2006-0429-yms028
時は春でも白山の深雪は
いつ溶けるやら分かりませんわ 悠山人
○紫式部集、詠む。
○略注=ここから四首は結婚前の藤原宣孝(後の夫)との贈答。995年秋に中国(宋)船が日本海で遭難して、70人余が若狭に漂着。翌年、紫が越前に下ったときには、国府(県庁)の武生で保護されていた。宣孝に、「唐人(からびと)」を見に行こうと誘われ、春は万物のとけるとき、あなたも私の気持ちが分かっていよう、と言われて詠う。加賀白山をご覧なさいな、あんなに深い雪ですもの、いつ溶けるのか分からないではありませんか。武生(たけふ)市には紫式部公園があって、ゆかりの歌碑、立像、総桧釣殿などが配置されている。間もなく見事な藤紫の棚仕立てが見られそう。
¶白嶺(しらね)=加賀白山(2700m余)。「春の到来も<不知(しらね)>
を懸ける。」と、平王ク注。
□紫028:はるなれど しらねのみゆき いやつもり
とくべきほどの いつとなきかな
□悠028:ときははる でもはくさんの ふかゆきは
いつとけるやら わかりませんわ
時は春でも白山の深雪は
いつ溶けるやら分かりませんわ 悠山人
○紫式部集、詠む。
○略注=ここから四首は結婚前の藤原宣孝(後の夫)との贈答。995年秋に中国(宋)船が日本海で遭難して、70人余が若狭に漂着。翌年、紫が越前に下ったときには、国府(県庁)の武生で保護されていた。宣孝に、「唐人(からびと)」を見に行こうと誘われ、春は万物のとけるとき、あなたも私の気持ちが分かっていよう、と言われて詠う。加賀白山をご覧なさいな、あんなに深い雪ですもの、いつ溶けるのか分からないではありませんか。武生(たけふ)市には紫式部公園があって、ゆかりの歌碑、立像、総桧釣殿などが配置されている。間もなく見事な藤紫の棚仕立てが見られそう。
¶白嶺(しらね)=加賀白山(2700m余)。「春の到来も<不知(しらね)>
を懸ける。」と、平王ク注。
□紫028:はるなれど しらねのみゆき いやつもり
とくべきほどの いつとなきかな
□悠028:ときははる でもはくさんの ふかゆきは
いつとけるやら わかりませんわ