悠山人の新古今

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紫式部集029 琵琶湖には

2006-04-30 06:00:00 | 紫式部集
2006-0430-yms029
琵琶湖には千鳥の声が鳴きわたり
相手を求めうるさいほどよ   悠山人

○紫式部集、詠む。
○略注=詞書に、近江守の女(むすめ)に「懸想す」という噂の男性が、あなただけをひとすじに、などとあまりにうるさいから、と詠むと。琵琶湖の千鳥のように、叫び続けなさいな、途切らせずにね。ここも議論のある一首。紫と宣孝の関係については、いままであまり深入りしていない。その理由は、研究者の議論がいまだに決着をみないからである。素人が半可通をひけらかすべきではない、と自覚している。
 ¶懸想(けそう)す=思いを寄せる。平王クでは「懸想ず」。
 ¶ことならば=「如ならば。同じことならば。できることなら。」(旺文版古
 語辞典)。「如(こと)」は仮定形誘引の副詞で、これだけでも「こと降ら
 ば袖さへ濡れて」(万葉集。どうせ降るなら袖まで濡れても)のように
 使う。
紫029:みづうみに ともよぶちどり ことならば
      やそのみなとに こゑたえなせそ
□悠029:びわこには ちどりのこえが なきわたり

      あいてをもとめ うるさいほどよ
*now streaming : A.Bruckner | Symphony No 9 in D Minor - III - Adagio. Langsam - feierlich *
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