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ワンダフルライフ

2014年08月10日 | 音楽
 毎週日曜日にフジテレビ系で今年の四月から放映中(まさにいま、野田秀樹が出演している)の「ワンダフルライフ」は、リリー・フランキーが聴き手となって、毎回一人のゲストを招いての対話番組なんだけれど、正直ほとんど気に留めたことはなかった。

 それが正面に出てきたのは、竹内まりやの新しいシングルCD「静かな伝説」が発売されるにあたって、その番組のエンディングテーマ曲であると知ってからだ。リリー・フランキーが出ていることも、同時期にNHK土曜ドラマ枠で6月14日に放送された村上龍原作「55歳からのハローライフ」を見た後にようやく意識した。このドラマは主役がリリー&戸田恵子の夫婦で二人とも、なかなか中年夫婦の倦怠感とでも呼ぶだけでは表しきれないようないい味を出していて、同世代である自身にとって文字通り身につまされる内容だった。ここではじめて、リリー・フランキーという存在を認識して、「ワンダフルライフ」という番組も見てみたいと思うようになった。

 それで初めて見た時のゲストが阿川佐和子さん、いつも落ち着いて聴き手としては優秀な印象のリリーが珍しく少し、いやあきらかに上がっていたように見うけられた。毎回変えて被ってる帽子がなんともお洒落で才人っぽく、相手の話に低くうなずくリリーが好印象。もうひとつ、オープニング曲が、ビートルズの「IN MY LIFE」(アルバム「ラバーソウル」1965年から)のギターイントロで始まるのも、ちょっとした意表を突かれたが、リリーの一見飄々とした雰囲気にマッチしていてじつによかった。この曲のセレクトは、リリー自身かプロデューサーかいったいどちらなのだろう?いすれにしてもセンスを感じる秀逸な選曲だ。

 そして、エンディングが竹内まりやの「静かな伝説」であり、番組冒頭のテーマ曲、ビートルズ「IN MY LIFE」とのカップリングが絶妙であると思う。前者は、同世代を代表して活躍する仲間たちへの讃歌で、前作「人生の扉」の発展系という感じだし、後者のビートルズの曲は、これまでの人生を懐かしくも振り返りながら、いま愛する女性に出会った喜び、これからのふたりの将来への希望を歌った内容で、その対比もいい。1955年出雲生まれの竹内まりやは、ビートルズフリークを公言してはばからないし、この組み合わせを一番に喜んでいるだろうな。