玄文社主人の書斎

玄文社主人日々の雑感もしくは読後ノート

札幌は暖かかった

2012年01月26日 | 日記
 正月明けの三連休に、結婚式出席のため札幌へ飛んだ。真冬の札幌はさぞかし寒かろうと、厚着をし、いつぞや西舘好子さんからいただいたマフラーを巻き、使い捨てカイロを背中に貼って出掛けたのだった。
 新千歳空港に着いて驚いた。暑い。コートを脱いでもまだ暑い。上着も脱ぎたくなったが、荷物が増えるので、暑いのをがまんして汗をかきながら過ごした。かなり強力な暖房を効かせているのだ。
 札幌駅から外に出てホテルに向かったが、外気はさぞ冷たかろうと思ったのに反して、それほど寒くない。カラッとした寒さで、肌に心地よいくらいだ。気温は氷点下だったと思うが、風がほとんどないため、体感温度はそれほど低くないのだ。
 翌日、結婚式の会場まで地上を歩いたが、その日の気温は氷点下六度ということだった。柏崎ではほとんど体験しない低温だが、それほど寒さは感じない。会場も暖房が効いていて、まったく寒さを感じることはなかったし、ホテルの部屋も暑いくらいだった。
 無事に結婚式を終え、帰路に就く。夕刻柏崎の駅に降り立つと、みぞれまじりの雪が……。寒い。札幌よりはるかに柏崎の方が寒いではないか。風もある。風速が秒速一メートル増えるごとに体感温度は一度ずつ低くなるというのが実感される。“風の街”柏崎は、札幌より寒い日が多いのだ。
 冷え切った自宅にたどり着いて、ガスストーブをつけ、コタツに入っても、ちっとも暖かくない。部屋の温度は十四度より上がらない。三十度近い暖房をする札幌の屋内より、はるかに寒いわけだ。
 その日から寒気が居座って、雪と風の日が続いている。暖かい札幌に戻りたいと思う日々である。

越後タイムス1月20日「週末点描」より)