ゴエモンのつぶやき

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聴覚障害学生 思い伝える 19大学50人撮影 聞き取り

2011年11月23日 02時42分05秒 | 障害者の自立
元聾学校教諭 高田さん展示会計画
 聴覚障害を持ちながら大学に通う学生の悩みや喜びを多くの人に知ってもらおうと、鳥取市の県立鳥取聾(ろう)学校元教諭の高田啓一さん(63)(鳥取市雲山)が、各地で学生の写真を撮り、聞き取りを続けている。教え子が学生生活を送る中、思いが伝わらずに苦しんでいると耳にしたのがきっかけ。高田さんは昨年、卒業生のその後を撮影した作品を発表したが、今回は大学生のみで、教え子以外にも対象を広げており、すでに15都府県の19大学で約50人と対面。今後、展示会などで発信していく予定だ。(進元冴香)(しんげんさやか)

 高田さんは1976年から33年間、聾学校で数学教諭を務める一方、生徒が積極的に外に出歩くきっかけを作ろうと、81年に写真部を創設。人を被写体とした写真にこだわり、「カメラはコミュニケーションの道具の一つ」として、道行く人に臆することなく話しかけるよう指導した。

 退職後、卒業生から「勉強をしたくて進学したのに、講義の内容が理解できない」との声を耳にした。毎晩、泣いている学生がいるとも聞いた。大学職員らが本人に代わって講義内容をノートに取る大学もあるが、一部にとどまるとされ、「学ぶ意志のある子に悲しい思いをさせたくない」と2008年10月頃から、多くの人に関心を持ってもらうためにアンケートで思いを聞き取り、学生の姿を撮影する活動を始めた。

 教え子や知人から聴覚障害を持つ学生を紹介してもらうなどして、各大学を訪問。撮影では大学のシンボル的な施設を入れた上で「外見では健常者と変わらない学生が悩みを抱いていることを感じてほしい」とポーズを取らずにただ立ってもらう構図とした。

 また、聞き取りでは「大学生活で不都合を感じたこと」のほか「聴覚障害者として誇りに思うことは」など18項目を質問。「ノートを取ってもらう制度がなかったので、4年間学校に交渉し続けた」と課題を指摘する声とともに、「同じ障害を持つ子の力になるために、聾学校の教諭になりたい」という前向きな答えも寄せられているという。

 高田さんは今後、東日本大震災で被害を受けた東北の大学にも出向いて写真や声を集める予定で、「全国で1000人以上いるとされる聴覚障害を持つ大学生の悩みなどはあまり知られていない。聴覚障害者が学びやすい世の中になるきっかけとなれば」と話している。

(2011年11月22日 読売新聞)


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