に、オリンパスと松下電器産業がレンズ交換式デジタル一眼レフカメラシステムの規格「フォーサーズシステム規格」に準拠したデジタル一眼レフカメラの共同開発に合意、2006年春には松下製のデジタル一眼レフカメラをお披露目すると発表しました。さらに7月にはコニカミノルタとソニーが、「αマウントシステム」を採用したレンズ交換式デジタル一眼レフカメラの共同開発への合意を発表。
つまり、これまでフィルム方式、デジタル方式を問わず一眼レフカメラでは先の5社が分け合っていたマーケットに家電大手のソニーとパナソニックが参入して来るのです。その企業規模を考えた時、特にニコンにとっては大きな脅威ですね。
一眼レフカメラを作ることにおいてはニコン、キヤノンの2社はソニーやパナソニックに対して圧倒的なアドバンテージを持っているわけですが、新参2社も圧倒的な強さのブランドと技術力を擁していますから、「勝ち組カメラメーカー」(注:1)のニコン、キヤノンとしてもうかうかしていられないわけです
面白いのがソニーやパナソニックがデジタル方式一眼レフカメラに進出するのにあたって、単独ではなくオリンパス、コニカミノルタという、老舗カメラメーカーと手を組んだ点です。いかにソニーやパナソニックが高い技術力を持っていたとしても単独では一眼レフカメラに進出できないのは、実はボディー(カメラ本体)の発売と同時に実に沢山のレンズや各種のアクセサリーを用意しなければならないからなのです。
一眼レフカメラはその特色を十二分に生かすために、事実上すべてのカメラがボディーとレンズが分離するレンズ交換方式を取っています。この2つを合体させる部分が「マウント」と呼ばれ、メーカー毎に独自の規格で作られています。つまりニコンのボディーにはキヤノンのレンズを装着することは出来ないのです。ニコンのボディーにはニコンのレンズを、キヤノンのボディーにはキヤノンのレンズを使わなければならないのです。
一眼レフカメラのユーザーは写したいと思う被写体をより的確に表現するために、その都度取り替えて使うレンズを何本か持っているのが普通ですから、カメラを買い換える時にもそれまでに購入したレンズが無駄にならないように、多くの場合それまでのボディーと同じメーカーのボディーを購入するのです。メーカー毎にマウントが異なることにより、メーカーはユーザーを「囲っておく」ことが出来るのです。
ですからソニーやパナソニックと言えども、まったく新規のマウントを作っても、現行5社のユーザーを奪うのは大変難しいということになるわけです。そこで、「負け組カメラメーカー」(注:1)と組んで進出となったわけですね。
さて、前置きが長くなりましたが、そんなこんなで新参2社が今すぐに中・高級機種まで手がけることはないと思いますが、当然入門機種ではニコンやキヤノンもある程度(あるいは相当)シェアを食われる可能性があるわけですね。そこで、ニコン、キヤノンとしてもその前に最新の中・高級機種を投入しデジタル方式一眼レフカメラ、フルラインナップメーカーとして確固たるポジションを確立しておきたいわけです。
もうひとつ注目したいのはソニー、パナソニックと提携した、コニカミノルタとオリンパスがどこまでシェアを伸ばせるのかです。ソニー、パナソニックがどういった価格帯の商品を出してくるのかにもよりますが、コニカミノルタとオリンパスの2社が、レンズと一眼レフ固有のメカ部分をソニー、パナソニックに供給する「下請け会社」に成り下がってします可能性も多分にあるなと、郷秋<Gauche>は見ております。そうそう、これまで話題にしなかったペンタックスがどういう戦略に出て来るのかも注目ですね。
まっ、郷秋<Gauche>としては今秋からのデジタル方式一眼レフ商戦についてはこのように見ているわけでありますが、果てさてどんな新製品が登場して、老舗5社プラス新参2社の攻防はいかなる結果になりますか、いかまら楽しみです。
注1・2:「カメラメーカー、勝ち組・負け組み」については6月4日の項を参照してください。
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今日はモノクロを1枚。[ 撮影:すみよしの森 ]
夏前にどっと出たのはデジタル方式一眼レフの裾野を広げる入門機でしたが、秋に出るのはメーカーにとってより採算性が良い中・高級機種になるというのがもっぱらの噂。入門機は実売価格が標準ズームレンズ付きで10万円前後のものを言いますが、秋に出てきそうな中・高級機種はボディーのみで実売価格が20~30万円程度のもののようです。
先に各社からお手ごろ価格の新製品がどっと出たと書いたけれど、この各社とはニコン、キヤノン、ペンタックス、オリンパス、コニカミノルタの5社のこと。そして秋に中・高級機種を出すのはこのうちのニコンとキヤノンの2社でしょう。多分。なぜこの2社が、すでに持っている中・高級機種のラインナップを更に充実させるのかと言えば、実はこんな事情があるからなのです。
今年1月に、オリンパスと松下電器産業がレンズ交換式デジタル一眼レフカメラシステムの規格「フォーサーズシステム規格」に準拠したデジタル一眼レフカメラの共同開発に合意、2006年春には松下製のデジタル一眼レフカメラをお披露目すると発表しました。さらに7月にはコニカミノルタとソニーが、「αマウントシステム」を採用したレンズ交換式デジタル一眼レフカメラの共同開発への合意を発表。
つまり、これまでフィルム方式、デジタル方式を問わず一眼レフカメラでは先の5社が分け合っていたマーケットに家電大手のソニーとパナソニックが参入して来るのです。その企業規模を考えた時、特にニコンにとっては大きな脅威ですね。
一眼レフカメラを作ることにおいてはニコン、キヤノンの2社はソニーやパナソニックに対して圧倒的なアドバンテージを持っているわけですが、新参2社も圧倒的な強さのブランドと技術力を擁していますから、「勝ち組カメラメーカー」(注:1)のニコン、キヤノンとしてもうかうかしていられないわけです
面白いのがソニーやパナソニックがデジタル方式一眼レフカメラに進出するのにあたって、単独ではなくオリンパス、コニカミノルタという、老舗カメラメーカーと手を組んだ点です。いかにソニーやパナソニックが高い技術力を持っていたとしても単独では一眼レフカメラに進出できないのは、実はボディー(カメラ本体)の発売と同時に実に沢山のレンズや各種のアクセサリーを用意しなければならないからなのです。
一眼レフカメラはその特色を十二分に生かすために、事実上すべてのカメラがボディーとレンズが分離するレンズ交換方式を取っています。この2つを合体させる部分が「マウント」と呼ばれ、メーカー毎に独自の規格で作られています。つまりニコンのボディーにはキヤノンのレンズを装着することは出来ないのです。ニコンのボディーにはニコンのレンズを、キヤノンのボディーにはキヤノンのレンズを使わなければならないのです。
一眼レフカメラのユーザーは写したいと思う被写体をより的確に表現するために、その都度取り替えて使うレンズを何本か持っているのが普通ですから、カメラを買い換える時にもそれまでに購入したレンズが無駄にならないように、多くの場合それまでのボディーと同じメーカーのボディーを購入するのです。メーカー毎にマウントが異なることにより、メーカーはユーザーを「囲っておく」ことが出来るのです。
ですからソニーやパナソニックと言えども、まったく新規のマウントを作っても、現行5社のユーザーを奪うのは大変難しいということになるわけです。そこで、「負け組カメラメーカー」(注:1)と組んで進出となったわけですね。
さて、前置きが長くなりましたが、そんなこんなで新参2社が今すぐに中・高級機種まで手がけることはないと思いますが、当然入門機種ではニコンやキヤノンもある程度(あるいは相当)シェアを食われる可能性があるわけですね。そこで、ニコン、キヤノンとしてもその前に最新の中・高級機種を投入しデジタル方式一眼レフカメラ、フルラインナップメーカーとして確固たるポジションを確立しておきたいわけです。
もうひとつ注目したいのはソニー、パナソニックと提携した、コニカミノルタとオリンパスがどこまでシェアを伸ばせるのかです。ソニー、パナソニックがどういった価格帯の商品を出してくるのかにもよりますが、コニカミノルタとオリンパスの2社が、レンズと一眼レフ固有のメカ部分をソニー、パナソニックに供給する「下請け会社」に成り下がってします可能性も多分にあるなと、郷秋<Gauche>は見ております。そうそう、これまで話題にしなかったペンタックスがどういう戦略に出て来るのかも注目ですね。
まっ、郷秋<Gauche>としては今秋からのデジタル方式一眼レフ商戦についてはこのように見ているわけでありますが、果てさてどんな新製品が登場して、老舗5社プラス新参2社の攻防はいかなる結果になりますか、いかまら楽しみです。
注1・2:「カメラメーカー、勝ち組・負け組み」については6月4日の項を参照してください。
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今日はモノクロを1枚。[ 撮影:すみよしの森 ]
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続 JALウェイズ機のエンジン破損事故
昨日に続いて、JAL系列のJALウェイズのDC-10のエンジントラブルについて、今日も書く。
事故を起こしたJO058便(福岡空港発/ホノルル空港行)の機材は旧McDonnell Douglas社(Boeing社と合併)製のDC-10-40である。登録記号はJA8545で、おそらく1980年に製造され同年12月20日にJALの機材として登録されている。現在もJAL所有の機体であるが、運行はJALグループのリゾート便を担当するJALウェイズが行っている。
このDC-10-40はエンジンを左右の主翼の下に1発ずつ、そして垂直尾翼の付け根にもう1発のエンジンを搭載している3発機である。かつてはBoeing727やLockheed L-1011TriStar、MD-10そして今回事故を起こしたMD-10と数機種が日本の空を飛んでいた3発機であるが、退役が進み今回事故を起こしたDC-10-40も2005年度末までにはすべて退役の予定となっていた。
さて、トラブルを起こした左翼の第1エンジンであるが、これはP&W社製のJT9D-59A型というエンジンである(大型機の場合、P&W、GE、R-Rの中からエアラインの好みで搭載エンジンを選択できるのが一般的)。このエンジンに対して今年6月に国土交通省が航空各社に対して、エンジン破損の恐れがあるとして防止措置を取るように求めるTCD(滞空性改善通報)を出していたのだという。P&W JT9D型エンジンはJALが1970年代初期に導入し100/100B/200B/300各型747にも搭載されている。先に「航空各社に通達」と書いたが、対象のなるのは実はJALのみなのである。
6月にだされたTCDに対してJALは「2010年4月までには当該部品を改良型に交換する」と報告し、国交省はこれを了承していたという。TCDによれば、エンジン内の耐熱合金製カバーに亀裂が生じ、そばにあるタービンブレードの脱落を引き起こし、落ちたブレードにより高速回転するエンジン内部が破壊され、破片が飛散する可能性があるとされているという。今回の事故はまさにその可能性が現実のものとなった感が強いが、こればかりは詳しい調査を待つしかないだろう。
私がここで問題にしたいのは、JALが2010年4月まで対応するとし、国交省がこれを了承した点である。先に書いたようにJT9D-59Aエンジンを搭載したDC-10-40は2006年3月までには退役することが決まっていたのである。また、同種のエンジンを搭載した初期型747もその多くが2010年4月までにはその多くの退役が予定されていたはずである。
だとするとJALが提示した2010年4月には、JT9D型エンジンを搭載した機体は存在していないのではないのか。つまりJALはJT9D型エンジンを搭載機が退役するまで改修を待つよう国交省に申し入れをして、国交省もそれを承知の上で了承したのではないか。
実効性のまったくないTCDを形式的に出し、これに対し自社にとって都合の良い回答をするJAL。国交省から天下ったJALの役員と、JALに天下りたい国交省の役人の間で行われた茶番劇ではないのかと勘繰りたくなるのは、私だけだろうか。

いつもながら記事とは無関係の今日の1枚は、木槿(ムクゲ)。まずまずのが撮れたかな?と思って帰って来たのですが、確認してみたら葉っぱが虫食いでした。ちょっとがっかり。
事故を起こしたJO058便(福岡空港発/ホノルル空港行)の機材は旧McDonnell Douglas社(Boeing社と合併)製のDC-10-40である。登録記号はJA8545で、おそらく1980年に製造され同年12月20日にJALの機材として登録されている。現在もJAL所有の機体であるが、運行はJALグループのリゾート便を担当するJALウェイズが行っている。
このDC-10-40はエンジンを左右の主翼の下に1発ずつ、そして垂直尾翼の付け根にもう1発のエンジンを搭載している3発機である。かつてはBoeing727やLockheed L-1011TriStar、MD-10そして今回事故を起こしたMD-10と数機種が日本の空を飛んでいた3発機であるが、退役が進み今回事故を起こしたDC-10-40も2005年度末までにはすべて退役の予定となっていた。
さて、トラブルを起こした左翼の第1エンジンであるが、これはP&W社製のJT9D-59A型というエンジンである(大型機の場合、P&W、GE、R-Rの中からエアラインの好みで搭載エンジンを選択できるのが一般的)。このエンジンに対して今年6月に国土交通省が航空各社に対して、エンジン破損の恐れがあるとして防止措置を取るように求めるTCD(滞空性改善通報)を出していたのだという。P&W JT9D型エンジンはJALが1970年代初期に導入し100/100B/200B/300各型747にも搭載されている。先に「航空各社に通達」と書いたが、対象のなるのは実はJALのみなのである。
6月にだされたTCDに対してJALは「2010年4月までには当該部品を改良型に交換する」と報告し、国交省はこれを了承していたという。TCDによれば、エンジン内の耐熱合金製カバーに亀裂が生じ、そばにあるタービンブレードの脱落を引き起こし、落ちたブレードにより高速回転するエンジン内部が破壊され、破片が飛散する可能性があるとされているという。今回の事故はまさにその可能性が現実のものとなった感が強いが、こればかりは詳しい調査を待つしかないだろう。
私がここで問題にしたいのは、JALが2010年4月まで対応するとし、国交省がこれを了承した点である。先に書いたようにJT9D-59Aエンジンを搭載したDC-10-40は2006年3月までには退役することが決まっていたのである。また、同種のエンジンを搭載した初期型747もその多くが2010年4月までにはその多くの退役が予定されていたはずである。
だとするとJALが提示した2010年4月には、JT9D型エンジンを搭載した機体は存在していないのではないのか。つまりJALはJT9D型エンジンを搭載機が退役するまで改修を待つよう国交省に申し入れをして、国交省もそれを承知の上で了承したのではないか。
実効性のまったくないTCDを形式的に出し、これに対し自社にとって都合の良い回答をするJAL。国交省から天下ったJALの役員と、JALに天下りたい国交省の役人の間で行われた茶番劇ではないのかと勘繰りたくなるのは、私だけだろうか。
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いつもながら記事とは無関係の今日の1枚は、木槿(ムクゲ)。まずまずのが撮れたかな?と思って帰って来たのですが、確認してみたら葉っぱが虫食いでした。ちょっとがっかり。
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JAL、20年目の8月12日に事故
昨日、JAL系列のJALウェイズが運行するDC-10が福岡空港をからホノルルに向け離陸した直後に左翼の第1エンジン付近から炎が出るトラブルが発生した。幸い乗員・乗客に怪我はなかったが、エンジンのタービンブレードと思われる金属片が飛行経路に当たる地上に落下し、この金属片を触った数名が軽度の火傷を負った他、乗用車のフロントガラスが破損する被害が出ている。
今回の事故は離陸直後であったことからすぐに福岡空港に引き返すことが出来、惨事に至ることはなかったが、もし太平洋上でこの事故があったとすれば、問題の発生した第1エンジンを止めて、残りの2機のエンジンで飛行を続け最寄りの空港に緊急着陸することになったことだろう。
勿論、最寄りの空港のない洋上を長時間飛行する旅客機は1発もしくは2発(4発エンジン機の場合)だけでも安全に飛行を続けることが出来るように設計され、整備においてもより厳しい検査が義務図けられている。
そのことを頭では理解できても、もう1発のエンジンが止まったらどうするのだという恐怖を多くの乗客が感じることはまず、間違いない。トラブルとは往々にして連鎖的に起こるものなのだから。
今回の事故はよりによって20年目の8月12日に発生した。「二度とこのような事故がないように」と誓いを新たにしたその日にこの事故である。JAL関係者は、よもや「惨事に至らなくて良かった」などとは思っていないだろうな。起こってはいけない事故なのである。
つい最近、国内での航空機事故がJALにおいて多発しているとの報道があったばかりである。国内の旅客便のうちJALが35%を運行しているが、事故の55%はJALで起きているというのである。JALにおける事故の発生率はJAL以外の航空会社のそれの2倍もあるということである。
JALの事故発生はJASとの合併後に特に多くなっていると言う。20前の事故の経験にも関わらず、事故を多発する企業風土は一向に改善されていないと言うことなのだろう。三菱自動車の一連のリコール隠しと同じ問題を抱えているやに思えてならない。
郷秋<Gauche>は以前からJALの方に事故が多いように思えていたし、サービスの質も決して高くないと感じていたので、選べる時にはANAを利用してきていたが、これからはますます確信を持ってANAを選ぶことになるだろうし、私と同様の選択をする方が確実に増えてくるであろうことも容易に想像できる。
「JALは旅客を運ぶのをやめてはどうか」という20年前の事故のご遺族のコメントが実に印象的であった。
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今日の1枚はすみよしの森で咲いていた藪欄(ヤブラン)。
今日、恩田の森で撮影した写真をこちらに掲載しておりますのでぜひご覧ください。
恩田Now
今回の事故は離陸直後であったことからすぐに福岡空港に引き返すことが出来、惨事に至ることはなかったが、もし太平洋上でこの事故があったとすれば、問題の発生した第1エンジンを止めて、残りの2機のエンジンで飛行を続け最寄りの空港に緊急着陸することになったことだろう。
勿論、最寄りの空港のない洋上を長時間飛行する旅客機は1発もしくは2発(4発エンジン機の場合)だけでも安全に飛行を続けることが出来るように設計され、整備においてもより厳しい検査が義務図けられている。
そのことを頭では理解できても、もう1発のエンジンが止まったらどうするのだという恐怖を多くの乗客が感じることはまず、間違いない。トラブルとは往々にして連鎖的に起こるものなのだから。
今回の事故はよりによって20年目の8月12日に発生した。「二度とこのような事故がないように」と誓いを新たにしたその日にこの事故である。JAL関係者は、よもや「惨事に至らなくて良かった」などとは思っていないだろうな。起こってはいけない事故なのである。
つい最近、国内での航空機事故がJALにおいて多発しているとの報道があったばかりである。国内の旅客便のうちJALが35%を運行しているが、事故の55%はJALで起きているというのである。JALにおける事故の発生率はJAL以外の航空会社のそれの2倍もあるということである。
JALの事故発生はJASとの合併後に特に多くなっていると言う。20前の事故の経験にも関わらず、事故を多発する企業風土は一向に改善されていないと言うことなのだろう。三菱自動車の一連のリコール隠しと同じ問題を抱えているやに思えてならない。
郷秋<Gauche>は以前からJALの方に事故が多いように思えていたし、サービスの質も決して高くないと感じていたので、選べる時にはANAを利用してきていたが、これからはますます確信を持ってANAを選ぶことになるだろうし、私と同様の選択をする方が確実に増えてくるであろうことも容易に想像できる。
「JALは旅客を運ぶのをやめてはどうか」という20年前の事故のご遺族のコメントが実に印象的であった。
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今日の1枚はすみよしの森で咲いていた藪欄(ヤブラン)。
今日、恩田の森で撮影した写真をこちらに掲載しておりますのでぜひご覧ください。
恩田Now
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横浜温暖化
郷秋<Gauche>は横浜市民、つまり神奈川県民ですから新聞は地元の神奈川新聞を購読しています(朝日と日経も読んでいますのでご安心ください)。その神奈川新聞の今日の一面にこんな記事が載っていました。
横浜では1年の1/3が夏日だと言うのです。夏日はご存知の通り日最高気温が25度以上の日を言いますが、この夏日が横浜では1980年代の年間92日(1980-1989年の平均ということでしょう。時々理解に時間がかかる記述があるのも全国紙には見られない特徴で、想像力を刺激され楽しいです)から年々増え続け2000年代には113日あるというのです。

あかねの森の棕櫚。2005年2月12日撮影
日最高気温が30度以上の真夏日も32日から51日に増え1年の1/7が真夏日で、熱帯夜(日最低気温が25度以上)も1940年代の年4日から2000年代には約6倍の23日に増えているようです。横浜は亜熱帯です。そう言えば恩田の森にもたくさん棕櫚が生えています。冗談ではなくて、日本の雑木林の中に棕櫚(シュロ)が自生しているのを見て「日本は亜熱帯だ」を言った植物学者がいたそうです。
逆に冬は寒い日が減ってきており1940年代に48日あった冬日(日最低気温が0度未満)が2000年代には年4日だけとなり、さらに真冬日(日最高気温が0度未満)は1967年以来記録されていないそうです。
地球的な規模で二酸化炭素の排出量が増えたり、都市部では地面がコンクリートはアスファルトで覆われた結果なんだろうな。たいそうなことではなくても、いま郷秋<Gauche>にも出来ることから始めなくちゃな。

今日の1枚はすみよしの森の畑で見つけたゴーヤ。
横浜では1年の1/3が夏日だと言うのです。夏日はご存知の通り日最高気温が25度以上の日を言いますが、この夏日が横浜では1980年代の年間92日(1980-1989年の平均ということでしょう。時々理解に時間がかかる記述があるのも全国紙には見られない特徴で、想像力を刺激され楽しいです)から年々増え続け2000年代には113日あるというのです。
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あかねの森の棕櫚。2005年2月12日撮影
日最高気温が30度以上の真夏日も32日から51日に増え1年の1/7が真夏日で、熱帯夜(日最低気温が25度以上)も1940年代の年4日から2000年代には約6倍の23日に増えているようです。横浜は亜熱帯です。そう言えば恩田の森にもたくさん棕櫚が生えています。冗談ではなくて、日本の雑木林の中に棕櫚(シュロ)が自生しているのを見て「日本は亜熱帯だ」を言った植物学者がいたそうです。
逆に冬は寒い日が減ってきており1940年代に48日あった冬日(日最低気温が0度未満)が2000年代には年4日だけとなり、さらに真冬日(日最高気温が0度未満)は1967年以来記録されていないそうです。
地球的な規模で二酸化炭素の排出量が増えたり、都市部では地面がコンクリートはアスファルトで覆われた結果なんだろうな。たいそうなことではなくても、いま郷秋<Gauche>にも出来ることから始めなくちゃな。
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今日の1枚はすみよしの森の畑で見つけたゴーヤ。
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秋?
確かに立秋は過ぎたけれど、まだまだ夏真っ盛り。「盛夏」である。
「暑い」と「涼しい」、一見相反するこの二つの言葉も俳句の世界で実はともに夏の季語である。
暑き日は暑きに住す庵かな 高浜虚子
追風にまろびて涼し沖津波 水原秋桜子
秋桜子の言う「涼し」は無論クーラーの涼しさなどではなく、暑い真夏の思いがけぬ涼しさを指す。暑さがあってこその涼しさである。
夏が過ぎ、ようやくやってきた本物の涼しさのことを、俳句の世界では「新涼」と表現する。
新涼や手織木綿の肌ざわり 吉野義子
そして秋の暑さはご存知「残暑」である。
残暑とはかかる日のこと庭を掃く 星野立子
俳句は次の季節のほんのわずかな気配を感じることで成り立つ短詩と言っても良い。本物の秋になってから秋を詠んでも、言ってみれば誰も見向きはしない。暦の上でこそ秋になった今、暑さの盛りにこそ秋を感じることをよしとするのである。
秋立つや川瀬にまじる風の音 飯田蛇笏
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今日の1枚は、秋の先触れ、なるせの森の栗。
ああ、確かに「秋」なんだなぁ。
「暑い」と「涼しい」、一見相反するこの二つの言葉も俳句の世界で実はともに夏の季語である。
秋桜子の言う「涼し」は無論クーラーの涼しさなどではなく、暑い真夏の思いがけぬ涼しさを指す。暑さがあってこその涼しさである。
夏が過ぎ、ようやくやってきた本物の涼しさのことを、俳句の世界では「新涼」と表現する。
そして秋の暑さはご存知「残暑」である。
俳句は次の季節のほんのわずかな気配を感じることで成り立つ短詩と言っても良い。本物の秋になってから秋を詠んでも、言ってみれば誰も見向きはしない。暦の上でこそ秋になった今、暑さの盛りにこそ秋を感じることをよしとするのである。
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今日の1枚は、秋の先触れ、なるせの森の栗。
ああ、確かに「秋」なんだなぁ。
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鹿の子百合(カノコユリ)
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花の斑点を鹿子絞りに見立てての命名のようですが、鬼百合にも山百合にも斑点はあるのにどうしてこの花だけが「鹿の子」と呼ばれるのが不思議です。百合の仲間では珍しい色だと思いますが、なかなか素敵です。
調べてみると九州や四国では自生するということですが、これはいつもの東京都下某所で咲いていたもの。すぐ近くでは鹿の子百合の前に山百合、鬼百合が咲いていましたから、きっと誰かが球根を植えたのでしょうね。
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ディスカバリー無事帰還
ディスカバリーが無事に帰って来ました。よかったよかった。行きには荷物満載で重たそうに飛び立ったけれど帰りに空っぽで身軽に帰ってくるのかと思ったら、国際宇宙ステーションのゴミを2トンも持って帰って来たらしい。ゴミは宇宙空間に放出して、地球の引力で(地球に向けて)落下する際に燃やして処理しているのかと思ったけれどどうもそうではないらしい。
放送や通信のための静止衛星が止まっている(地球から見ると止まって見えるけれど、実際には地球の自転と同じ速さで回っている)赤道上中36,000kmには使い古しの衛星をはじめ、人間が打ち上げたいろんなゴミがいっぱいで、新しい衛星の居場所を確保するのも大変だと聞いたことがあるけれど、やっぱり宇宙でもゴミの投げ捨てはまずいんだろうな。どこかの星の住民が「地球人はゴミの出し方を守ってくれないから困るよ」なんて言っていたりして。
野口さんのために「宇宙ラーメン」が開発され、美味しく食べたとのニュースが流れたけれど、スープは飛び散らないようにゼリー状になっていたとか。やっぱりラーメンはフーフー言いながらズルズルとすすらないと美味しくないんじゃないかって気がするけれど、海外旅行のホテルで食べるカップラーメンが飛び切り美味しく感じるように、地球を見ながら食べる(齧る?)宇宙ラーメンは美味しいのかも知れないな。
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さて、今日はモノクロの写真を1枚。カラーだと「ふ~ん」で済んでしまう写真もモノクロームだと想像力をかき立てられませんか? えっ、そんなに上等な写真じゃないって? はっ、失礼しました(^^;。[ 撮影:あかねの森 ]
放送や通信のための静止衛星が止まっている(地球から見ると止まって見えるけれど、実際には地球の自転と同じ速さで回っている)赤道上中36,000kmには使い古しの衛星をはじめ、人間が打ち上げたいろんなゴミがいっぱいで、新しい衛星の居場所を確保するのも大変だと聞いたことがあるけれど、やっぱり宇宙でもゴミの投げ捨てはまずいんだろうな。どこかの星の住民が「地球人はゴミの出し方を守ってくれないから困るよ」なんて言っていたりして。
野口さんのために「宇宙ラーメン」が開発され、美味しく食べたとのニュースが流れたけれど、スープは飛び散らないようにゼリー状になっていたとか。やっぱりラーメンはフーフー言いながらズルズルとすすらないと美味しくないんじゃないかって気がするけれど、海外旅行のホテルで食べるカップラーメンが飛び切り美味しく感じるように、地球を見ながら食べる(齧る?)宇宙ラーメンは美味しいのかも知れないな。
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さて、今日はモノクロの写真を1枚。カラーだと「ふ~ん」で済んでしまう写真もモノクロームだと想像力をかき立てられませんか? えっ、そんなに上等な写真じゃないって? はっ、失礼しました(^^;。[ 撮影:あかねの森 ]
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アマチュアカメラマンに50の質問(その5 / 最終回)
Q41.写真以外の趣味はなんですか?
チェリスト兼エッセイストです。嘘だと思う方はこのページの上にあるチェロの画像をクリックしてみてください。ただし人の前で弾かないので、ホントに弾くのか?との噂しきりであることも事実です。「プロだからギャラが出ないところでは弾かないのだ」と煙に巻いております(^^;。
Q42.定期購読しているカメラ誌はありますか?
ありません。ああいうのって読むとなにかいいことありますか?今時写真なんてどこにでもあるわけで、講評を読まないといい写真と悪い写真の区別がつかない様ではいつまでたってもうまくならないと思います。って、偉そうに言っておきましょう。
いいなと思う写真を眺めて、何ミリのレンズで撮ったんだろう、絞りは?シャッタースピードは?ライトは?とあれこれ想像を巡らすことがすごくいい勉強になります。カメラ誌は大体においてカメラや関連機材の広告が多すぎ、物欲を刺激されていけません。
写真集(女性の、ではありません。為念)は時々買います。グラビア雑誌なんかも写真のイメージトレーニングだと思って時間をかけて見ることがあります。
Q43.サイレンを聞いてカメラを持って走った事はありますか?
そんな「覗き趣味」はありません。
Q44.職務質問された事はありますか?
あります。大昔、借り物の Nikon F2に500mmのレフレックスを付けて横須賀で機動隊を撮っていたら10人くらいの武装機動隊に囲まれた。怖かった!
Q45.絡まれた事はありますか?
これは写真を撮っていてということですかね。特にないですね。
Q46.予算も時間も無制限、さあ何処で何を撮りますか?
恩田の森で森のありようを撮ります。
Q47.次の休みの予定は?
勿論恩田の森に出かけます。
Q48.日本が戦場になりました、貴方が手にするのは銃?それともカメラ?
仮定が突飛に過ぎませんか?どちらかを取れと強要されれば、カメラを取るとは思いますが。
Q49.銀塩写真はいずれ無くなると思いますか?
なくならないでしょう、というよりはなくなって欲しくないですね。一旦は息も絶え絶えになるかも知れませんが、そんな時期を経て再び息を吹き返します。もっとも極少数のファンの間でということですが。これは「LP-->CD登場-->CD普及-->LP絶滅-->LP復活」の例からも明らかです。
Q50.貴方にとって「写真」とは?
自己表現方法の一つ。「言葉」と同じです。
お疲れ様でした。
はい、疲れました。そして、お付き合い頂きありがとうございました。
☆☆☆☆☆
以上は「アマチュアカメラマンに50の質問」http://homepage3.nifty.com/rabbit-hutch/50q.htmに答えたものです。
「ちょっと、どうかな?」と思う質問もありましたが全体としては面白かったですね。ただ「カメラマン」という言葉、少し前にも書きましたが私は余り好きではありません。カメラマン=写真を撮る人という意味なのでしょうが、このカメラマンと言う言葉には、写真を撮ることに主体性がなく、あそこに行ってあれを撮って来いと言われて撮っている人、というニュアンスを私は感じます。自分の自由な意思で写真を撮るのは写真家。それを職業としていない人の場合には写真愛好家という言葉が良いかも知れません。
最近「写真作家」という肩書きを目にすることがありますが、これはちょっと大仰な感じがします。個人的には、カタカナにしただけで写真家とどこが違うのかと言われそうではありますが「フォトグラファー」という言い方が好きです。このことについてはこちらにもう少し詳しく書いておりますので興味を持たれた方はご一読ください。
チェリスト、エッセイストにしてフォトグラファーの郷秋<Gauche>でした(^^)。
アマチュアカメラマンに50の質問(その1)はこちら
アマチュアカメラマンに50の質問(その2)はこちら
アマチュアカメラマンに50の質問(その3)はこちら
アマチュアカメラマンに50の質問(その4)はこちらです。
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さて、今日の1枚は真夏を代表する花の一つ、百日紅(ヒャクジツコウ)。別名の猿滑(サルスベリ)の方がわかるやすいですね。勿論、百日紅と書いても「さるすべり」とも読みます。
チェリスト兼エッセイストです。嘘だと思う方はこのページの上にあるチェロの画像をクリックしてみてください。ただし人の前で弾かないので、ホントに弾くのか?との噂しきりであることも事実です。「プロだからギャラが出ないところでは弾かないのだ」と煙に巻いております(^^;。
Q42.定期購読しているカメラ誌はありますか?
ありません。ああいうのって読むとなにかいいことありますか?今時写真なんてどこにでもあるわけで、講評を読まないといい写真と悪い写真の区別がつかない様ではいつまでたってもうまくならないと思います。って、偉そうに言っておきましょう。
いいなと思う写真を眺めて、何ミリのレンズで撮ったんだろう、絞りは?シャッタースピードは?ライトは?とあれこれ想像を巡らすことがすごくいい勉強になります。カメラ誌は大体においてカメラや関連機材の広告が多すぎ、物欲を刺激されていけません。
写真集(女性の、ではありません。為念)は時々買います。グラビア雑誌なんかも写真のイメージトレーニングだと思って時間をかけて見ることがあります。
Q43.サイレンを聞いてカメラを持って走った事はありますか?
そんな「覗き趣味」はありません。
Q44.職務質問された事はありますか?
あります。大昔、借り物の Nikon F2に500mmのレフレックスを付けて横須賀で機動隊を撮っていたら10人くらいの武装機動隊に囲まれた。怖かった!
Q45.絡まれた事はありますか?
これは写真を撮っていてということですかね。特にないですね。
Q46.予算も時間も無制限、さあ何処で何を撮りますか?
恩田の森で森のありようを撮ります。
Q47.次の休みの予定は?
勿論恩田の森に出かけます。
Q48.日本が戦場になりました、貴方が手にするのは銃?それともカメラ?
仮定が突飛に過ぎませんか?どちらかを取れと強要されれば、カメラを取るとは思いますが。
Q49.銀塩写真はいずれ無くなると思いますか?
なくならないでしょう、というよりはなくなって欲しくないですね。一旦は息も絶え絶えになるかも知れませんが、そんな時期を経て再び息を吹き返します。もっとも極少数のファンの間でということですが。これは「LP-->CD登場-->CD普及-->LP絶滅-->LP復活」の例からも明らかです。
Q50.貴方にとって「写真」とは?
自己表現方法の一つ。「言葉」と同じです。
お疲れ様でした。
はい、疲れました。そして、お付き合い頂きありがとうございました。
以上は「アマチュアカメラマンに50の質問」http://homepage3.nifty.com/rabbit-hutch/50q.htmに答えたものです。
「ちょっと、どうかな?」と思う質問もありましたが全体としては面白かったですね。ただ「カメラマン」という言葉、少し前にも書きましたが私は余り好きではありません。カメラマン=写真を撮る人という意味なのでしょうが、このカメラマンと言う言葉には、写真を撮ることに主体性がなく、あそこに行ってあれを撮って来いと言われて撮っている人、というニュアンスを私は感じます。自分の自由な意思で写真を撮るのは写真家。それを職業としていない人の場合には写真愛好家という言葉が良いかも知れません。
最近「写真作家」という肩書きを目にすることがありますが、これはちょっと大仰な感じがします。個人的には、カタカナにしただけで写真家とどこが違うのかと言われそうではありますが「フォトグラファー」という言い方が好きです。このことについてはこちらにもう少し詳しく書いておりますので興味を持たれた方はご一読ください。
チェリスト、エッセイストにしてフォトグラファーの郷秋<Gauche>でした(^^)。
アマチュアカメラマンに50の質問(その1)はこちら
アマチュアカメラマンに50の質問(その2)はこちら
アマチュアカメラマンに50の質問(その3)はこちら
アマチュアカメラマンに50の質問(その4)はこちらです。
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さて、今日の1枚は真夏を代表する花の一つ、百日紅(ヒャクジツコウ)。別名の猿滑(サルスベリ)の方がわかるやすいですね。勿論、百日紅と書いても「さるすべり」とも読みます。
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アマチュアカメラマンに50の質問(その4)
今回も、前回から間があきましたが、Q31~40についての答えです。「そろそろしつこいぞ!」という感じになりつつありますが、せっかく始めましたので最後までお付き合いください。それではいってみましょう。
Q31.撮影機材以外に持っていく物はありますか?
冷たいビール!ビールは500mlの缶1本ですが、夏場は他に500 mlのミネラル・ウォーター(中身は自宅の浄水器の水)も2本持って行きます。春・秋はビールと水を1本ずつ、冬場はそれに熱いコーヒーが入った保温ポットが加わります。
Q32.撮影が目的で一番遠くまで行ったのはどこですか?
なるせの森の西端。恩田の森以外では余り撮影しません。
Q33.一枚一枚丹念に?それとも数撃ちゃ当たる?
時により。24番に書いたとおり、D70の時には何枚撮っても特に費用がかかるわけではないので、いっとき「数撃ち」になりそうな悪い傾向がでてきましたが、このところ少しずつ改善されてきています。F3を時々使うようになったのが良かったようです。そういえば昔「一写入魂」なんて言葉がありました。
Q34.気分が乗らない時はすぐに撮影をやめますか?
毎週の連載を抱えていますので、アナを空けるわけにはいきません。気分は「プロ」です(^^)。
Q35.雨でも風でもへっちゃらですか?
「へっちゃら」な人っているんですか?みんないい写真撮りたい一心で我慢しているんじゃないのかなぁ。
Q36.一番過酷な撮影状況は?
従軍写真家じゃないので・・・。
Q37.カメラマンのマナーについて一言
時に悪い人がいますね。狭い通り道に三脚立てたり人を止めたり。何様のつもり?某大御所は何時間でも人が切れるまで待っていたと言う話を聞いたことがあります。京都あたりの写真愛好家の団体が自主規制を始めたりしているようですが、大変良いことだと思います。
Q38.で、貴方はマナーを守っていますか?
当然です。ポリ袋をいつも持ち歩き、目についた空き缶やペットボトルは拾って帰って来ます。
Q39.写真で食べていこうと思った事はありますか?
あるんですね、これが。随分昔のことですが。写真の学校まで行きましたから元を取らなくちゃってね。写真小僧は誰でも一度は考えるんじゃないかな?
Q40.金品を受け取って撮影した事はありますか?
あるある!ピアノの発表会の写真を撮ってあげたらお駄賃をくれた。質問の趣旨が「金品を受け取る前提で」ということだとすると見当違いの答えですね。
第4回目はここまでです。いつもながら設問により答えの長短にの差ありますが、どうぞご容赦を(^^ゞ。では次回、最終回をお楽しみに。
アマチュアカメラマンに50の質問(その1)はこちら
アマチュアカメラマンに50の質問(その2)はこちら
アマチュアカメラマンに50の質問(その3)はこちら
アマチュアカメラマンに50の質問(その5)はこちらです。

さて、今日の1枚はちょっと涼しげなこれ。[ 撮影:すみよしの森 ]
Q31.撮影機材以外に持っていく物はありますか?
冷たいビール!ビールは500mlの缶1本ですが、夏場は他に500 mlのミネラル・ウォーター(中身は自宅の浄水器の水)も2本持って行きます。春・秋はビールと水を1本ずつ、冬場はそれに熱いコーヒーが入った保温ポットが加わります。
Q32.撮影が目的で一番遠くまで行ったのはどこですか?
なるせの森の西端。恩田の森以外では余り撮影しません。
Q33.一枚一枚丹念に?それとも数撃ちゃ当たる?
時により。24番に書いたとおり、D70の時には何枚撮っても特に費用がかかるわけではないので、いっとき「数撃ち」になりそうな悪い傾向がでてきましたが、このところ少しずつ改善されてきています。F3を時々使うようになったのが良かったようです。そういえば昔「一写入魂」なんて言葉がありました。
Q34.気分が乗らない時はすぐに撮影をやめますか?
毎週の連載を抱えていますので、アナを空けるわけにはいきません。気分は「プロ」です(^^)。
Q35.雨でも風でもへっちゃらですか?
「へっちゃら」な人っているんですか?みんないい写真撮りたい一心で我慢しているんじゃないのかなぁ。
Q36.一番過酷な撮影状況は?
従軍写真家じゃないので・・・。
Q37.カメラマンのマナーについて一言
時に悪い人がいますね。狭い通り道に三脚立てたり人を止めたり。何様のつもり?某大御所は何時間でも人が切れるまで待っていたと言う話を聞いたことがあります。京都あたりの写真愛好家の団体が自主規制を始めたりしているようですが、大変良いことだと思います。
Q38.で、貴方はマナーを守っていますか?
当然です。ポリ袋をいつも持ち歩き、目についた空き缶やペットボトルは拾って帰って来ます。
Q39.写真で食べていこうと思った事はありますか?
あるんですね、これが。随分昔のことですが。写真の学校まで行きましたから元を取らなくちゃってね。写真小僧は誰でも一度は考えるんじゃないかな?
Q40.金品を受け取って撮影した事はありますか?
あるある!ピアノの発表会の写真を撮ってあげたらお駄賃をくれた。質問の趣旨が「金品を受け取る前提で」ということだとすると見当違いの答えですね。
第4回目はここまでです。いつもながら設問により答えの長短にの差ありますが、どうぞご容赦を(^^ゞ。では次回、最終回をお楽しみに。
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さて、今日の1枚はちょっと涼しげなこれ。[ 撮影:すみよしの森 ]
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森にて
三、四種の蝉の鳴き声
アブラ蝉 ニーニー蝉 時折ヒグラシが混ざる
もう一つはなんだ
一瞬のまどろみ
鰻や鮎の住む川で従兄弟たちと遊んだ
涼しい風の通る大きな部屋で昼寝
黒光りのする長い廊下に腰を下ろして西瓜を食べた
鳥もちをつけた竹竿で蝉をとった
蝉が鳴いている
遠い昔の籠に入れた蝉か
いや 違う
すぐそこで いま 鳴いている蝉
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今日の1枚は、擬宝珠(ギボウシ)。日本画風に撮ってみたつもりです。
[ 撮影:あかねの森 ]
今日、恩田の森で撮影した写真をこちらに掲載しておりますのでぜひご覧ください。
恩田Now
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あっちっち
今日はマジ熱いっス、って言うくらい暑い。空は雲で覆われ、太陽がギラギラしているわけじゃないのに気温が高いんです。
朝から「暑い」って何度言ったことか。暑いって言ったところで涼しくなるわけじゃないのについつい口をついて出る「暑い」。
暑いとは言ってもソトにいるわけじゃなくて冷房の入ったオフィスにいるんです。それでも暑いのはどうしてなんでしょうね。
いつもはオフィス内にかけてある温度計をためしにソトに出してみましたが32度までしか上がりません。35度はありそうな感じなんだけど。まっ、温度計が正確なのかどうか怪しいところではありますが。

そんな今日の1枚は南の島の椰子の木。というのは真っ赤な嘘で、いつもの東京都下某所の椰子の木。それにしてもどうしてこんなところに椰子の木があるの?
朝から「暑い」って何度言ったことか。暑いって言ったところで涼しくなるわけじゃないのについつい口をついて出る「暑い」。
暑いとは言ってもソトにいるわけじゃなくて冷房の入ったオフィスにいるんです。それでも暑いのはどうしてなんでしょうね。
いつもはオフィス内にかけてある温度計をためしにソトに出してみましたが32度までしか上がりません。35度はありそうな感じなんだけど。まっ、温度計が正確なのかどうか怪しいところではありますが。
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そんな今日の1枚は南の島の椰子の木。というのは真っ赤な嘘で、いつもの東京都下某所の椰子の木。それにしてもどうしてこんなところに椰子の木があるの?
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始まりはフェリペ・マッサ
ライッコネンがタイトルへの望みをつなぎ、フェラーリが復活の狼煙を(少し)上げたハンガリーGPを終え3週間の夏休みに入ったF1サーカスだが、その間話題がなくなったかと言うとさに非ず。見ようによってはレースよりも面白く、また盛り上がるのも来シーズンに向けての移籍話である。レースのない3週間に話題提供のサービスか。
さて、噂はいろいろあったが、チームから最初に正式なニュースがリリースされたのはフェリペ・マッサのフェラーリ移籍だ。
マッサは2001年F3000ユーロシリーズにおいて 8戦中6勝の好成績を残して翌2002年ザウバーからF1にデビュー。2003年はフェラーリのテストドライバーを務め2004年から再度ザウバーのレースドライバーに復帰し今シーズンに至っているブラジル人ドライバーである。ザウバーのエンジンはフェラーリ製のものであり、2003年にはフェラーリのテストドライバーを務めているマッサでもあり、以前から噂にもなっていたのでこの移籍は驚くに値しない。
興味の中心は、このマッサのフェラーリ移籍が引き起こす玉突き現象にある。まずは2000年からチームメイトとしてワールドチャンピョンをサポートしてきた「史上最強のNo.2」バリチェロの去就である。彼は2006年までフェラーリで走る契約書にサインしていたはずだが、F1の世界では契約書など何の拘束力も持たないことは周知の事実である。
現在のF1は10チームが20台のマシンとレースドライバーを擁しているが、その他に各チーム2名程度のテストドライバーを抱えている。テストドライバーは多くの場合3rdドライバーでもあり、レースドライバーに事故があれば3rdドライバーのうちどちらかがレースに出走する。
つまり、世界でF1ドライバーと呼ばれるのはおおよそ30名と言うことになる。この30名の中からF1を卒業する(させられる)ドライバーが数名、そして下のカテゴリからF1に進級したいドライバーが10数名、合計40~50名程で30のイスを奪い合う「イス取りゲーム」(注1)をこれから約半年間かけて展開するのである。
トップチームのトップドライバーはまさしく「腕」を見込まれて移籍するが、中堅以下のチームの中堅以下のドライバーの移籍で最も重要な問題は「腕」ではなく、いったいくらのスポンサーマネーをチームに持ち込むことが出来るかということである。言ってみればカネでシートを買うという、このスポーツ特有のものでもある。
持ち込むものがカネではなく「現物」、つまりエンジンと言うこともある。日本人F1ドライバーの多くが残念ながらこの手でF1のシートを掴んで来た。
日本人初のレギュラーF1ドライバーとなった中嶋悟が当時最強と言われたホンダV6ターボエンジンを後ろ盾に名門ロータスからデビューしたのがこの良い例だ。もっとも、中嶋がチーム・ロータスのドライバーとして相応しいだけの「腕」を持っていたからこそ実現したF1デビューであったことも彼の名誉のために書いておかねばならない。
そうはいいながらも、ホンダの後ろ盾を失った中嶋がロータスからティレルに移籍することが出来たのはホンダエンジンへの期待と共に(事実後年ホンダ-無限エンジンがティレルに供給されている)EPSONとPIAAという強力なスポンサーを中嶋が持っていたからであるのもまた事実。F1は本音と建前、虚と実が常に渾然一体となった魑魅魍魎(注2)の世界なのである。
さて、日本の多くのF1ファンにとって、今年の「イス取りゲーム」最大の関心は佐藤琢磨の去就であろう。不運と共に自らのミスにより多くのレースを失ってきた今シーズンの琢磨もようやくハンガリーGPでポイントを獲得した。だがしかし、彼が来シーズンのBARのシートを確実なものにするには、残り6戦、毎レースの入賞あるいはバトンを上回る予選グリッドの獲得という高いハードルを越えなければならないだろうことは想像に難くない。
ハンガリーGPで今シーズン初ポイントを獲得し、プライベートでも嬉しいニュースのあった琢磨の更なる奮起に期待したい。
注1:この「イス取りゲーム」のことを(普通は)ストーブリーグと言います。一般的にスポーツ選手のチーム移籍話はシーズンオフである冬の間にされますので「ストーブ」リーグと呼ばれますが、F1の移籍話はシーズン中、夏の間に始まってしまいますので、ストーブじゃないだということで「プールリーグ」と呼ばれることもあります。
注2:「ちみ・もうりょう」と読みます。魑魅は山の怪物、魍魎は川の怪物の意味。「魑魅魍魎」とつなげると様々な化物という意味に、「魑魅魍魎の世界」は、普通の人には理解の出来ない、得たいの知れない世界という意味になります。

今日はモノクロームの写真を1枚。デジタルで撮影してPhotoshopで色を削除したものです。なかなかモノクロフィルムでの撮影・現像を開始できないでおります。[ 撮影:すみよしの森 ]
さて、噂はいろいろあったが、チームから最初に正式なニュースがリリースされたのはフェリペ・マッサのフェラーリ移籍だ。
マッサは2001年F3000ユーロシリーズにおいて 8戦中6勝の好成績を残して翌2002年ザウバーからF1にデビュー。2003年はフェラーリのテストドライバーを務め2004年から再度ザウバーのレースドライバーに復帰し今シーズンに至っているブラジル人ドライバーである。ザウバーのエンジンはフェラーリ製のものであり、2003年にはフェラーリのテストドライバーを務めているマッサでもあり、以前から噂にもなっていたのでこの移籍は驚くに値しない。
興味の中心は、このマッサのフェラーリ移籍が引き起こす玉突き現象にある。まずは2000年からチームメイトとしてワールドチャンピョンをサポートしてきた「史上最強のNo.2」バリチェロの去就である。彼は2006年までフェラーリで走る契約書にサインしていたはずだが、F1の世界では契約書など何の拘束力も持たないことは周知の事実である。
現在のF1は10チームが20台のマシンとレースドライバーを擁しているが、その他に各チーム2名程度のテストドライバーを抱えている。テストドライバーは多くの場合3rdドライバーでもあり、レースドライバーに事故があれば3rdドライバーのうちどちらかがレースに出走する。
つまり、世界でF1ドライバーと呼ばれるのはおおよそ30名と言うことになる。この30名の中からF1を卒業する(させられる)ドライバーが数名、そして下のカテゴリからF1に進級したいドライバーが10数名、合計40~50名程で30のイスを奪い合う「イス取りゲーム」(注1)をこれから約半年間かけて展開するのである。
トップチームのトップドライバーはまさしく「腕」を見込まれて移籍するが、中堅以下のチームの中堅以下のドライバーの移籍で最も重要な問題は「腕」ではなく、いったいくらのスポンサーマネーをチームに持ち込むことが出来るかということである。言ってみればカネでシートを買うという、このスポーツ特有のものでもある。
持ち込むものがカネではなく「現物」、つまりエンジンと言うこともある。日本人F1ドライバーの多くが残念ながらこの手でF1のシートを掴んで来た。
日本人初のレギュラーF1ドライバーとなった中嶋悟が当時最強と言われたホンダV6ターボエンジンを後ろ盾に名門ロータスからデビューしたのがこの良い例だ。もっとも、中嶋がチーム・ロータスのドライバーとして相応しいだけの「腕」を持っていたからこそ実現したF1デビューであったことも彼の名誉のために書いておかねばならない。
そうはいいながらも、ホンダの後ろ盾を失った中嶋がロータスからティレルに移籍することが出来たのはホンダエンジンへの期待と共に(事実後年ホンダ-無限エンジンがティレルに供給されている)EPSONとPIAAという強力なスポンサーを中嶋が持っていたからであるのもまた事実。F1は本音と建前、虚と実が常に渾然一体となった魑魅魍魎(注2)の世界なのである。
さて、日本の多くのF1ファンにとって、今年の「イス取りゲーム」最大の関心は佐藤琢磨の去就であろう。不運と共に自らのミスにより多くのレースを失ってきた今シーズンの琢磨もようやくハンガリーGPでポイントを獲得した。だがしかし、彼が来シーズンのBARのシートを確実なものにするには、残り6戦、毎レースの入賞あるいはバトンを上回る予選グリッドの獲得という高いハードルを越えなければならないだろうことは想像に難くない。
ハンガリーGPで今シーズン初ポイントを獲得し、プライベートでも嬉しいニュースのあった琢磨の更なる奮起に期待したい。
注1:この「イス取りゲーム」のことを(普通は)ストーブリーグと言います。一般的にスポーツ選手のチーム移籍話はシーズンオフである冬の間にされますので「ストーブ」リーグと呼ばれますが、F1の移籍話はシーズン中、夏の間に始まってしまいますので、ストーブじゃないだということで「プールリーグ」と呼ばれることもあります。
注2:「ちみ・もうりょう」と読みます。魑魅は山の怪物、魍魎は川の怪物の意味。「魑魅魍魎」とつなげると様々な化物という意味に、「魑魅魍魎の世界」は、普通の人には理解の出来ない、得たいの知れない世界という意味になります。
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今日はモノクロームの写真を1枚。デジタルで撮影してPhotoshopで色を削除したものです。なかなかモノクロフィルムでの撮影・現像を開始できないでおります。[ 撮影:すみよしの森 ]
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羽田空港管制不能事故
いや~ぁ、まいりました。原稿執筆の依頼が来ちゃったりしてって、それほどのことでもないか。shinoさんから「2日にあった羽田空港の航空管制がダウンしたことについて解説せよ」というリクエストが来ましたが、これって随分と無茶な話だと思いませんか。ヒコーキは乗るものも見るのも大好きな郷秋<Gauche>だけれど、航空管制のことなんてほとんど何も知らないですからね。
そうは言っても他ならぬshinoさんのリクエストとあれば、何か書かないわけには行きませんよね。で、思い出したのは本物の管制塔を見せてもらったことがあるということ。これってなかなか珍しい経験かなと思います。普通は見学なんかもさせてくれないと思うのでが、ちゃんと見てきたんですね。それも普通のエアライン使う空港じゃなくて米軍と自衛隊が共用する厚木飛行場の管制塔です。
厚木飛行場には米軍の空母の艦載機や海上自衛隊のP3Cなんかがウジャウジャしていました。街中の住宅密集地の真ん中にあるので、騒音公害が酷くていつも問題になっている飛行場です。このことについてはいろいろご意見もあるかとは思いますが、私は自衛隊側のゲストとして、現状の活動を見てもらうことで自衛隊への理解を深めて欲しいと言う広報活動の一環として基地を見せてもらい、LC-90というターボプロップ双発連絡輸送機に体験搭乗しました。その時の写真を引っ張りだしてみたら1994年の7月、もう11年も前のことでした。
さすがに管制塔の写真はありませんが、その時の証拠写真。これは水陸両用救難飛行艇US-1A。この手の飛行艇としては世界トップクラスの性能で、首都圏側の海で海難事故があると飛行艇が厚木から飛び立ち捜索・救難に当たるそうです。この救難飛行艇を含め海上自衛隊が運用している航空機はほとんどがターボプロップエンジン搭載機ですから騒音は決して大きくありません。耐え難い騒音をばら撒いているのは主に米軍の艦載機ですね。
いかにもわざとらしい修正が雰囲気でしょう。って何のこっちゃ。
管制塔は考えていたほど高い建物ではありませんでしたが、厚木飛行場の場合には滑走路が1本しかありませんのでエプロンも含めてすみからすみまで見えたように記憶しています。管制は海上自衛官と米軍人が一緒に行っていました。日本側に女性管制官がいたのにはちょっと驚きました。
これは対潜哨戒機P3C。今は潜水艦だけに限定しないようですが、専守防衛を国是とする日本において生命線とも言える哨戒機です。
さて、本題の航空管制ですが、レーダーと無線との情報により飛行場付近を飛んでいるヒコーキの位置と高度を確認して積み木のようなものをヒコーキに見立てて滑走路の位置が書いてあるボードの上に並べて、その配置関係を見ながら無線で離着陸の指示を出していました。ハイテク装置を使って管制・誘導するのかと思っていましたが、想像以上に手作業に近い管制だったので驚いた記憶があります。
これが実際に体験搭乗したターボプロップ双発連絡輸送機LC-90。搭乗後に機内から出てきた私の脚だけが・・・。
11年前の話ですからね、いまはもっと進んでいるような気がしますが、4月29日に羽田空港の閉鎖されている滑走路にヒコーキを降ろしてしまった事故を考えると今も似たような手作業なのかなと思ったりもします。
今回の停電騒ぎ(事故がなかったから良かったようなものです)については既に新聞等でも報道されていますので、皆さんその概要はご存知ですよね。
1. 電源関係の工事をしていたことが引き金になって、レーダーなど管制システムへの電源供給が止まった。
2. 無停電電源装置に接続されている非常用バッテリーに自動的に切り替えになった。
3. 非常用バッテリーに切り替わったことを知らせるはずの警報が鳴らなかった。
4. 50分後にバッテリーが切れてシステムがダウンした。
ざっと、こんな経緯で管制ができなくなったわけです。
新聞に出ていた電源系統図を見ると、電源供給の一番川上にある予備発電機から、受配電施設、無停電電源装置(バッテリー)、管制システム直前にある分電盤に至るまですべて独立した2系統になっています。管制システム直前にある切り替え器でA or Bの電源系統を切り替えることで、電源系統の一方が故障しても正常なもう一方を使い管制システムを正常に運用することが出来るようになっています。それでも電源が止まってダウンしたわけです。一部の新聞にはA,B両系統が同時に電源供給できない状態だったと書いてあったけれど、それにしてもA,Bを切り替えれば非常用バッテリーで倍の時間の稼動可能だったはず。
今回の事故の最大の原因は非常用バッテリーに切り替わったことを知らせるはずの警報が鳴らなかったことのようです。この警報が鳴ってさえいれば、数10分後にはバッテリー切れを起こすことを予見できたはずですし、そうであれば電源系統の一番川上にある予備発電機を稼働させ何の問題もなく運用を続けられたはずです(本当に両系統が同時に故障していたとするとだめだな)。もっとも今回の事故については原因よりも先に、そもそもどうしてヒコーキがたくさん飛んでいる時間にそんな工事をしなければならなかったのかと言うことが問題だとは思いますがね。
ひとつ疑問なのは、例えばA系統の無停電電源装置のバッテリーが切れた時に、どうしてすぐにB系統に切り替えなかったのかということ。これが自動なのか手動なのかわからないけれど、たとえ手動であったしてもシステムダウンの時間を最小限に抑えて管制再開が出来たはずです。この切り替えがきっと手動だったんだろうな。自動的に切り替えが出来ればシステムダウンは避けられたはずだから。
システムダウンを避けるために、A,B両方から常に電源の供給を受けるようにしておけばよかったんじゃないかなと郷秋<Gauche>が思う。切り替えるのではなく常にA,B両方を稼動させておく。そうすればどちらか一方からの電源供給が停止してもちゃんとシステムは動き続けるはずだ。
まあ、机上ではいろんなプランが考えられるし、それに基づいてシステムを構築することは出来る。でも、その設計の前提通りの運用やメインテナンスがされていればいいけれど、そうじゃないと必ず想定外のトラブルが起こる。99%の信頼性を99.9%にし、さらに99.99%にするためには莫大な費用がかかる。だけれど人の命には代えられないからするしかない。
今回の事故の唯一の救いは人命に関わるような事故に至らなかったこと。そうそう、パイロットが計器による誘導を受けなくてもちゃんと「腕」で着陸することのできる技量を備えていることを確認できたことも「救い」かな。
そうは言っても他ならぬshinoさんのリクエストとあれば、何か書かないわけには行きませんよね。で、思い出したのは本物の管制塔を見せてもらったことがあるということ。これってなかなか珍しい経験かなと思います。普通は見学なんかもさせてくれないと思うのでが、ちゃんと見てきたんですね。それも普通のエアライン使う空港じゃなくて米軍と自衛隊が共用する厚木飛行場の管制塔です。
厚木飛行場には米軍の空母の艦載機や海上自衛隊のP3Cなんかがウジャウジャしていました。街中の住宅密集地の真ん中にあるので、騒音公害が酷くていつも問題になっている飛行場です。このことについてはいろいろご意見もあるかとは思いますが、私は自衛隊側のゲストとして、現状の活動を見てもらうことで自衛隊への理解を深めて欲しいと言う広報活動の一環として基地を見せてもらい、LC-90というターボプロップ双発連絡輸送機に体験搭乗しました。その時の写真を引っ張りだしてみたら1994年の7月、もう11年も前のことでした。
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いかにもわざとらしい修正が雰囲気でしょう。って何のこっちゃ。
管制塔は考えていたほど高い建物ではありませんでしたが、厚木飛行場の場合には滑走路が1本しかありませんのでエプロンも含めてすみからすみまで見えたように記憶しています。管制は海上自衛官と米軍人が一緒に行っていました。日本側に女性管制官がいたのにはちょっと驚きました。
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さて、本題の航空管制ですが、レーダーと無線との情報により飛行場付近を飛んでいるヒコーキの位置と高度を確認して積み木のようなものをヒコーキに見立てて滑走路の位置が書いてあるボードの上に並べて、その配置関係を見ながら無線で離着陸の指示を出していました。ハイテク装置を使って管制・誘導するのかと思っていましたが、想像以上に手作業に近い管制だったので驚いた記憶があります。
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11年前の話ですからね、いまはもっと進んでいるような気がしますが、4月29日に羽田空港の閉鎖されている滑走路にヒコーキを降ろしてしまった事故を考えると今も似たような手作業なのかなと思ったりもします。
今回の停電騒ぎ(事故がなかったから良かったようなものです)については既に新聞等でも報道されていますので、皆さんその概要はご存知ですよね。
1. 電源関係の工事をしていたことが引き金になって、レーダーなど管制システムへの電源供給が止まった。
2. 無停電電源装置に接続されている非常用バッテリーに自動的に切り替えになった。
3. 非常用バッテリーに切り替わったことを知らせるはずの警報が鳴らなかった。
4. 50分後にバッテリーが切れてシステムがダウンした。
ざっと、こんな経緯で管制ができなくなったわけです。
新聞に出ていた電源系統図を見ると、電源供給の一番川上にある予備発電機から、受配電施設、無停電電源装置(バッテリー)、管制システム直前にある分電盤に至るまですべて独立した2系統になっています。管制システム直前にある切り替え器でA or Bの電源系統を切り替えることで、電源系統の一方が故障しても正常なもう一方を使い管制システムを正常に運用することが出来るようになっています。それでも電源が止まってダウンしたわけです。一部の新聞にはA,B両系統が同時に電源供給できない状態だったと書いてあったけれど、それにしてもA,Bを切り替えれば非常用バッテリーで倍の時間の稼動可能だったはず。
今回の事故の最大の原因は非常用バッテリーに切り替わったことを知らせるはずの警報が鳴らなかったことのようです。この警報が鳴ってさえいれば、数10分後にはバッテリー切れを起こすことを予見できたはずですし、そうであれば電源系統の一番川上にある予備発電機を稼働させ何の問題もなく運用を続けられたはずです(本当に両系統が同時に故障していたとするとだめだな)。もっとも今回の事故については原因よりも先に、そもそもどうしてヒコーキがたくさん飛んでいる時間にそんな工事をしなければならなかったのかと言うことが問題だとは思いますがね。
ひとつ疑問なのは、例えばA系統の無停電電源装置のバッテリーが切れた時に、どうしてすぐにB系統に切り替えなかったのかということ。これが自動なのか手動なのかわからないけれど、たとえ手動であったしてもシステムダウンの時間を最小限に抑えて管制再開が出来たはずです。この切り替えがきっと手動だったんだろうな。自動的に切り替えが出来ればシステムダウンは避けられたはずだから。
システムダウンを避けるために、A,B両方から常に電源の供給を受けるようにしておけばよかったんじゃないかなと郷秋<Gauche>が思う。切り替えるのではなく常にA,B両方を稼動させておく。そうすればどちらか一方からの電源供給が停止してもちゃんとシステムは動き続けるはずだ。
まあ、机上ではいろんなプランが考えられるし、それに基づいてシステムを構築することは出来る。でも、その設計の前提通りの運用やメインテナンスがされていればいいけれど、そうじゃないと必ず想定外のトラブルが起こる。99%の信頼性を99.9%にし、さらに99.99%にするためには莫大な費用がかかる。だけれど人の命には代えられないからするしかない。
今回の事故の唯一の救いは人命に関わるような事故に至らなかったこと。そうそう、パイロットが計器による誘導を受けなくてもちゃんと「腕」で着陸することのできる技量を備えていることを確認できたことも「救い」かな。
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ダッシュ400を飛ばす方が「楽だ」そうです
ダッシュ400、ってのはつまりジャンボジェットの最新型機で正式にはBoeing 747-400と言いますね。日本のエアラインはANAもJALこのダッシュ400が旗艦です。
さて、いったい何と比べて「ダッシュ400を飛ばす方が楽」かと言いますと、まずはこちらをご覧いただきたいのです。つまりですね、東京から秋田空港までクルマを飛ばすのと(高速道路を、という意味です。もちろん)ヒコーキを飛ばすのと、どちらが楽かというお話なのです。
先週末、3か月振りにMキャプテンにお目にかかったのでさっそく聞いてみたところ、高速道路を550Km、東京から秋田空港までクルマで走るよりは747-400(5月にあった事件は767のクルーの話だけど、Mキャプテンの愛機はダッシュ400だった)で行く方が間違いなく楽だというのだ。そんなものか。
もっとも、この「楽だ」には一つ条件があるという。それは747ならば500人からの搭乗客がいるわけだけれど、この500人を安全に運ぶという責任感を除けば、と言うこと。それはそうだろう。ただし、この「楽だ」のためには飛ぶ前にも飛んでいる時にも多くの人とシステムにサポートされているから「楽」なのだとも。そうりゃそうだ。
ヒコーキにだってちゃんと道がある。でもその通り道は見えないから、計器でその道筋がわかるようにするためだけでも巨大なシステムと多くの人の手が必要だ。勿論安全に飛べるための整備・点検もされている。そんないろんなことに支えられて飛ぶから「楽」なんだろうな。でも支えている人は「楽じゃない」はず。
でもやっぱり、ヒコーキで行く方が「楽だ」っていうのは実感なんだろうな。ヒコーキが、そして飛ぶのがホントに好きだから。Mキャプテン、またヒコーキの話聞かせてくださいね。
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今日の1枚は、銭葵(ゼニアオイ)。アオイ科ですが草丈は4-50cm、花径も3cm程の小さなもので、今が花のシーズンです。[ 撮影:すみよしの森 ]
さて、いったい何と比べて「ダッシュ400を飛ばす方が楽」かと言いますと、まずはこちらをご覧いただきたいのです。つまりですね、東京から秋田空港までクルマを飛ばすのと(高速道路を、という意味です。もちろん)ヒコーキを飛ばすのと、どちらが楽かというお話なのです。
先週末、3か月振りにMキャプテンにお目にかかったのでさっそく聞いてみたところ、高速道路を550Km、東京から秋田空港までクルマで走るよりは747-400(5月にあった事件は767のクルーの話だけど、Mキャプテンの愛機はダッシュ400だった)で行く方が間違いなく楽だというのだ。そんなものか。
もっとも、この「楽だ」には一つ条件があるという。それは747ならば500人からの搭乗客がいるわけだけれど、この500人を安全に運ぶという責任感を除けば、と言うこと。それはそうだろう。ただし、この「楽だ」のためには飛ぶ前にも飛んでいる時にも多くの人とシステムにサポートされているから「楽」なのだとも。そうりゃそうだ。
ヒコーキにだってちゃんと道がある。でもその通り道は見えないから、計器でその道筋がわかるようにするためだけでも巨大なシステムと多くの人の手が必要だ。勿論安全に飛べるための整備・点検もされている。そんないろんなことに支えられて飛ぶから「楽」なんだろうな。でも支えている人は「楽じゃない」はず。
でもやっぱり、ヒコーキで行く方が「楽だ」っていうのは実感なんだろうな。ヒコーキが、そして飛ぶのがホントに好きだから。Mキャプテン、またヒコーキの話聞かせてくださいね。
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今日の1枚は、銭葵(ゼニアオイ)。アオイ科ですが草丈は4-50cm、花径も3cm程の小さなもので、今が花のシーズンです。[ 撮影:すみよしの森 ]
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