弁護士太田宏美の公式ブログ

正しい裁判を得るために

原子力発電所の行方

2011年06月01日 | 政治、経済、社会問題

福島第一原発の事故を受けて、あらためて原発の安全性に
ついて、世界中で、真剣に検討されています。

ドイツは2022年までに原発全部を停止することを正式に
発表しました。
ドイツは現在、電力の22%を原子力で賄っており、
原発は17基ですが、うち8基は現在停止中、残りの9基も
全部停止すると決めたのです。
ただ、代替エネルギー源については、これからの検討事項です。
また、影響を受ける会社が政府を相手取って訴訟の可能性もあるとのことで、
実際にどうなるかは、まだまだ予断を許しません。

一方、フランスは原発をあきらめる様子はありません。
58基もあり、電力の4分の3を原子力に頼っているという国情があるようです。

スイスはドイツに近いですし、
アメリカやその他の国にはこの中間にあるようです。
ただ、福島原発の事故を受けて、無条件というわけにはいきません。
安全性について、厳格に検討はされるでしょう。
ここで重要なことは、それぞれの国が、原発の今後について
明確な意思決定を明らかにしていることです。
全部を停止するとのドイツの決定も、引き続き原発を推進するというフランスの
表明も、大胆です。

もちろん、賛否があり、政府の決定どおりになるかどうかはわかりませんが、
立場を明確にすることで、議論のスタートが設定され、議論の場が用意できたのです。
今後、反対・賛成のいろんな意見がでることでしょう。それでいいのです。
そういうことで、決定の過程が国民に明らかになります。
それが一番大事なのだと思います。

問題は日本です。
震源地の日本では、突如、浜岡原発の停止が明確な手続きをへることなく
菅首相の要望をうけるという形で停止されたほかは、
どうするかについて根本的基本的な検討がされておりません。
これまた唐突に1000万戸の太陽光パネルの設置をG8で公表しました。
これだけの規模の代替エネルギーというのは、原発政策変更なしにはあり得ないと
思うのですが、何の説明もありません。

原発についても、今回の事故についての検証を徹底し、そのうえで
明確な政策決定が不可欠のはずですが、言った言わないなどの
つまらないことだけは議論され、肝心なことは置き去りです。
特に日本は地震国であり、仮に原発が比較的安全であったとしても、
地震や津波との関係で立地等が問題であり、
他国に比べ、検討事項は多いはずです。

それにもかかわらず、肝心な議論は何もなく、責任の押し付け合い、
ただ金を出すことだけに集中しています。

全く危機感がありません。

原発の安全性や今後については世界的な関心事であるだけに、
いかに日本の政治が政治家が無責任・無能力・ノーテンキが暴露されました。

それにもかかわらず、国民も大マスコミも怒りの声をあげ、具体的な
行動に出ることはありません。

民主党の政治家は互いに仲間をかばい合っているだけです。

みなさん、どうしたらこのような状況を変えることができると
お考えでしょうか。
ご意見をお寄せください。
みんなで力をあわせて、日本を良くしようではありませんか。
そのきっかけが福島原発事故です。

今度の東日本震災は、地震・津波被害と原発被害をはっきりと分けて
検討する必要があります。