今週も美術ネタが多くなったが、学校町のギャラリー「十三代目長兵衛」で三十日まで開かれている「風の工房作品展」に絶対に注目してほしい。あと一日しかない。急いでほしい。長野県上田市の通所施設「風の工房」では、知的障害者のためのアート活動を行っていて、そこで活躍する春原(すのはら)喜美江さんと、宮下宜續さんのパステル画を中心に展示構成されている。
上越市の画家が訪れて、「とてもかなわない」と舌を巻いた。元NHKの美術カメラマンが観て「すごいものを見せてもらった。プロの画家以上だ」と手放しで評価した。元美術教師は「まいったな」と言ったあと絶句した。それほどにすごい。構図がすごい。絵描きが最も苦労する構図の取り方を何の苦労もなく身に付けている。
デフォルメがすごい。リアリズムを離れた現代の画家が、勉強して自分のものとしてきたデフォルメの技法を、ほとんど生得のものとしてごく自然に駆使している。プロの画家がうらやましくなるほどの技量である。
とにかく「十三代目長兵衛」を訪れて、驚きの体験をしてみなければいけない。それは健常者として生まれてきた者のほとんど“義務”と言ってもよい。障害者に対する認識が変わるというか、ほとんど人生観が変わるほどの体験ができる。ギャラリー代表の曽田文子さんなどは朝から晩まで「まいったー、すごいわー」とうわごとを言っているほどである。
指導者がいて、手とり足とり教えているのでは決してない。「風の工房」では、いたるところに写真集や画集を置いて、障害者に絵を描く“きっかけ”を与えているだけだという。本当だろうか。三十日には「風の工房」を立ち上げた関孝之さんのギャラリートークがある。どうしても関さんの話を聞いてみたい。そして、その話の内容を報告したいと思っている。
上越市の画家が訪れて、「とてもかなわない」と舌を巻いた。元NHKの美術カメラマンが観て「すごいものを見せてもらった。プロの画家以上だ」と手放しで評価した。元美術教師は「まいったな」と言ったあと絶句した。それほどにすごい。構図がすごい。絵描きが最も苦労する構図の取り方を何の苦労もなく身に付けている。
デフォルメがすごい。リアリズムを離れた現代の画家が、勉強して自分のものとしてきたデフォルメの技法を、ほとんど生得のものとしてごく自然に駆使している。プロの画家がうらやましくなるほどの技量である。
とにかく「十三代目長兵衛」を訪れて、驚きの体験をしてみなければいけない。それは健常者として生まれてきた者のほとんど“義務”と言ってもよい。障害者に対する認識が変わるというか、ほとんど人生観が変わるほどの体験ができる。ギャラリー代表の曽田文子さんなどは朝から晩まで「まいったー、すごいわー」とうわごとを言っているほどである。
指導者がいて、手とり足とり教えているのでは決してない。「風の工房」では、いたるところに写真集や画集を置いて、障害者に絵を描く“きっかけ”を与えているだけだという。本当だろうか。三十日には「風の工房」を立ち上げた関孝之さんのギャラリートークがある。どうしても関さんの話を聞いてみたい。そして、その話の内容を報告したいと思っている。
(越後タイムス6月29日「週末点描」より)