四年前のことを思い出す。あの郵政選挙が行われた年、選挙の前哨戦の最中、盲腸が破裂して腹膜炎となり一カ月の入院を強いられた。死線をさまよったというほどではないが、“あと一日発見が遅れていたら、どうなっていたか分からない”と、後に医者に言われた。
脇腹に膿を出すための管を二本つけ、その痛みに耐えながら、選挙のニュースに注目していたことを思い出す。テレビには小泉元首相が出ずっぱりで、郵政民営化の是非を問うていた。もともと郵政民営化法案が参議院で否決されたため、イチかバチかで衆議院を解散して国民の支持を求めたのだった。
しかし、郵政民営化の争点だけで、総選挙が行われるなどということ自体がおかしいと思っていたし、当時あまりにもマスコミが小泉元首相の演説ばかりを放送し、いわゆる“刺客”を面白おかしく報道することを、“ポピュリズム”を助長するものだと批判したこともあった。
結果は自民党の歴史的大勝利に終わった。しかしその四年後、自民党は逆に歴史的な大敗北を喫することになった。この百八十度違った展開をどう受け止めればいいのだろうか。今回の選挙で小泉元首相は、引退を前に随分無責任な発言を行っていたように思う。
八月一日の柏高同窓会で、共同通信社論説委員長の西川孝純氏は、小泉元首相が「自民党をブッ壊す」とまで言っておきながら、自らの後継者に二男を据えたことを強く批判し、小泉チルドレンといわれる議員たちの面倒を見なかったことを“要保護者遺棄罪”に該当するとまで言った。
その意見に賛成する。今回の自民党惨敗の原因をつくったのは、小泉元首相その人である。小泉氏は自民党の歴史的大勝を演出したかもしれないが、逆に今回の総選挙で惨敗する大きな要因をつくった人でもあった。文字通り小泉氏が“自民党をブッ壊した”に等しい選挙結果であったと思う。
脇腹に膿を出すための管を二本つけ、その痛みに耐えながら、選挙のニュースに注目していたことを思い出す。テレビには小泉元首相が出ずっぱりで、郵政民営化の是非を問うていた。もともと郵政民営化法案が参議院で否決されたため、イチかバチかで衆議院を解散して国民の支持を求めたのだった。
しかし、郵政民営化の争点だけで、総選挙が行われるなどということ自体がおかしいと思っていたし、当時あまりにもマスコミが小泉元首相の演説ばかりを放送し、いわゆる“刺客”を面白おかしく報道することを、“ポピュリズム”を助長するものだと批判したこともあった。
結果は自民党の歴史的大勝利に終わった。しかしその四年後、自民党は逆に歴史的な大敗北を喫することになった。この百八十度違った展開をどう受け止めればいいのだろうか。今回の選挙で小泉元首相は、引退を前に随分無責任な発言を行っていたように思う。
八月一日の柏高同窓会で、共同通信社論説委員長の西川孝純氏は、小泉元首相が「自民党をブッ壊す」とまで言っておきながら、自らの後継者に二男を据えたことを強く批判し、小泉チルドレンといわれる議員たちの面倒を見なかったことを“要保護者遺棄罪”に該当するとまで言った。
その意見に賛成する。今回の自民党惨敗の原因をつくったのは、小泉元首相その人である。小泉氏は自民党の歴史的大勝を演出したかもしれないが、逆に今回の総選挙で惨敗する大きな要因をつくった人でもあった。文字通り小泉氏が“自民党をブッ壊した”に等しい選挙結果であったと思う。
(越後タイムス9月4日「週末点描」より)