今回の福島第一原発の冷却に大きな役割を果たしたことは周知の通りです。
命を賭けての活動です。
その報告を受けて、石原都知事が感極まり涙したというニュースに感動しました。
引用すると「ああ…、もう言葉にできません。本当にありがとうございました」。と深々と
礼をしたということです。
そして「日本人はまだまだすてたもんじゃないということを示してくれた。
これをふまえて、これにすがって、この国を立て直さなければいかん」と声を震わせた、
というのですが、いかにも知事らしいです。
参加した隊員の一人は「「あの強気の知事が涙を流して礼を言ってくれた。
上から物を言うだけの官邸と違って、われわれのことを理解してくれている。
だから現場に行けるんだ」と話したとあります。
こういう交流があってこそ、頑張れるのだと思います。
(詳しくは、http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110321-00000575-san-soci)
こういう消防隊員に海江田経済産業相は現場の事情を無視して「速やかにやらなければ
処分する」との圧力的発言をしたということですが、もってのほかです。
この話をきくと、菅首相が東電の関係者を怒鳴ったということを思い出しました。
どうやら、民主党政権の閣僚は、怒鳴ったり、圧力をかけたりする能力しかないということ
が明らかになったようです。
なお、現場で何が問題だったかについては猪瀬副知事のブログで詳しく記されています(http://www.inosenaoki.com/blog/2011/03/post-8bab.html)。
ところで、放射能汚染の危険に立ち向かう作業員についてはロシアやアメリカから賞賛の
声が寄せられています。
特に、ニューヨークタイムズの元東京支局長は、地震、津波、放射能漏れの三重苦で
日本人の「団結が深まった」と指摘。「我と欲を捨てる精神と冷静さ、規律を尊重する
という日本人の行動規範を福島の原発で危険な作業を続ける作業員が体現している」と
たたえています。
ただ、皮肉なことは「哀れな日本政府の対応と比べて」このような日本人を
称賛していることです。
日本の大臣たちが駄目なことは、周知のことなんですね。
ですが、世界中の目が日本に集中しています。
あらためてその無能ぶりを曝しているようです。
国民として本当に恥ずかしいことです。
そういう中で、石原都知事が危険に曝した部下の職員が立派にその職務を果たしたことに涙し、
かつ、そういう職員を守るために首相に抗議するというのは、政治家として超一級というべき
でしょう。
いつものことですが、また、話がそれます。
菅首相は谷垣自民党総裁に入閣を要請したということですが、この行為は自信がないことを自ら
認めたものです。
民主党にまかせておけ、政治家が全部仕切るんだと大見えを切ったのは嘘だった
ということでしょうか。
やはり、まずは民主党内で全力を挙げて国難に立ち向かう覚悟が必要なのではないでしょうか。
それから、何かで「たとえ駄目でも今は菅政権を支えていくしかない」という趣旨のことを
読みましたが、これっておかしいと思います。
国民を支えるために、政治家や政府があるはずです。
そういう気概さえ持てないとすると、確かに世界中の人に馬鹿にされても仕方ないかも・・
そういう意味では、日本は、日本人は不幸な国、国民と言わざるをえません。
多国籍軍がシリアのカダフィを攻撃するのは、カダフィが国民の支持をうしなっており、
もはや政権を維持する正統性(legitmate)がないにもかかわらず、政権にしがみついているというのが理由なのです。
(もちろん、国民が強く辞職を求めているということが決定的ではありますが)
何か考え込んでしまいます。